債務整理
2022.10.06

答弁書の書き方・書式とは?記入例や「分割払い時」「離婚時」の書き方を紹介

訴えられた経験があるという方は、あまりいないでしょう。そして、その際の対処方法についても、知らない方のほうが多いと思います。訴えられたときにまず対処するべき点として、答弁書があります。まずはそれを作成して、裁判所に提出しなくてはいけないのです。
答弁書は、訴えられた内容についてその請求を受け入れて認めるか、またその主張についての認否を記載し、反論も記載して裁判所に提出する書面です。これを作成しなくてはいけないのですが、詳しい内容を知らなければまず自分で作成できるかの判断が難しいでしょう。
この記事では、答弁書がどのような書面なのか、その書き方や裁判に出席する必要性などを解説します。

答弁書とは

そもそも、答弁書というのはどのようなものでしょうか?ほとんどの人は、あまり聞いたことがないと思います。これは、裁判になった際に必要となる書類です。それも、自分が訴えた時ではなく、訴えられた場合に裁判所へと提出する必要があるものなのです。
訴えられたときは、訴えた側が原告として裁判所にその訴えの理由などが書かれた「訴状」を提出します。そして、その内容や請求されている内容について、認めるかどうかの返答をするための書類が、答弁書です。原告が主張している内容に関しての認否や、場合によっては反論もこの書類に書いてあります。裁判には準備書面というものが必要になるのですが、まず被告が裁判所に提出する準備書面がこの書類です。
これは、裁判所から書式が送付されることもありますが、必ずしもその書式通りに作成しなくてはならない、というわけではありません。要点さえ守っていれば、自分でA4サイズの用紙に必要事項を書いていってもいいのです。手書きではなく、パソコンで作成したものでも問題はありません。

答弁書を書く際の確認事項

答弁書を書く際はいくつかの点を確認するべきなのですが、具体的にはどのような点を確認するべきでしょうか?確認事項について、解説します。

送付文書

訴えられたときの書類は、裁判所から封筒に入れられて特別送達という方法で送付されてきます。何が書かれているのかは、訴状に付属書類という項目があり、そこに記載されています。抜けているものがないか、確認してください。
原告の訴状委任状は、記載があっても写しは送付されていないことには注意してください。

受訴裁判所と期日の確認

訴えを受領した裁判所が、どこなのか確認しておきましょう。最寄りの裁判所とは限らず、遠方の裁判所の可能性もあります。
また、裁判所書記官の名前と共に第1回期日と書類の提出期限も書かれているので、その点も確認しておきましょう。期日を確認しておけば、都合が悪い日程であれば変更してもらえる可能性もあります。

答弁書を書く際の注意点

答弁書を書くときは、どのような点に注意するべきでしょうか?主に注意するべき点はどのようなところか、解説します。

答弁書の書式

裁判所で扱っている書類は、すべてA4用紙のサイズに統一されています。この書類も例外ではなく、必ずA4用紙のサイズで作成しなくてはいけません。また、この書類は裁判所に提出された後、用紙の左側にはファイルに綴るために2穴パンチで穴をあけることになるため、左側は広めの余白が残るようにしておきましょう。もし、余白がなければファイルに綴ってから読みにくくなってしまうので、注意してください。
書式設定は厳密に決められているわけではありませんが、推奨されている設定があります。それによると、まず1行は37文字です。また、1ページあたり26行となっていて、余白は左側が30㎜、右側は15㎜から20㎜となっています。文字のサイズは12ポイントで、印刷する際は両面ではなく片面印刷にしましょう。
この書類の本文には、項目ごとに番号が必要とされます。その項目番号は、裁判文書に定められているものがあるのでそれに従ったものにしましょう。第1、1、(1)、ア、(ア)、a、(a)という順序なので、それを守って作成すると裁判官にとっては読みやすいものとなるでしょう。
もしも内容が多く複数枚になる場合は、各ページの中央下部にページ番号を付けておきましょう。そして、左側を2か所、ホッチキスで止めておくようにしてください。

答弁書に記載すべき必須項目

内容には、必ず記載しなくてはいけない項目があります。例えば、裁判所で取り扱う際は事件ごとに事件番号と事件名がつけられて管理されているので、この書類にも必ずそれを書いておく必要があります。これらの項目は、口頭弁論期日呼出状に記載されているので、それを見て記入しましょう。
その下には、事件の当事者の名前を書きます。まずは原告の名前を記載して、改行して被告の名前を書いてください。書類を提出するのは被告ですが、名前の順番はまず原告で、次に被告です。どちらかが会社等の法人の場合は、法人名だけを記載すれば十分です。代表取締役などの代表者の名前は、記載する必要がありません。
書面には、タイトルとして「答弁書」とだけつけておきます。タイトルは、中央部分に大きめのサイズのフォントでつけましょう。
作成年月日は、令和〇年〇月〇日と答弁書を作成した年月日です。また、あて先として書くのはその審理を担当する裁判所です。「〇〇地方裁判所民事部〇部〇係 御中」と書いておきましょう。
自分の住所と氏名を書類の作成者として書いておき、氏名の右横に押印してください。自分の住所に書面を送達して欲しい場合は、住所の後ろに(送達場所)と付け加えておきましょう。それ以外の場所を希望する場合は、別の住所を付け加えておいてください。

答弁書提出の手続き

答弁書は、作成したらコピーを2部作成し、合計3部用意します。裁判所と原告に送付するのですが、その方法としては主にFAXか郵便です。ただし、裁判所には直接持参しても問題はありません。
郵送の場合は、内容証明郵便で送付して相手が確実に受け取ったことを確認できるようにしましょう。FAXで送付した場合は、送付した後に電話をして、届いているかどうかを確認したほうがいいでしょう。

答弁書の書式記載例

答弁書には、どのようなことが書かれているのでしょうか?請求を認め、そのうえで和解をするという場合の答弁書を例として、書かれている内容を解説します。

まず、裁判所が受け付けた事件に割り振られる事件記録符号というものがあるので、それを記載します。
令和〇年(ハ)第○○号貸金請求事件のように書かれています。
次いで、原告と被告それぞれの氏名などを記載します。
答弁書という見出しを付け、日付を記載します。
裁判を行う裁判所名、この場合は簡易裁判所での裁判となるので、『○○簡易裁判所民事部御中』と記載します。
被告の住所と氏名、電話番号を記載し捺印します。
第1と記載して、請求の趣旨に対しての答弁を記載します。
そこでは、原告の請求の棄却や訴訟費用を原告の負担とすること、という判決と仮執行の宣言を求めることなどを記載します。
第2と記載して、請求の原因についての認否を記載します。
請求の原因として書かれている内容のうち、認めるものと不知であるものを確認して記載します。
第3として、被告側の主張を記載します。
貸金債務の存在自体を積極的に争うものではないが、現在の状況では返済に充てることのできる金額に限りがあることや、現在原告側から多額の遅延損害金を請求されているがこれまで請求されたことはなく、それを返済することはできないため、請求金額のうち元金は可能な金額での分割返済として、遅延損害金は免除していただくことを求める、といったことを記載します。
それと併せて、第1回裁判期日には出席するかどうかも記載してください。
最後は、「以上」で締めます。

裁判への出席について

書類を期日までに提出すれば、裁判が終わるわけではありません。そこから裁判に出席するのです。その際の注意点について、解説します。

第1回期日に出廷できない場合

第1回期日の日程では、出廷できないというケースもあるでしょう。その場合は、まず裁判所書記官に連絡して期日の変更ができないかを確認してみると、出廷が可能な日程に変更してもらえることがあります。
また、出廷できない場合でも答弁書を提出しておくことで、第1回期日は出廷せずにその書類の内容を法廷で述べたという扱いになる擬制陳述となることもあります。

代理者に依頼する場合

裁判への出席は、代理人に依頼することも可能です。その場合、地方裁判所で行われる場合は代理人となるのが弁護士に限られますが、簡易裁判所で行われる場合は訴額が140万円以下の場合に限り、司法書士が代理人となることも認められています。
また、簡易裁判所であれば被告の家族が代理人となることも、裁判所の許可があれば認められます。訴訟の当事者となっているのが会社等の場合は、裁判所の許可を得ることで紛争に詳しい従業員が代理人となることも可能です。

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請求の趣旨に対する答弁の書き方

答弁書では、請求の趣旨に対しての答弁を記載する必要があります。どのように記載すればいいのか、解説します。

原告の請求の棄却する場合

原告は、訴状に支払いを求めるなどの請求内容を記載しています。裁判では、通常被告がその請求について争い、請求を認めないということを主張して、それを認めて棄却することを求めます。その場合、請求の趣旨に対しては「請求について棄却する」といったフレーズを記載した答弁を行うことになります。原告の請求を認めた場合は認諾ということになり、裁判は原告の請求がそのまま認められるという判決が出されて、直ちに終了してしまいます。そうなると、話し合いによって解決する和解になる機会を失ってしまうこともあります。必ず、棄却すると記載しましょう。請求が複数ある場合は、すべて棄却すると書きましょう。

訴訟費用を原告の負担とする場合

請求自体を認めるかどうかという点以外では、裁判にかかった費用の負担についても答弁を行います。通常、原告側は裁判費用を被告側に負担するよう請求します。それに対しては、原告側が負担するべきと記載しましょう。特に変わったことを記載する必要もないので、「訴訟費用は原告の負担とする」というフレーズをそのまま記載してください。これについては、どの裁判であってもほとんどのケースで記載することになるでしょう。
なお、こういった訴訟費用には弁護士費用は含まれていません。弁護士費用は、あくまでも依頼した側が負担することになるのです。そのため、裁判に勝訴した場合でも弁護士費用は自分で負担する必要があるので、注意してください。

請求の原因に対する認否

請求の原因に関しては、それを認めるかどうかを答弁する必要があります。いくつかのパターンがあるので、それぞれのパターンを解説します。

請求の原因を「認める」場合

裁判において、原告の訴状に書かれた請求の原因についてそのまま認める場合は、どの項目について事実と認めるのかを記載します。全面的に認めるのではなく、一部の点についてのみ認めるということも可能です。その場合、それ以外の点については否認するということを明記してください。
請求の原因については、答弁で被告側がそれを認めるという認否をした場合、裁判上ではそれを自白したという扱いになります。そうなると、その点は真実と判断されてしまい、後から撤回するということはできなくなるので注意してください。特に、請求の原因について一部だけ認めて他の点は否認するという場合は、どこを認めてどこを認めないのかを明確にしなければいけません。認める範囲を間違えないよう、注意しましょう。

請求の原因を「否認する」場合

請求の原因の中で、被告が認識している真実とは異なる点があれば、その点は否認します。否認というのはその通り、認めることを拒否するという意味です。その際は、「○○の事実は否認する」と記載してください。そうすることで、原告の主張についてそのまま受け入れるということはなくなります。また、その否認をする際、同時に被告が認識している真実についての主張を行う積極否認をすることがあります。「○○の点は否認する。これは実際には○○である」といった形で、被告が考える真実を主張することになります。これについて、どちらのほうが正しいのかを主張しあっていくことになるのです。

請求の原因を「不知」とする場合

原告が主張している請求の原因に関しては、認める、あるいは否認するという選択肢の他に、不知という選択肢もあります。これは、被告がその原因について認識しておらず、全く心当たりがないと主張することを言います。
不知として主張した場合は、原告が主張している事実に関しては事実ではないと争ったものとして推定されると、民事訴訟法で定められています。しかし、被告が不知と言っている内容があからさまに怪しい場合は、原告側の主張が正しいと判断される可能性が高くなってしまうので注意しましょう。原告側の主張が正しくないという場合は、不知ではなく否認しましょう。その上で、被告が認識している主張を積極的に訴えていく必要があるのです。

請求の内容について「争う」場合

裁判での認否は主に上記の3つなのですが、その他に「争う」と書かれる例もあります。争うと書かれるのは、請求の内容について訂正を求めるケースなどがあります。例えば、原告が500万円を支払うよう請求しているとき、それはあまりにも高額なので認めることはできないが、200万円なら支払ってもいいという場合、その請求額のすり合わせを行うことになります。それを、争うとして扱います。
認めるときは相手の主張を受け入れる、否認の場合は主張を拒否する、そして不知の場合は最初からそのような事実はなかったと主張することになるのですが、争う場合は相手の主張を一部認めたということになります。ただし、支払いを請求している金額が適切であると判断された場合は、被告側の主張が認められないことがあるので注意しましょう。

和解(分割払い)を希望する場合の答弁書の書き方

裁判において、原告から請求された内容は妥当であると判断し、争わないという選択肢があります。その場合は、請求された金額等を支払う代わりに分割払いにして欲しいといった要望を伝え、和解を希望することもあるでしょう。その場合の答弁書の書き方では、いくつか注意が必要です。
まず、分割払いを希望するのであれば、相手の主張を全面的に認めてはいけません。もし、答弁で請求を認めると記載してしまった場合は、認諾したことになり請求された金額は一括で支払う必要があるのです。そうなると、分割払いにしてもらうための和解の話し合いもできなくなってしまうのです。分割払いを希望するのであれば、答弁書には請求を棄却すると記載しなくてはいけません。
分割払いを希望する場合は、請求の原因についても争わないことが多いでしょう。そのため、請求の原因についてはすべて認めると記載することも多いでしょう。しかし。それを認めてしまった場合は、和解の話し合いを原告が希望しなかった場合などに裁判で原告の請求が認められる判決がすぐに出されてしまうことがあるのです。そうならないように、すべて無条件で認めるのではなく、一部は否認、あるいは不知として記載しましょう。
また、分割払いを希望する場合はその理由についても記載してください。

離婚調停を申し立てられた場合の答弁書の書き方

離婚調停の申立をされた場合、裁判所からいくつかの書類が届きます。答弁書もその1つで、裁判所ごとにフォーマットが決まっているのでそれに沿って記入することになります。記入する際に気を付けるべき点を解説します。

まず、嘘を書くことは絶対にやめましょう。答弁書に書いてあることが嘘で相手にそれに反証する証拠があると、嘘が見抜かれてしまい辻褄も合わなくなります。そうなると、裁判所に対して嘘をつくような人間だと思われてしまい、不利な判決が出ることになるでしょう。
裁判所は嘘を見抜く専門家なので、嘘をついてもバレてしまうと考えてください。どうしても正直に書きたくないところは、空欄にしておきましょう。
また、離婚をするつもりがあるかどうかも記載するのですが、そこではつい気持ちが先走った書き方をすることがあります。しかし、気持ちを前面に出すのではなく、具体的な事実や行動について記載しましょう。離婚したいのであればなぜそう思うのか、相手のどのような点に問題があるのか、どちらに責任があると思うのかを簡潔にまとめて記載するようにしてください。
また、長々と書いてあっても相手が詳しく読む気力を失ってしまい、最も伝えたいことが伝わらないこともあります。文章はメリハリをつけて、重要な点がしっかりと伝わるようなるべく短くまとめるようにしてください。

まとめ

・答弁書は、裁判の訴状の内容に対する回答を記載した書類
・答弁書のサイズは、A4 用紙と決まっている
・裁判所でファイルに保管しやすいよう、左側の余白は大きめに取るべき
・基本の書式はあるが、必ずしもその通りにする必要はない
・一度原告の主張を認めた場合、後から覆すのは困難
・請求内容については、認めるか否認、あるいは不知として対処していく
・内容に納得できない場合は、争うこともできる
・分割払いを希望するのであれば、和解になるよう書かなくてはいけない




監修者情報
代表 鈴木 法克
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