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債務整理
2021.10.04

裁判を起こされたら(訴状が届いたら)どうすべきか。費用負担は減らせない?司法書士が解説

何らかのトラブルが起こると、裁判を起こされてしまうことがあります。いきなり手元に訴状が届いてしまうと、驚いてしまうでしょう。何を用意すればいいのか、具体的に何をするべきかがわからないという人も多いと思います。
また、裁判を起こす際は訴訟費用がかかり、弁護士に依頼する場合は弁護士費用もかかります。そういった費用の負担をなるべく減らしたい、という人もいるでしょう。裁判の基本的な内容や、かかる費用について解説します。

裁判を起こされる(訴えられる)とは

裁判を起こされるというのは、何も珍しいものではありません。大きく分けると民事裁判と刑事裁判があるのですが、このうち刑事裁判は罪を犯したとされる人がその内容を明らかにして有罪か無罪かを決めるものです。それに対して民事裁判の場合、特に何もしていなくても訴えられることがあるのです。
民事裁判では、ご近所トラブルや借金の返済、刑事罰に伴う賠償金請求など、色々なことが争われます。基本的に決定されるのは金銭的なもので、物件の所有権について争った場合は明け渡し命令、DV防止法に基づいた裁判の場合は接近禁止命令が出されることもあります。訴えられると、自分には心当たりがなくても出頭しなくてはいけません。欠席してしまうと、その内容に反論せず相手の主張を全面的に認めるということになってしまいます。訴えを認められた場合は、相手の請求をそのまま受け入れることになるのです。

裁判を起こされたらまず確認したいこと

裁判というのは、普段から備えておくようなものではないので、当事者になってしまうとつい慌ててしまいます。特に、心当たりがない人であればなおさらでしょう。パニックに陥ってしまう人も、少なくありません。しかし、あわてて出頭する必要はありません。日時はあらかじめ決まっているので、それまでに色々と用意するものや確認するべきことがあるのです。確認するべきことについて、解説します。

書類内容の確認

手元には、裁判所から訴状が郵送されてきます。訴状を受け取ったら、慌てずに内容を確認しましょう。封筒で書類が送られてくるのですが、その中には以下のような書類が入っています。
・訴状
・証拠説明書
・口頭弁論期日呼出及び答弁書催告状
・甲号証
・答弁書のひな型

まずは訴状を確認します。そこには、訴訟に至った原因や経緯と、その請求の趣旨が書かれています。それを読むことで、相手が求めている内容がわかります。そして、それを裏付ける証拠が甲号証であり、その詳細が書かれているものが証拠説明書です。
口頭弁論期日呼出及び答弁書催告状は、出頭と求められている日と答弁書という書類の提出日を定めたものです。

欠席判決を避けるために答弁書の作成

答弁書は、裁判に関して自分の主張を記したものです。これを提出することで、相手の主張をそのまま受け入れるのではなく、自分としてはこう思っているということを主張できるのです。これを出さずに口頭弁論にも欠席してしまうと、欠席裁判となってしまうため相手の主張に一切反論しないということになり、請求内容がそのまま認められてしまうのです。たとえ相手が主張する内容がでたらめだったとしても、それがでたらめだということを証明するために答弁書を作成し、口頭弁論にも出頭するべきです。もし当日出頭できなかったとしても、これさえ作成しておけばその内容があなたの主張として認められるため、一方的に相手の主張が認められることはなくなります。
ただし、答弁書は作成するうえでのポイントがいくつもあり、ひな型を見ていても自分で作成するのは難しいかもしれません。正しく作成できなければ自分が不利になるため、作成する際は細かい点まで注意しながら作成してください。

答弁書の提出

提出する際は、郵送で構いません。裁判所から送られてきた書類にかかれている提出期限は、過ぎていても問題ありません。期日を過ぎていても無効になることもなく、きちんと認められます。ただし、口頭弁論期日までには裁判所に届いていないといけません。その日を過ぎてから届いても、意味はないのです。もしギリギリになってしまい期日までに郵送で届くか不安という場合は直接持参するか、郵送で送るということを連絡しておきましょう。

答弁書を代理でお願いする

先程も言いましたが、作成はかなり難しいのです。しかし、必ずしも自分で作成する必要はありません。弁護士や司法書士など、プロに依頼して作成してもらうこともできるのです。
これには、相手の請求の趣旨や原因などをしっかりと把握して、それに対応する内容を記載しなくてはいけないのですが、慣れていない人には意外と難しいのです。プロに依頼すると必要な内容を簡潔、かつ十分に伝わりやすいように記載してもらえるので、自分の主張したいことを裁判官が明確に理解してくれます。必要なポイントをわかりやすく書くというのは、意外に専門技術が必要とされるため、自分で作成した場合は冗長で分かりにくい文章になりやすいのです。また、主張も明確には伝わりにくいでしょう。その分、相手の主張も通りやすくなってしまいます。

裁判でかかる費用は?

実際に裁判となると、様々な費用がかかります。訴訟を起こす場合も、訴えられた場合も、それぞれ違った費用がかかるのです。どのくらいの費用がかかるのかを知らないと、いざ当事者となった時に不安でしょう。具体的に必要となる費用とその理由、内訳などを解説します。当事者になる可能性がある人は、その前に費用を把握して備えておきましょう。

裁判でかかる費用<訴訟費用>

自分が訴えを起こす場合、裁判をするには訴訟費用がかかります。これは裁判所に納めるものなので、たとえ弁護士などに依頼しなくても必ず必要となります。その費用は、以下のようになっています。

訴訟の目的となる金銭的価値裁判所に納める手数料
100万円まで1,000円/10万円ごと
500万円まで1,000円/20万円ごと
1,000万円まで2,000円/50万円ごと
1億円まで3,000円/100万円ごと
50億円まで1万円/500万円ごと
50億円を超える部分1万円/1,000万円ごと

例えば、訴訟の目的が50万円を請求することであれば、手数料は5,000円となります。しかし、800万円相当の請求であれば、まず100万円までの分で1万円、500万円までの分で2万円の手数料がかかり、残った300万円には12,000円の手数料がかかるため、合計で42,000円の手数料がかかります。1,000万円までの手数料だけを見て、800万円÷50万円×2,000円=32,000円と計算しないように注意してください。

裁判でかかる費用<弁護士費用>

弁護士に依頼する場合は、以下のような費用がかかります。

費用の内訳意味
着手金その依頼を引き受けた際に支払う費用。結果に関わらず必要となる
報酬金依頼に成功した際に支払う費用。成功しなければ、必要ない
法律相談料何らかの相談をした際に発生する費用。
日当裁判の出席や調停への同席などを依頼するなど、事務所外で行う業務に対する費用
タイムチャージ弁護士が作業に費やした時間に応じて支払われる費用

これ以外にも、交通費や通信費などを請求されます。この費用に関しては、裁判の内容によって大きく異なります。また、弁護士事務所によっても費用は異なるので、あらかじめどのくらいかかるかを確認してから依頼しましょう。

裁判でかかる費用は相手に請求できるの?

自身が訴訟した時は、相手に責任があるのに自分が費用を負担するのは納得がいかない、という人もいるでしょう。実は、その場合訴訟の費用に関しては、相手に請求することができます。ただし、そのためには最初から、相手に訴訟費用を請求するということを主張している必要があります。後になって、ついでに請求するということは認められないのです。
また、弁護士費用に関しては必ずしも必要という訳ではないので、まず請求できません。しかし、以下のように不法行為があるケースでは、弁護士費用の一部を請求できます。
・痴漢やハラスメント行為、暴行被害
・相手の過失による交通事故の治療費
・ネット上など、大勢に伝わる状況での名誉毀損
・不倫行為

弁護士費用はどのように決まるの?

弁護士に依頼した時にかかる弁護士費用のうち、特に大きいのが着手金と報酬金です。その金額の基準となるのは、その裁判で目的とされる金銭的価値です。事件の種類には、あまり影響されません。例えば、相手に賠償請求などをするのであれば、その金額の一定の割合が弁護士費用となるのです。
弁護士費用は、基本的に各事務所で自由に設定できるものです。しかし、以前は弁護士連合会で報酬基準の規定を定めていたため、多くの事務所ではそれを参考に料金を決定しています。

弁護士費用(着手金・報酬金)の相場は

弁護士費用には決まりがありませんが、かつてあった日本弁護士連合会のガイドラインに記された報酬等基準に従って設定している弁護士事務所が多いので、それを紹介します。
まず、着手金は以下のようになっています。なお、着手金の最低額は10万円となっています。

訴訟によって得られる利益弁護士の着手金
300万円以下利益の8%
300万円~3,000万円利益の5%+9万円
3,000万円~3億円利益の3%+69万円
3億円~利益の2%+369万円

また、報酬金に関しては以下のようになっています。

訴訟によって得られる利益弁護士の報酬金
300万円以下利益の16%
300万円~3,000万円利益の10%+18万円
3,000万円~3億円利益の6%+138万円
3億円~利益の4%+738万円

報酬金は、基本的に着手金の2倍となっています。

司法書士でも裁判できる?弁護士の違いは?

司法書士でも、簡易裁判所の裁判で訴額が140万円以下の場合に限り、書面の作成だけではなく代理人として裁判に出頭することができる人がいます。そのためには、試験を受けて認定される必要があります。簡易裁判所以外の地方裁判所や、家庭裁判所での離婚調停などは、代理人になれないので注意しましょう。
司法書士は、弁護士と同じく法律の専門家です。また、料金に関しては弁護士よりも安いことが多いので、なるべく費用をかけずに裁判をしたいと考えて、司法書士に依頼する人もいます。しかし、代理人になることができるのは一部の裁判だけなので、注意しましょう。また、やはり弁護士と比べると経験が少ないことも多いので、司法書士に依頼するのであればなるべく経験豊富なところを選んだ方がいいでしょう。

裁判を起こされたときに注意すべき大事なこと

裁判を起こされると、気が動転してしまい落ち着かなくなります。しかし、そういった時ほど一度落ち着いて、注意するべき大事な点などをきちんとチェックしておきましょう。たとえ訴えられたとしても、自分に非がないのであれば負けるとは決まっていません。以前、架空請求詐欺で裁判を利用して請求してくることもありました。訴えられるだけであれば、別に悪いことではないのです。裁判所は、あくまでも公平にその事件を判断します。不当に負けることがない様に、必要なことをしっかりと注意して、十分に準備しておきましょう。

訴状をできるだけ早く受け取る

訴状は、特別送達という形で送られてきます。これは、直接手渡しで渡され、送達したという記録が残されるものです。不在の時などは持ち帰ってしまうので、そうなると受け取りも遅れてしまいます。放置してしまうと、知らないうちに口頭弁論期日が近くになってしまうでしょう。そうなると準備をする期間も短くなってしまうので、なるべく早く再配達を依頼するか、郵便局に受け取りに行くようにしましょう。

できるだけ早く弁護士や司法書士に相談する

弁護士や司法書士に依頼するとしても、ギリギリになっては引き受けてもらえない可能性が高くなります。他にも様々な仕事や予定があるので、依頼した時点で予定が埋まっていることもあり得るからです。忙しいところでは、そもそも相談すらする時間がないかもしれません。また、相談して依頼したとしても、書類の作成や打ち合わせ、その他にも様々な準備が必要となります。そのため、弁護士や司法書士にはできるだけ早く依頼しましょう。

相談が間に合わない、書面作成が間に合わない場合でも出頭する

裁判となると、弁護士や司法書士に相談したり、書類を作成したりしなくてはいけません。しかし、相談や書類が間に合わなかったとしても、指定された期日になったら最低限出頭だけはしましょう。欠席してしまうと、相手の主張が全面的に認められてしまいます。そうならないようにするために、当日は必ず出頭してください。その場で答弁をしても、裁判所は丁寧に話を聞いてくれるのです。準備が間に合わなくても、諦めないようにしましょう。

裁判所に訴えられた場合のよくある質問

裁判所に訴えられるというのは、頻繁にあるものではありません。もし訴えられた場合、疑問に思うことも色々とあるでしょう。その中でも、よくある質問に関していくつか紹介します。他にも疑問に思ったことがあれば、専門家に相談してみましょう。

Q1 被告と書かれているのですが、特に悪いことをしたつもりはありません。なぜ、このような書かれ方をされているのでしょうか?

A1 被告というのは、悪いことをした場合に呼ばれるものではありません。刑事裁判で訴えられた場合は、被告人と言います。被告は、あくまでも訴えられた人として、訴えた人を示す原告と対になる言葉として使われているものです。

Q2 答弁書はどのように書いたらいいのでしょうか?書かれている内容が聞き覚えの無い言葉も多く、ひな形を見てもよく分かりません。

A2 答弁書の作成は、弁護士や司法書士のようなプロに依頼した方がいいでしょう。普通の文章とは違って、裁判で重要になるポイントなどをはっきりと書かなければならないので、慣れていないと不備も起こりやすく、難しいのです。

Q3 裁判を起こされてしまいました。そちらの事務所に代理人をお願いした場合、費用はどのくらい必要となるのでしょうか?

A3 裁判の代理人をした場合の費用については、一概には言えません。訴訟における訴額によっても変わってくるので、明確な金額が分からないとはっきりとした金額はお答えできないのです。是非一度、相談に来てください。

Q4 口頭弁論期日の頃は仕事が忙しいため自分で出頭するのは難しいのですが、代わりに妻が出頭しても問題はないでしょうか?

A4 裁判所によって異なりますが、家庭裁判所での裁判であれば本院が代理人許可申請書を用意して裁判所の許可を得た上で、奥様が出頭することはできます。地方裁判所や高等裁判所、家庭裁判所であれば、代理人になれるのは弁護士だけです。

Q5 口頭弁論期日の当日は忙しく、出頭することができません。その場合、変更してもらうことはできるのでしょうか?

A5 仕事や個人的な用事などでは、変更してもらうことはできません。病気で動けないなど、例外となる理由の場合は変更が可能な場合もあります。1回目であれば、答弁書を提出することで出頭の代わりになります。また、弁護士などの代理人がいる場合は、代理人が出廷すれば本人の出頭は不要です。

Q6 訴訟の内容がでたらめで、全く当てはまることがありません。裁判をするだけ時間の無駄なのですが、棄却してもらえないのでしょうか?

A6 訴訟内容が不当かどうかは、裁判の中で判断されます。相手が訴訟費用を支払って裁判所に訴えた以上は、裁判所でその真偽を明らかにしなくてはいけないのです。不当だと思っていても、その主張をせずに放置していると認められてしまうため、裁判所に出頭してしっかりと主張しましょう。

まとめ

・裁判は、相手が何らかの請求をしたい時に起こすもの
・裁判に欠席すると、相手の主張を全面的に認めることになる
・裁判の前に、答弁書を必ず提出すること
・裁判を起こすには、裁判所に納める訴訟費用がかかる
・弁護士に依頼する場合は、訴訟で争われる金額に応じた費用がかかる
・訴訟費用は、訴える相手に請求することもできる
・司法書士でも、家庭裁判所の一部の裁判では代理人になれる
・裁判を起こされた時は、なるべく早く行動した方がいい




監修者情報
代表 認定司法書士 幡野 博文
代表 認定司法書士 幡野 博文
認定番号 第401159号 / 東京司法書士会所属 / 登録番号 東京 第1545号
40年の実績と信頼。北海道江別市出身。
昭和56年に司法書士資格を取得し、司法書士事務所を開設。以後、登記業務を主として各方面で活躍し、その傍ら身近な法律家として庶民の相談者として、様々な問題を解決。平成15年の簡裁訴訟代理関係業務の認定制度の発足に伴い、認定司法書士の資格を取得。親切・丁寧をモットーに依頼者と共に問題を解決すべく司法書士活動を展開中。
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