債務整理をせずに借金を完済する方法を解説!自力で完済できるかの判断方法も紹介!
借金の返済に四苦八苦している人の中には、債務整理を検討している人もいるでしょう。
しかし、債務整理は不安なので、どうにか自分で完済したいと考えているかもしれません。
債務整理を行わずに借金を完済する方法として、どのようなものがあるでしょうか?
また、自力完済が難しいケースはあるでしょうか?
自力での借金完済の方法と、債務整理をした場合にどうなるのかを解説します。
債務整理をせずに借金を完済する方法
借金の返済に困った時は、債務整理をすると借金を減額することができ、返済しやすくなります。
しかし、クレジットカードを利用できなくなるなどのデメリットもあるため、避けたいという人もいるでしょう。
債務整理をせずに借金を完済するにはどうしたらいいのでしょうか?
おまとめローンで借金を一本化する
消費者金融や銀行には、おまとめローンを提供しているところがあります。
おまとめローンとは、複数の借金を一本化して返済する、多重債務者向けの商品です。
消費者金融や銀行から、現在の借金をまとめて返済できる額を借りて返済し、以降は借りた消費者金融や銀行にだけ返済していくことになります。
おまとめローンを利用すると、他社からの借り入れ分を一か所にまとめるため、借入額が大きくなり、金利が元々の額よりも低くなるかもしれません。
利息制限法では借入額によって金利の上限が定められていて、10万円未満なら年20%、100万円未満なら年18%、100万円以上なら年15%が上限です。
50万円を3社から借りていると、金利上限はそれぞれ年18%ということになります。
しかし、おまとめローンでまとめた場合は1か所から150万円借りることとなり、金利上限は年15%に下がるのです。
債務整理とは違って、個人信用情報に事故情報が登録されないので、ブラックリストに入ることもありません。
ただし、おまとめローンを利用している間は、新たな借り入れなどができないため注意が必要です。
保険会社の契約者貸付の利用
一時的な出費などで返済のための資金が不足した場合は、保険会社の契約者貸付という制度の利用を検討しましょう。
契約者貸付とは、解約時に返戻金を受け取ることができる保険に加入している場合に、解約返戻金の範囲内で保険会社からお金を借りることができる制度です。
契約者貸付は、金融機関とは違って審査は必要なく、返済できなかった場合も督促を受けることはありません。
ただし、契約者貸付には2~8%の金利が適用されます。
保険会社や商品、契約の時期によって金利は異なるので、利用する前に問い合わせておきましょう。
公的な融資や給付金の利用
出費が一時的に増えて借金を返済することが難しくなった場合は、公的な融資や給付金を利用して難を逃れる、という方法があります。
公的融資や給付金は、借り入れができる金額は決まっていて、多額の借り入れはできませんが、無利子や低金利で借り入れできます。
また、給付金の場合は返済義務がありません。
利用できるかもしれない公的融資や給付金には、以下のようなものがあります。
・緊急小口資金
・生活福祉資金貸付制度
・母子父子寡婦福祉資金貸付制度
・総合支援資金
・住宅確保給付金
・新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金
特に利用する人が多い、緊急小口資金について解説します。
緊急小口資金は、所得の少ない世帯を対象に資金の貸付や必要な相談支援を行い、世帯の生活を安定させて経済的自立を図ることを目的とした貸付制度です。
対象となる世帯は、困窮が緊急かつ一時的であり、資金を貸し付けることで以降の生活や返済の見通しが立つ場合で、困窮した理由が定められている貸付対象理由に該当するケースに限られます。
利用できる条件として、まずは低所得世帯であることが挙げられます。
また、急いで資金を必要としているか、一時的な生活困難に陥っていて10万円以下の貸付を生活費に充てれば後は自分の収入で日常生活ができること、返済できる見通しが立つことなどが条件となります。
貸付対象理由として、以下のようなものが挙げられます。
・医療費や介護費の支払いで生活費が不足した
・年金や公的給付の支給開始までに必要
・会社からの解雇や休業などによる収入の減少
・事故などで損害を受けた場合の支出
貸付限度額は、10万円を上限とした必要な金額です。
繰り上げ返済を行う
一時的に収入が多かった場合は、繰り上げ返済をするのがおすすめです。
繰り上げ返済は、通常の元金と利息の合計にプラスして、追加で返済することをいいます。
例えば、毎月の返済額が1万円で、余裕がある時に2万円を返済するというのも繰り上げ返済です。
繰り上げ返済のメリットとして、返済総額が少なくなるという点が挙げられます。
金融機関から借金をした場合、借りたお金に利息をお加えた金額を返済しなければなりません。
利息は、利息の年率に残っている元金をかけた額で算出します。
実際の利息は日割りで計算されますが、元金が少なくなれば利息も少なくなります。
また、繰り上げ返済をすることで、返済にかかる期間も短くなるでしょう。
特に、金利が高い借金を利用している場合には、積極的に繰り上げ返済をしていくことをおすすめします。
収入を増やすか支出を減らす
債務整理をせず自力で借金を完済するには、収入を増やすか支出を減らすかして、返済に回す資金を増やすことが大切です。
会社員などの定職に就いて給料を得ている場合は、早急な昇給を希望しても、叶うわけがありません。
会社の規定などで禁止されていなければ、副業を検討しましょう。
副業にはさまざまなものがあり、限られた時間でできるものや自宅でできるものもあります。
また、フリマサービスなどを利用して、不要なものを売却して現金化するという方法もあります。
支出を減らすには、まず家計簿をつけて支出を明確にし、無駄がないか見直しましょう。
携帯電話代やインターネット回線料金などは、なるべく安いプランや会社に変更して、通信費を削減しましょう。
生命保険や自動車保険、損害保険に加入している場合には、保険を見直して保険料を安くするという方法もあります。
また、外食を減らして自炊を増やすと、支出はかなり削減できます。
借金の自力完済が難しい場合とは?
債務整理を利用せず、自力で借金を完済したいと思っていても、難しい人もいます。
自力で完済するのが難しいのは、どのようなケースでしょうか?
完済が自力だけでは難しいといえる、代表的なケースについて解説します。
借金総額が年収の3分の1を超えている場合
借金をする際は、年収の3分の1を超えてはいけないという総量規制がありますが、中にはさまざまな理由から3分の1を超えてしまっている人もいます。
また、総量規制の対象となるのは貸金業者からのキャッシングであり、銀行からの借り入れやクレジットカードのショッピング枠などは含まれないため、実際には超えている人も多いのです。
奨学金や住宅ローンのように金利が低い貸付を除き、年収の3分の1以上の借金をしている人は、返済の原資となる収入が十分ではない状態といえます。
自力で完済するのは難しく、返済が滞ってしまう可能性は高いでしょう。
借金返済のための借金をしている場合
借金の返済が難しい場合、借金を返済するため、ほかに借金をしている状態になることもあります。
いわゆる自転車操業の状態で、借金の元金が増えるばかりか利息も増える状態になっているため、借金はどんどんと膨らんでいくのです。
債務整理を行うことによって、毎月の返済額は収入を鑑みた額となるため、新たに借金をしなくても支出を減らすことに努めていれば返済できるようになります。
また、債務整理をすると新たな借り入れができなくなるため、強制的に自転車操業をストップできます。
返済が2カ月以上遅れている場合
金融機関からの借金は、毎月決まった期日までに返済することとなりますが、中には返済がままならず滞納している人もいるでしょう。
2カ月以上返済が遅れてしまうと、債権者から一括で返済するよう請求される可能性があります。
通常、返済が遅れた場合は電話や郵送物などで督促され、早く支払うよう求められますが、2カ月滞納を続けると内容証明郵便で督促状が届くかもしれません。
督促状が届くと、一括で返済しなければ裁判を起こすと書かれていることが多く、放置していると訴訟を起こされて、差し押さえを受ける可能性があります。
債務整理をすると、債権者と分割返済の交渉ができたり、裁判所に強制執行の中止を求めたりすることができます。
3社以上から借金している場合
借り入れが1社だけなら毎月の返済額も限られますが、3社以上から借り入れをしている多重債務の状態は、毎月の合計返済額が高額になってしまい、生活に対する影響も大きいでしょう。
また、返済期日などは業者によって異なるため、返済スケジュール管理が難しくなります。
債務整理をすることによって、借金の返済額を調整することができ、返済についても弁護士事務所などに代行弁済を依頼すれば、毎月1回まとめて支払うだけで代わりに返済してくれるため、管理が簡単になります。
債務整理をするとどうなる?
債務整理をすると、どのようなことがあるのでしょうか?
債務整理のメリットとデメリットについて、それぞれ解説します。
債務整理のメリットとして大きいのが、借金の額を減額できるという点です。
任意整理の場合は、債権者と交渉して以降の原則利息をカットして、元金だけを3年から5年の分割返済にしてもらうことができます。
個人再生は、元金を原則5分の1に圧縮して、同じように利息をカットして長期での分割払いにすることが可能です。
自己破産は、借金の返済が不可能な状態と認定されれば、返済義務を免除してもらうことができるため、実質的に借金がゼロになります。
また、貸金業者の返済を延滞していて督促を受けている場合は、債務整理の手続きを始めた時点で督促を受けることがなくなります。
窓口を弁護士などの専門家が担うため、直接連絡が来ることもなくなり、精神的な負担が軽減されるでしょう。
しかし、デメリットもいくつかあるので注意が必要です。
債務整理をすると、個人信用情報には事故情報として登録されてしまいます。
その結果、クレジットカードなどが使用できなくなり、新たな借り入れが不可能になります。
また、個人再生と自己破産の場合は、氏名などが官報に掲載されてしまいます。
職場で官報を購入している場合などは、債務整理したことが知られてしまう恐れがあります。
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債務整理をご検討の場合は、はたの法務事務所にご相談ください。
債務整理については、相談料無料で受け付けています。
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費用の支払いは分割払いも受け付けているので、無理がないようにお支払いいただくことができます。
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まとめ
債務整理をするのは不安なので、自力で借金を完済したいという人は少なくありません。
もちろん、自力で問題なく完済できる場合は債務整理を考える必要はありませんが、自力で完済するのが難しい場合には、できるだけ債務整理をした方がいいでしょう。
完済するには、十分な収入を得て支出を減らし、返済できる余裕を増やす必要があります。
副業などで収入を増やし、家計簿をつけて削減できる支出の有無を確認してみましょう。
自力返済が可能かどうか、一度専門家に相談してみるのもおすすめです。
クレジットでの買い物や、軽い気持ちでキャッシングを重ねるうちに借金が知らない間に増えることは、だれにでもあることです。
支払いが無理かなと感じたら、身近な法律家である司法書士にまずは、ご相談ください。
あなたの早めの相談が問題解決へのきっかけになります。
一人で思い悩まずに、司法書士といっしょに問題解決に向けてスタートしましょう。
また、司法書士は、不動産登記や商業登記、簡易裁判所で扱う事件についての代理等をしていますので、借金問題以外の法律相談もしています。
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