任意整理の相場とは?費用の内訳を分かりやすく解説
債務整理の一種に、任意整理という方法があります。
任意整理は、債権者と直接交渉して債務にかかる原則利息等をカットしてもらい、返済額を減額するというものです。
債務整理では裁判所を通じて手続きをすることが多いのですが、この場合は裁判所が一切関わりません。
借金をした本人かその代理人と、金融機関等の債権者が直接話し合って決まるのです。
この申請は、司法書士等の専門家に依頼することもできますが、自分で行うこともできます。
ただし、費用がかかっても専門家に依頼したほうがいいのです。
なぜなら、交渉の成功率が大きく変わってくるからです。
他の債務整理と比べると、任意整理は手続きに手間がかからず申請も簡単です。
そのため、忙しくて裁判所に何度も出向くことができない人や、債務整理をしてからも財産を維持したいという人などにおすすめです。
この記事では、任意整理をした場合にどのような費用がかかるのか、詳しく解説します。
任意整理の費用の相場
任意整理の手続きをする場合は、どのくらいの費用がかかるのでしょうか?
専門家に依頼した場合と、自分で手続きをした場合の費用の相場について、解説します。
任意整理を依頼する場合
ほとんどの人は、任意整理をする際は専門家に依頼して手続きを進めます。
その際にかかる費用は、以下のようになっています。
費用内訳 | 弁護士 | 司法書士 |
---|---|---|
相談料 | 0円~1万円 | 0円~1万円 |
着手金 | 1社あたり3万円以下 2社以上の場合、1社あたり2万円以下 | 1社あたり2万円以下 |
報酬金(基本報酬) | 1社2万円~ | 1社2万円~ |
減額時基本報酬 | 減額成功金額の10%以下 | 減額成功金額の10%以下 |
過払い金成功報酬 | 回収金額の10%~25% | 回収金額の10%~25% |
任意整理を依頼する専門家は、主に司法書士です。
ただし、金額が多い場合は弁護士に依頼することもあるでしょう。
どちらに依頼するかによって、料金は異なります。
この費用は目安であり、正確な料金は各事務所でそれぞれ定めています。
大まかな金額は、日本司法書士連合会や日本弁護士連合会によって定められたガイドラインに従っています。
ただし、その内容は必ず守らなければいけないというわけでもないので、確実ではありません。
それ以上の金額に設定しているところも、なくはないのです。
また、債権者が複数の場合は、1社あたりの着手金も減額されることがあります。
それも各事務所で規定が異なるので、確認が必要でしょう。
任意整理を自分で行う場合
ごくわずかですが、任意整理を専門家に依頼せず、自分で行うという人もいます。
その場合は、上記のような料金はかかりません。
ただし、まったく費用がかからないというわけではありません。
自分で任意整理を行った場合も、債権者へと書類を郵送する際の切手代や、交渉が成立した際に作成する合意書に貼付する印紙代などはかかります。
印紙代は、1社につき2,000円程度ですが、借金の金額によってその額も上下します。
ただし、自分で任意整理を行うと、成功率は著しく低くなります。
債権者も、回収できる金額を減らす交渉には応じたくありません。
交渉したいと申し出ても、なかなか応じてもらうことはできないでしょう。
また、交渉の席にはついてもらえても、相手にしてもらえず失敗することが多いのです。そのため、費用がかかっても成功率を高めるため、交渉に慣れている専門家へと依頼するのがおすすめです。
専門家に依頼した際の費用の内訳
任意整理を専門家に依頼した場合は、費用がかかります。
その費用は、いくつかの項目に分かれています。
費用の内訳とその相場について、項目別に詳しく解説していきます。
任意整理の相談料
相談料というのは、専門家に債務整理について相談した際にかかる料金です。
実際に依頼するかどうかにかかわらず、発生します。
ただし、最近では相談だけなら無料という事務所が増えています。
特に、専門分野として任意整理などの債務整理を掲げている事務所であれば、相談料はほとんど無料になっています。
その反面、任意整理を専門にしていないところに相談する場合は、相談料が無料になることはあまりないでしょう。
最近は多くの事務所がホームページを開設しているので、そこで任意整理や債務整理を掲げている事務所を選ぶようにしましょう。
相談料の相場は、0円から1万円ほどです。
任意整理の着手金
実際に任意整理を専門家に依頼すると、まず着手金がかかります。
この料金は、成功するかどうかに関わらず支払わなくてはいけないものです。
通常、着手金は債権者1社ごとに料金が設定されています。
例えば、着手金が1社につき3万円なら、3社を対象に任意整理する場合の着手金は合計で9万円です。
この着手金は、たとえ交渉に失敗したとしても支払わなくてはいけません。
金額は、事務所によって大きく異なります。
1社につき2万円というところもあれば、5万円、10万円というところもあります。
おおよその料金はガイドラインで定められているのですが、義務ではないので必ずしもそれに従うとは限らないのです。
着手金の相場は1社につき2万円から3万円ほどです。
あまり高いところには、依頼しないようにしましょう。
任意整理の基本報酬
着手金のほかに、基本報酬が定められている事務所もあります。
着手金の代わりに設定されているところもあれば、特定の事情がある場合のみ発生することもあります。
例えば、裁判所の訴訟で強制執行される可能性がある、もしくはもう強制執行されているため、急いで対応する必要があるという場合や、返済を数か月滞納しているので支給の対応が必要という場合です。
こういった事情があると、交渉も通常より難しいものとなりがちです。
その分、基本報酬として請求されることがあるのです。
基本報酬の相場は、着手金と同じく1社につき2万円から3万円ほどです。
任意整理の減額報酬
減額報酬は、任意整理の交渉に成功した際、その減額された金額に応じて請求されます。もしも交渉に失敗した場合は、一切かかりません。
交渉でどのくらい減額できるかは、元々の借金の額によって異なります。
任意整理は、基本的に借金の元金に対して将来発生する利息、および返済が遅れた際の遅延損害金をカットしてもらうものです。
そのカットされた分の一部を、減額報酬として支払うことになるのです。
減額報酬の相場は、ガイドラインでも定められています。
ガイドラインでは、減額に成功した金額の10%以下となっているのですが、ほとんどの事務所ではその上限に合わせているため、減額された金額の10%が相場となっています。
任意整理自体よりも依頼費用が高くなる理由
任意整理を依頼した際に、減額される金額よりも依頼費用のほうが高くなるということは、めったにありません。
もしあるとしたら、本来は任意整理する必要がないほど少額の借金しかなかった場合だけでしょう。
依頼費用の多くは、着手金と減額報酬です。
減額報酬は減額できた金額の一部なので、着手金より減額できた金額が少なかった場合でなければ、依頼費用のほうが高くなるということはまずありません。
例えば、1社から120万円を年利15%で借りていたとします。
返済期間を3年とすると、その間に発生する利息は297,524円です。
司法書士等に依頼して任意整理を行い、交渉に成功してこの利息をカットできた場合、支払う費用としては以下のようになります。
相談料 | 0円 |
---|---|
着手金・基本報酬 | 2万円×1社=2万円 |
減額報酬 | 297,524円×10%=約29,800円 |
合計 | 49,800円 |
将来的な利息として297,524円をカットできた場合、減額報酬はその10%が相場なのでおよそ29,800円となります。
着手金や基本報酬の相場である2万円を加えても、依頼料は49,800円ほどです。
そのため、最終的にはおおよそ247,700円ほど得をすることになるのです。
もし、カットできる利息が22,000円以下の場合は、依頼費用のほうが高くなることとなるでしょう。
個人再生や自己破産の費用の比較
債務整理の方法としては、他に個人再生や自己破産といった方法もあります。
任意整理以外のこの2つの方法は、いずれも裁判所を通じて行う手続きです。
そのため、手続きの際は司法書士等の専門家に依頼する費用以外にも、裁判所へと納める費用がかかります。
個人再生の場合は、まず司法書士等の専門家に依頼する費用として、30~50万円ほどかかります。
さらに、裁判所にも20万円前後納める必要があります。
裁判所に納める金額のほとんどは、個人再生委員に支払われる報酬です。
個人再生にかかる費用の目安としては、合計60万円ほどです。
自己破産には管財事件、少額管財事件、同時廃止事件などがあるのですが、それによってかかる費用は大きく異なります。
それぞれ、かかる費用は以下のようになっています。
費用内訳 | 管財事件 | 少額管財事件 | 同時廃止事件 |
---|---|---|---|
依頼費用 | 30万円~80万円 | 30万円~50万円 | 25万円~30万円 |
裁判所費用 | 50万円~ | 20万円~ | 1万円~3万円 |
費用合計 | 80万円~ | 50万円~ | 30万円前後 |
ただし、自己破産のほとんどは同時廃止事件として扱われます。
多額の財産があるか、特殊な事情がない限りは、管財事件にはならないでしょう。
もし管財事件になった場合は、負債額によって裁判所費用も大きく変わってきます。
同時廃止事件であれば、自己破産にかかる費用の目安は30万円ほどです。
この2点と比較して、任意整理にかかる費用はあまり大きくありません。
債務整理の中では、任意整理が最も費用が安いと考えていいでしょう。
任意整理費用の支払方法
任意整理は比較的費用が安いといっても、借金の額や対象となる債権者の数によっては10万円、20万円とかかることも少なくありません。
それだけの額を、一括で支払うことができないという人もいるでしょう。
任意整理の費用は、基本的に分割払いです。
今までの支払いを続けながら支払っていくのは無理、という場合でも、大丈夫です。
任意整理を依頼すると、その時点で交渉の対象となる債権者への返済は一旦停止します。なぜなら、交渉が終わるまでの間に残った借金の額が変化するようでは、計算が複雑になるからです。
また、督促等を受けている場合もその時点でストップします。
返済が停止した分を、依頼料として支払っていけばいいのです。
任意整理の費用を用意できないときの対処法
どうしても、任意整理のための費用を用意できない場合はどうしたらいいのでしょうか?その場合の方法について、解説します。
司法書士に依頼する
任意整理を依頼する専門家は、主に弁護士と司法書士です。
しかし、その依頼費用を比較した場合、司法書士のほうが依頼費用を安く設定しているのです。
そのため、司法書士に依頼することで依頼費用を節約できます。
ただし、司法書士には対応できる金額の上限があります。
借金の額が1社あたり140万円をこえていると介入できないので、その分については弁護士に依頼するなどの対処が必要となります。
分割払いにする
ほとんどのところは、分割払いに応じてくれます。
借金に苦しんでいる依頼者が、一括で依頼費用を用意できるケースは少ないのです。
無理をして支払おうと、新たに借金をしてしまうと本末転倒なので、無理なく支払えるよう分割払いを認めています。
事務所によっては、最長で36回払いまで応じてくれるところもあります。
債権者への返済を一時的に止める
司法書士等の専門家に依頼すると、その時点で毎月の返済はストップします。
その分を、依頼料の支払いに回すこともできます。
専門家に依頼すると、債権者には受任通知が送られます。
その時点で、借金の額は固定されるため、それ以降は返済することが禁止されるのです。
そして、その返済分を依頼費用の支払いに回して、支払が終わった時点で交渉に取り掛かります。
支払額が今までよりも増えるわけではないので、どうにか支払っていけるでしょう。
また、交渉には目安として3か月ほどかかります。その間も支払いはストップするので、その分は減額に成功した際の報酬として用意しておくといいでしょう。
このような方法で、費用を用立てることは可能です。
自分にはどれならできるか、検討してみましょう。
債務整理を専門家に依頼するメリットとデメリット
債務整理を自分で手続きせず、司法書士等の専門家に依頼した場合のメリットやデメリットとしては、どのようなことがあるでしょうか?
それぞれ、詳しく解説します。
債務整理を専門家に依頼するメリット
専門家に依頼するメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
・督促や取り立てが止まる
・手間を省くことができる
・家族に知られずに手続きできる
・債務整理にかかる期間が短くなる
・成功率が高くなる
専門家に依頼すると、債権者には受任通知が送られます。
その時点で、本人に直接督促や取り立てをすることは、法律で禁止されているのです。
これは、訪問しての取り立てだけではなく、電話や手紙、FAXなどでの取り立ても禁止されます。
また、債務整理で大きなウエイトを占めるのが、手続きに必要な書類の作成や債権者との交渉、あるいは裁判所に申請書類を提出して申立をすることなどです。
ここに不備があると債務整理は失敗してしまうため、非常に手間がかかるのです。
司法書士等の専門家に依頼すると、その大部分を代行してくれるため、大幅に手間が省けます。
自分で手続きをすると、貸金業者から書類等が届くため、家族に知られる可能性が高いでしょう。
しかし、司法書士等の専門家に依頼すると書類はそちらに届くので、家族に知られる可能性は低くなります。
債務整理の手続に慣れた専門家なら、手続きにかかる時間は最小限で済みます。
必要なことだけ、最短で進めてくれるからです。
何より大きなメリットは、成功する確率が高くなることでしょう。
書類を適切に提出したり、債権者と交渉して希望を聞き入れてもらったりするのは、経験が豊富な専門家に依頼したほうが成功しやすいのです。
債務整理を専門家に依頼するデメリット
債務整理を専門家に依頼するデメリットはただ一つ、費用がかかるという点です。
債務整理にかかる費用は、決して安くはありません。
その点が気になって、依頼をためらうという人は少なくないでしょう。
借金を減らしたいのですから、なるべく費用をかけたくないのは当然です。
しかし、費用を節約するために失敗していては意味がありません。
デメリットよりも、メリットの方が確実に大きいので、よく考えてみましょう。
債務整理を依頼する事務所選びのポイント
債務整理を依頼する際は、つい費用にばかり目が向いてしまいがちです。
しかし、他にも依頼する際に注目するべきポイントがいくつかあります。
そのポイントについて、解説します。
無料相談
まず注目したいのが、無料相談を受け付けているかという点です。
事務所によって、相談する時にかかる費用は異なります。
完全無料という所もあれば、30分や1時間区切りで相談料がかかるところもあるのです。
また、最初の30分だけ無料で、それ以降は料金がかかるという所もあります。
30分で終わると思って相談に訪れても、気が付いたら1時間以上過ぎていて高額な相談料がかかった、ということも少なくありません。
債務整理を専門にしている事務所の多くは、無料で相談を受け付けています。
専門かどうかを判断するためにも、無料かどうかを確認してから相談に訪れましょう。
費用が適正か
債務整理に関する料金は、司法書士や弁護士の協会でそれぞれガイドラインを出しているものの、最終的には各事務所で自由に決めていいことになっています。
ガイドラインはあくまでも参考にするものなので、それに反していても罰則はないのです。
そのため、依頼費用が高額な事務所も少なくありません。
特に、債務整理を専門にしていない事務所の場合は料金が高額になりがちなので、事務所のホームページなどで依頼料金をしっかりと確認しておきましょう。
債務整理の経験が豊富
債務整理が上手くいくかどうかは、専門家の経験が大きな要因となります。
何度も取り扱っていて、債権者との交渉に慣れていれば成功率は格段に高くなります。
しかし、不慣れだと交渉が上手くいかなかったり、減額されてもその割合が低かったりすることがあります。
経験が多いと、同じ債権者に何度も交渉しています。
特に大手の貸金業者は利用している人は多いので、交渉の機械も多くなります。
そのため、どのような交渉をすればいいか、どのくらいまでのラインなら譲歩してもらえるか、どの位減額できるかということが、既にわかっているのです。
交渉自体も、スムーズに終わります。
そうして、最短で臨みの結果を得ることができるのです。
依頼するなら、なるべく債務整理の経験が豊富な事務所を選ぶようにしましょう。
費用で事務所を選ぶ時の注意点
専門家に依頼する場合、やはり費用が気になるという人は少なくありません。
なるべく安い費用で済ませたいと思うのは当然ですが、気を付けなければ「安物買いの銭失い」と行ったことにもなりかねません。
費用で事務所を選ぶ際は、以下の点に気を付けましょう。
費用総額が高い可能性
債務整理の費用を見たとき、まず気になるのが着手金です。
着手金の相場はおよそ2万円ですが、事務所によっては無料としている所もあります。
そういったところは、費用が安いように思えるでしょう。
しかし、翌料金を見ると着手金の代わりに基本報酬や減額報酬が高く設定されている、あるいは通信費として高額の費用を設定している事務所もあるのです。
一部の費用ではなく、最終的に総額でいくらかかるのか、という点に注目して検討しましょう。
経験が浅い事務所だと失敗する可能性も
債務整理を専門にしていない事務所が、料金を安くしている可能性もあります。
特に任意整理は、直接貸金業者等の債権者と交渉することになるので、経験が重要です。経験が浅いと、交渉に失敗する可能性が高くなります。
個人再生や自己破産も、一度手続きをするとその後7年間は手続きができないため、希望通りに借金を減らせなければ納得のいかない結果となるでしょう。
そのため、たとえ料金が安くても、債務整理の経験が浅い事務所に依頼するのはおすすめできないのです。
任意整理の成功割合
任意整理を行っている人の人数は詳細が不明なので推測にはなりますが、任意整理の成功率は少なく見積もっても80%以上とみられます。
専門家によっては90~95%の成功率ともいわれています。
成功率が高い理由としては、やはり専門家が交渉になれているという点もありますが、事前にきちんと調査をして任意整理が可能かどうかを判断している点もあるでしょう。
また、交渉に当たっては返済を続けられる根拠やそれを証明する資料などもきちんと用意していることも理由のひとつでしょう。
任意整理に成功すると、平均して20~30%ほど借金を減額できるともいわれています。
借金の内容や状況によっても異なりますが、0にはならないということだけは覚えておきましょう。
失敗するケースとしては、返済のための計画内容が甘かったり、専門家に依頼せず自分で交渉したりしたケースが挙げられます。
成功率を高くするには、専門家と事前にしっかり打ち合わせをしてから臨みましょう。
任意整理の実際の減額例
任意整理に成功すると、キャッシングの利息はすべて0になります。
また、クレジットカードで買い物をした際の分割払いやリボ払いには手数料が加算されますが、それも0になります。
任意整理で減額されるのは、この利息や手数料の部分です。
具体的な金額としては、以下の表のようになっています。
大手の貸金業者やクレジットカード会社を対象として、任意整理に成功した際の減額例をまとめました。
会社名(利用額) | 任意整理前の1月の利息及び手数料 | 任意整理成功後 |
---|---|---|
アコム(30万円) | 約4,500円(年利18%) | 0円 |
SMBC(50万円) | 約6,000円(年利14.5%) | 0円 |
アイフル(50万円) | 約7,500円(年利18%) | 0円 |
エポス(キャッシング10万円、ショッピング70万円) | 約1,600円(キャッシング年利20%) 約8,800円(ショッピング年利15%) | 0円 |
楽天(キャッシング40万円、ショッピング60万円) | 約6,000円(キャッシング年利18%) 約7,500円(ショッピング年利15%) | 0円 |
合計310万円 | 利息合計約41,900円 | 0円 |
この利息は、あくまでも1月分です。
1年間ではこの12倍、約50万円もの利息が発生します。
完済するまでにもっと長い期間が必要なので、全額完済するまでの利息は100~200万円にもなるでしょう。
任意整理後の実際の毎月の支払例
任意整理を行うと、毎月の支払額はどのくらいになるのでしょうか?
任意整理前の支払額と比較して、表にまとめました。
会社名(利用額) | 任意整理前の1月の支払額 | 任意整理成功後 |
---|---|---|
アコム(30万円) | 10,000円 | 6,000円×50回払い |
SMBC(50万円) | 13,000円 | 9,000円×56回払い |
アイフル(50万円) | 15,000円 | 9,000円×56回払い |
エポス(キャッシング10万円、ショッピング70万円) | 35,000円 | 13,500円×60回払い |
楽天(キャッシング40万円、ショッピング60万円) | 50,000円 | 17,000円×59回払い |
1月の支払額 | 123,000円 | 54,500円 |
5年で全額返済する予定として計算すると、1月の支払額は123,000円から54,500円となり、半分以下の負担で済むようになります。
毎月12万円以上となると返済を続けるのが難しいという人も、これならしっかりと返済を続けられるのではないでしょうか。
任意整理手続きの相談は専門家へ
任意整理は、一般的に司法書士等の専門家に依頼して手続きを行います。
しかし、そのための料金が高いと感じた人の中には、自分で手続きをしたいという人もいるでしょう。
その場合と、依頼した場合のメリット・デメリットについてまとめたので、参考にしてください。
司法書士 | 弁護士 | 自分で行う | |
---|---|---|---|
時間 | ◎ | ◎ | × |
費用 | 〇 | × | ◎ |
対応金額の制限 | △ 140万円を超える借金には対応できない | ◎ 金額の制限なくできる | △ 特にないが、金額が増えると手間も増える |
取り立て・督促 | ◎ 依頼を受けた時点で受任通知を送付し、取り立てや督促が止まる | ◎ 依頼を受けた時点で受任通知を送付し、取り立てや督促が止まる | × 交渉が終わるまでは止まらない |
自分で手続きを行った場合は、料金こそかからないものの成功率が低く、時間もかなりかかります。
専門的な知識がなければ、相手に納得してもらうことは難しいのです。
料金の高さが気になる人もいるでしょうが、書類作成などの難しいところを代行してもらうことができます。
料金以外のところも考慮したうえで、依頼するかどうかを判断しましょう。
任意整理の相談実績
実際の、任意整理で訪れた方の事例を紹介します。
ケース①50代男性
・職業 会社員
・借金総額 200万円
カードローン2社とクレジットカード3枚を使用して、合計200万円の借金をした男性です。若い頃から金銭感覚がルーズで、ギャンブルもやるため、度々借金をしていました。何度か完済していて、最近では10年ほど前に完済しているのですが、その後3年ほどで再び借金をして現在まで増え続けてきました。
現在は、毎月の返済額が合計で約7万円になっていて、かなりの負担となっています。そこで、今回は債務整理をすることにしました。当事務所に訪れた際は自己破産を検討されていたのですが、持ち家もありできれば残したいということでした。毎月の収入と支出を含めて検討した結果、任意整理なら返済額も4万円以下になるはずなので返済を続けられるはず、ということで任意整理の手続きを進めていくこととなりました。
当事務所が交渉した結果、5社とも利息と遅延損害金のカットに応じてもらうことができたので、借金総額は140万円に減額されました。これから、毎月3万円ずつ4年ほどの期間で返済していくことになったのです。
ご依頼主様は、毎月の大きな負担から解放され、借金が順調に減っていくのを見てほっとしたとおっしゃっています。ただ、クレジットカードが使えなくなったことだけが不便とのことです。それでも、任意整理をしてよかったと喜んでいただけました。
ケース②40代女性
・職業 自営業
・借金総額 250万円
元々会社勤めをしていた女性ですが、一念発起して化粧品の個人輸入販売店を始めました。しかし、あまり売り上げは伸びず借金をして経営を続ける日々が続きました。
その後、ネット販売を始めたことで徐々に売り上げが伸びてきましたが、借金を返済して余裕のある生活とはいきません。生活に手いっぱいで、借金を返済するためにまた借金をするような生活になりました。
このままではらちが明かないと、当事務所へとご相談に訪れました。その当時の借金の総額は250万円、6社から借り入れていました。今後も仕事は続けたいということだったので、仕事に支障が出ない任意整理を進めました。手続き後、5年以上は借金が出来なくなり、クレジットカードも使えないということを説明しましたが、それでもかまわないとのことだったので手続きを進めました。
結果、6社とも利息カット等の交渉が成立して、借金の額は250万円から150万円まで減額されました。毎月25,000円ずつ、5年をかけて返済していくことになり、それなら問題なく支払えるということだったのでその条件で合意に至ったのです。
借金に悩まなくて済むようになったので、仕事にも張り合いが出てきたと喜んでいただけました。今後は無理をせず、出来る範囲で仕事を進めていくそうです。
まとめ
・任意整理の費用は、相談料と着手料、基本報酬、減額報酬などがある
・債務整理を専門にしている事務所なら、相談料は無料のところが多い
・減額報酬は、減額出来た金額の一定割合を報酬として支払う
・任意整理で減額出来た金額より、依頼費用の方が高くなることは基本的にない
・費用の支払いは、分割など相談に応じてくれる
・任意整理を依頼すると、返済は中断される
・依頼費用は、中断した返済分で支払うことができる
・専門家に依頼することで、多くのメリットがある
・依頼すると費用は発生するが、メリットの方が大きい
・依頼する事務所を選ぶ際は、なるべく経験が豊富なところを選ぶ
・依頼費用が安くても、経験が浅いところは避けるべき
・債務整理は、ほとんどの人が成功している
・債務整理の成功率を高めるには、専門家に任せるのがおすすめ
まだデータがありません。
クレジットでの買い物や、軽い気持ちでキャッシングを重ねるうちに借金が知らない間に増えることは、だれにでもあることです。
支払いが無理かなと感じたら、身近な法律家である司法書士にまずは、ご相談ください。
あなたの早めの相談が問題解決へのきっかけになります。
一人で思い悩まずに、司法書士といっしょに問題解決に向けてスタートしましょう。
また、司法書士は、不動産登記や商業登記、簡易裁判所で扱う事件についての代理等をしていますので、借金問題以外の法律相談もしています。
弁護士では、敷居が高いと感じている方も、気軽にご相談ください。