自己破産
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自己破産後の生活はどうなる?仕事・家族への影響と制限されることは?

自己破産をしても、すべての財産を失うわけではなく、翌日から普通の生活を送ることが可能です。
確かにローンや一部の職業に一時的な制限はかかりますが、戸籍に載ることも、選挙権を失うこともありません。
本記事では、自己破産直後の「一時的な制限」について、要点を絞って解説します。

自己破産後の生活への影響は?

借金の返済に苦しんでいて自己破産を考えている人は、手続きすることで生活にどのような影響があるのか不安でしょう。
しかし、心配事の中には、自己破産した後でも特に影響を受けないものも多くあるため、過度に不安を感じる必要はありません。
自己破産後でも生活の中で特に影響が及ばない点について、具体的に解説します。

戸籍や住民票への記載・選挙権への影響はない

自己破産の手続をすると、戸籍や住民票に記載されるのではないかと不安に思う人もいるでしょう。
しかし、自己破産手続きをしても、戸籍や住民票にその旨が記載されることはありません。
選挙権がなくなり、投票できなくなるのではないか、という不安を抱く人もいるかもしれませんが、選挙権にも特に影響はないのです。
また、被選挙権に関しても特に影響はないため、公職に立候補することもできます。

家族への支払い義務や子どもの進学・就職への影響もない

自己破産をすると、家族が支払い義務を負うことになるのではないかと、不安を抱く人もいます。
しかし、家族に支払い義務が生じることはないため、心配する必要はありません。
また、子どもが進学や就職を控えている人の場合、家族が自己破産していると不利になるのではないかと思う人もいます。
そもそも家族が自己破産をしたと知られることはなく、家族の信用情報にも記録されないため特段の問題はないのです。

賃貸マンションの契約や更新も原則として可能

賃貸マンションに住んでいる場合、自己破産すると更新ができなくなるのではないかと不安になる人もいるでしょう。
賃貸マンションの家賃支払いは借金ではないため、自己破産をしても今後の更新には特に影響を及ぼしません。
ただし、家賃を滞納している場合は、自己破産によって滞納分の家賃の支払いが免責となるため、更新できなくなったり、退去を求められたりする可能性があります。

自己破産後に「失うもの」と「手元に残せるもの」の基準

自己破産の手続きをしたときは、財産を処分して借金の返済分に充当し、残った借金が免責となって返済義務が免除されます。
しかし、全ての財産を失うわけではなく、手元に残せるものもあります。
自己破産によって失うものと手元に残せるものは、以下の通りです。

失う財産20万円以上の価値がある
・不動産
・自動車など
・株などの有価証券
・FX・仮想通貨
・貸付金・売掛金などの債権
・貴金属・ブランド品など
・退職金の一部
・生命保険・個人年金(解約返戻金)
手元に残せる財産・手続き後に得た新たな財産
・生活に必要となる差押禁止財産
・99万円以下の現金
・自由財産拡張が認められた財産
・換金が困難な財産

以下に、それぞれの財産について詳しく解説します。

【残せる】99万円以下の現金と生活必需品

残せる財産としてはまず挙げられるのは現金ですが、金額に制限があることに留意してください。
手続きした時点で手元にある現金のうち、99万円までなら残せます。
また、タンスやベッド、食器棚、食卓、調理用具、暖房器具などの生活必需品は差押禁止動産といい、自己破産の処分の対象にはなりません。
しかし、テレビやエアコン、電子レンジ、冷蔵庫、洗濯機などが2台以上あると、1台だけ残して処分対象になってしまいます。
自己破産手続きの後で得た給与や年金、生活保護など新たに得た財産も処分対象とはならず、保有が認められています。
また、20万円以下の預貯金や解約返戻金、敷金、退職金の8分の1などは手元に残せるのです。

【失う】持ち家(不動産)や20万円を超える価値のある資産

自己破産の手続きをすると、持ち家などの不動産を処分することになり、競売にかけられてしまいます。
車やバイクをローンで購入していて、まだ返済中の場合、所有権はローン会社に留保されているため、回収されてしまうのです。
ただし、ローンをすでに完済していたり、銀行からの融資で購入していたりする場合には、所有権が購入者にあることから財産として処分されてしまいます。
車がなければ生活できないなどの事情があれば、裁判所に申立を行い、所有を許されるケースもあるでしょう。
生命保険の解約返戻金や貴金属、ブランド品、退職金の一部、仮想通貨などは、基本的に20万円以上であれば処分対象となります。

自己破産後に一時的に制限される5つのこと

自己破産後もこれまでと変わらずに生活できることが多い一方で、いくつかの点においては制限を受けるため、注意が必要です。
ただし、多くの場合は制限がかかる期間が限定されるため、必要以上に心配する必要はないでしょう。
たとえ制限を受けても、一定期間が経過すれば解消されます。
自己破産後に制限されることは主に5つありますが、それぞれどのくらいの期間、制限されるのかを解説します。

1. クレジットカード・ローンの利用制限

自己破産をすると、信用情報機関に事故情報として記録され、いわゆるブラックリストに登録されてしまいます。
ブラックリストに登録された場合は、クレジットカードやローンの利用に制限がかかってしまうのです。
住宅ローンや学資ローン、マイカーローンなどの利用も制限されてしまうため、今後の生活についてしっかりと計画を立てる必要があるでしょう。

2. 一定の職業への従事制限(資格制限)

自己破産すると、弁護士や公認会計士、司法書士、税理士など、士業の資格については制限され、一時的に従事できなくなります。
また、保険外交員や警備員、貸金業、卸売業、古物商、旅行業などの職業に就くことも制限されてしまうのです。
なお、資格や職業に制限がかかるのは、自己破産の手続きをしている間に限られ、免責許可を得た時点で制限は解除されます。

3. 裁判所の許可なしでの引越し・海外旅行

自己破産手続の開始が決定した後、管財事件であれば、免責許可を得るまで裁判所の許可を得ずに引っ越したり、海外旅行をすることが禁止されています。
所在を明確にすることで、手続きに協力してもらえるようにするのと同時に、財産隠しや逃亡を防ぐために定められているのです。
たとえ同一市内での引っ越しでも許可は必要ですが、日帰りや1泊の旅行であれば通常は問題ありません。

4. 郵便物の転送・管理

自己破産して管財事件となった場合は、免責許可までの間、郵便物の受け取りが制限されます。
回送嘱託といい、破産管財人に破産者あての郵便物が転送されてしまうのです。
財産隠しを防ぐための措置であり、財産がない同時廃止となった場合には、郵便物は転送されません。
破産管財人は郵便物を開封して内容を確認する権限があり、郵送物に記載されている債権者や保険会社などは、債権者一覧や財産目録に記載されている必要があります。

5. 官報への氏名・住所の掲載

自己破産は裁判所を通じて行う手続きであるため、官報に氏名や住所などが掲載されてしまいます。
官報とは、裁判や法律に関する公告を目的とした政府が発行する機関誌です。
新聞のような役割がありますが、通常の新聞とは違い、コンビニなどでの販売は行われていません。
そのため、知らない人も多いのですが、不動産業や金融業の方などは目にすることもあるでしょう。

仕事への影響は?資格制限の期間と「復権」のタイミング

自己破産をすると仕事にも影響があるのではないかと、不安に思う人もいるかもしれませんが、実際に影響を受けて就業できなくなる仕事は一部に限られます。
また、資格に関して一時的に停止されるものもありますが、時間が経てば復権して再び資格が有効となります。
資格が必要となる仕事をしている場合は、業務が一定期間できなくなりますが、復権した後は再開できるでしょう。
自己破産した場合に影響を受ける仕事や、停止される資格の種類、資格制限を受ける期間や資格が復権するまでの期間などについて解説します。

制限される主な職種(警備員、士業、生命保険外交員など)

自己破産の手続きをしたときに制限されるのは、主に士業と呼ばれる以下のような職業です。
・弁護士
・弁理士
・公認会計士
・税理士
・司法書士
・行政書士
・土地家屋調査士
・社会保険労務士
・通関士
・宅地建物取引士

職業自体に制限がかかるわけではありませんが、職業としての業務を遂行するために必要となる資格が一時停止されるため、働けなくなります。
また、保険外交員や貸金業、古物商、警備員、卸売業、旅行業などの職業については、就労自体が制限されてしまうのです。
日本銀行や商工会議所などの公的機関の役員や、公正取引委員会や社会保険審査会などの公的な委員会の委員長、ならびに委員などは再就任できません。

免責確定(復権)によって資格制限は数ヶ月で解除される

自己破産手続によって士業に必要な資格が制限され、一定の職業への就業ができなくなってしまいます。
しかし、資格および就業の制限は永続的なものではなく、自己破産手続きが進んで裁判所から免責の許可を得ることができれば復権となり、解除されます。
免責許可を得られるまでの期間は、自己破産の手続きの種類によって異なり、同時廃止となった場合には、申立から3~4カ月ほどです。
管財事件となった場合には申立から4カ月~1年ほどかかりますが、少額管財事件となった場合は、4~5か月ほどで免責許可を得られます。
同時廃止と管財事件、少額管財事件のどれになるかは財産の有無などで異なります。

自己破産を理由にした解雇は法律で禁止されている

自己破産したことが会社に知られることはまずありませんが、万が一知られたとしても、自己破産を理由に解雇されることはありません。
なぜなら、自己破産とはあくまでも私生活に関わる問題であり、会社の業務とは特段の関係がないため解雇の理由にはならないからです。
もしも自己破産したことを理由に解雇された場合には法律違反となり、不当解雇として解雇は無効であると主張することができます。
ただし、自己破産の手続きによって職業の一部に制限を受けることがあり、その結果、業務を遂行できないという理由で解雇される可能性はあるでしょう。

自己破産後、家族や保証人への影響

自己破産をしたことで、家族や保証人に与える影響についてもう少し詳しく解説します。

保証人・連帯保証人は債務義務を負う

奨学金をはじめ、借金の種類によっては家族や知人などが連帯保証人になっていることもあります。
その場合、自己破産によって連帯保証人にその返済義務が移行してしまうのです。
さらに、期限の利益の喪失という決まりによって、本来は分割払いの契約だったとしても、残債の一括返済を求められるでしょう。
そのため、保証人がいる場合は大きな迷惑をかけることになります。
自己破産手続きを開始する前に、保証人には必ず連絡をしておきましょう。
迷惑を最小限にするために、誠意をもって事情を説明しなくてはいけません。
場合によっては、一緒に自己破産したほうがいいこともあります。
そうしなければ、向こうとしては寝耳に水の話で、いきなり家の処分などを考える羽目になるかもしれません。

保証人・連帯保証人ではない家族への影響は?

家族であっても、保証人や連帯保証人になっていなければ影響はそれほど大きくありません。
借金も自己破産も、あくまでも個人に対するものだからです。
そのため、たとえ同居して生計を同じくしていても、借金を代わりに返済する義務はありません。
もちろん、離婚をしなくても自己破産で迷惑をかけることはないのです。
ただし、今住んでいる家が自己破産をした人の名義なら、それを手放すことになるでしょう。それに伴って、引っ越しや転校をする可能性もあるでしょう。
また、収入のない家族がクレジットカードを作ろうとしても、断られる可能性が高くなります。
子どもが奨学金を借りようとしたときも、保証人になれないかもしれません。
このように、人によっては影響が大きくなることもあります。
事前に、家族できちんと話し合ったほうがいいでしょう。

自己破産と任意整理、個人再生の違い

債務整理の方法には、自己破産以外にも任意整理や個人再生などの方法があります。
それぞれ違いはありますが、どの方法が一番いいのかはわからない人も多いでしょう。
その違いを、表にまとめて比較しました。

それ以外は、すべて管理されることになります。
中には、破産者が所有しているものの元々はその人の財産ではない、というものもあるでしょう。
その場合、本来の所有者は取戻権によって、財産を取り戻すことができます。

自己破産任意整理個人再生
借金の減額原則としてゼロになる将来の金利をカットして、過払い金があれば請求できる元金を5分の1前後に減額
財産高額なものは処分される財産には影響がない財産は処分されず、住宅ローンがあっても住宅を残せる
借金の理由不許可事由がある特に問わない特に問わない
ブラックリストの記載される(5~10年)される(5~10年)される(5~10年)
官報への掲載されるされないされる
職業制限手続中のみあり特になし特になし
保証人への影響保証人がいれば、請求される特になし住宅ローン以外の保証人には請求される
家族・職場に知られるリスク高い低い高い

自己破産は、借金が原則としてゼロになるため、効果としては最も大きいのですが、その分リスクも高くなっています。
任意整理の場合は、将来の利息をカットするだけで元金は原則的に減らすことができないのですが、家族に知られずに行える可能性が最も高い方法です。
個人再生は、住宅を残すことができるのですが効果も高く、リスクもその分高いといえるでしょう。
どの方法でも基本的に職場に知られる可能性はそれほど高くありません。
ただし、債権者に職場が含まれている場合は、その限りではありません。
また、自己破産の場合は退職金見込みなどの書類を職場に請求することがあります。
その場合は、知られるリスクは高くなるでしょう。

まとめ

・自己破産をすることで、その後の返済義務から免れることができる
・借金そのものは残っているので、保証人や連帯保証人がいればそちらに請求されてしまう
・住宅や車などをはじめ、ほとんどの財産は処分することになる
・ある程度は、自由財産として手元に残すことができる
・一部の仕事のみ、手続き中は制限を受ける
・官報に情報は記載されるが、個人的に見ている人は少ない
・税金や慰謝料、損害賠償などは免除されない
・戸籍や住民票には記載されない
・家族に直接的な影響はない
・職場に知られる可能性は低いが、一部の手続が必要な場合に知られることがある
・スマートフォンは、本体の購入代金が分割払いの途中なら、解約になる可能性が高い
・債務整理の中で、最も効果が高い方法だが、デメリットも多い

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