債務整理
2022.07.11

年金の差し押さえとは?年金の差し押さえの条件や対処法について解説

借金をして滞納していると、財産などを差し押さえられる可能性があります。しかし、年金に関しては差し押さえ禁止財産なので、通常は差し押さえの対象になることはないのです。ただし、場合によっては年金も差し押さえられてしまう可能性があります。それは、どのような場合が考えられるのでしょうか?
ここでは、年金が差し押さえられる条件や、そうなってしまった場合の対処方法について解説します。あらかじめ条件などを知っておいて、年金が差し押さえられることがないように用心しておき、もしそうなった場合もすぐに対処できるよう備えておきましょう。

借金の滞納による年金の差し押さえは違法?

借金をして滞納している場合に差し押さえられる可能性がある財産には給与や貯金が含まれますが、年金に関しては含まれません。年金の差し押さえは、違法になるのです。なぜ違法なのか、その理由について説明します。

基本的に公的年金の差し押さえは違法

公的年金は、原則として差し押さえられないのです。なぜかと言えば、憲法第25条において最低限度の生活が保障されているため、差し押さえられてしまうとそれに抵触することとなるからです。年金を差し押さえてしまうと、最低限度の生活ができる保障がなくなる、という判断から禁止されています。また、国民年金法を始めとした様々な法律でも差押禁止財産と明記されているからです。差し押さえが禁止されているのは、国民年金と厚生年金、確定給付企業年金、国民年金基金、厚生年金基金などです。保険会社との契約による個人年金などは含まれないので、こちらは何かあったときに差し押さえられる可能性があるため、注意しましょう。

私的年金は差し押さえられる可能性もある

公的年金とは違い、保険会社との契約などで加入する任意加入の年金は、私的年金といいます。これにはいくつかの種類があるのですが、その一部は差し押さえられる可能性のある財産です。この場合、年金として給付されるのではなく解約返戻金として支払われるものと判断されるため、差し押さえの対象となってしまうのです。
ただし、加入が任意であっても差押禁止財産に含まれる私的年金があります。確定拠出年金や確定給付企業年金、国民年金基金、厚生年金基金などは私的年金ですが、差し押さえが禁止されているものです。これらの扱いは、公益年金に準ずるものとなるのです。私的年金に加入している場合は、それがどの種類のものなのかを確認しておきましょう。

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年金が差し押さえられる条件とは

年金は差押禁止財産なのですが、場合によっては年金も差し押さえられてしまうことがあります。どのような場合に、年金が差し押さえられてしまことがあるのでしょうか?差し押さえられてしまうケースについて、解説します。

年金が銀行口座に振り込まれているとき

正確に言うと、差し押さえが禁止されるのは年金そのものではなく、年金の受給権です。給与を差し押さえられるときは会社から支払われる給与から差し押さえ分を引いて支払われることになるのですが、年金の場合はそのような措置が禁止されるため、全額支払われるのです。しかし、支払われた後は単なる現金です。そのため、年金が銀行口座に入金された後は銀行口座の預金債権となるため、差し押さえが可能な財産となってしまいます。
ただし、その場合は差押禁止債権の範囲を変更する申立を裁判所にすると、一定条件を満たしていれば差し押さえを解除することが可能となります。その条件は、その預金が年金を原資としたものであること、および差し押さえをされることで生活に支障が生じるということを証明するというものです。この申請は、差し押さえ命令を出した裁判所に対して行うのですが、命令から1週間以内に申請しないと貸金業者が第三債務者に対して取り立てができるようになってしまうため、手続きは可能な限り早くしたほうがいいでしょう。第三債務者というのは、債務者への債務がある人のことを言います。例えば、会社員であれば勤務先の企業が給与の支払元として第三債務者になり、アパート経営をしていれば入居者が該当します。申請には多くの書類が必要で、手続きも煩雑なので専門家に依頼することをおすすめします。

税金や保険料など公租公課を滞納しているとき

公租公課は、県民税や市民税などの住民税や所得税、社会保険や健康保険などの各種保険料、法人税や消費税、その他さまざまな税金などのことをいいます。こういった支払う義務があるものを滞納している状態で放置していると、行政機関によって差し押さえを受けてしまうことがあります。そして、金融機関の差し押さえとは違い、行政機関の差し押さえでは年金などの差押禁止財産も差し押さえられてしまうことがあるのです。
収入が少ない場合、国民年金保険料に関しては減免、あるいは支払猶予といった対応が可能です。しかし、実はそれらの対応は国民年金保険料に限らず、税金やその他の保険料などに関しても減免、もしくは支払い免除が可能となることがあるのです。例を挙げると、国税を納税することで生活が困難になる場合や災害などで多くの財産を失った場合などは、税務署に申請して納税を最大1年間猶予してもらえるという制度があります。これには、現在の状況を加味して新型コロナウイルスの影響による事情も認められるようになっています。
実際に認められるかどうかは、事情を聴いたうえで判断されるため一概にはいえません。しかし、もし認められなかった場合は通常通り納めるだけでペナルティはないので、事情がある場合は無理をせずに一度相談してみましょう。

年金を融資の担保にしているとき

日本政策金融公庫や福祉医療機関から融資を受ける場合、公的年金を担保にすることができます。こういった法に基づいた金融機関では、年金を貸し付けの担保にできるのです。しかし、もちろん担保なので返済できない場合は、たとえ差押禁止財産である公的年金であっても差し押さえられてしまうことがあるのです。年金担保制度というのは唯一法律によって国から認められている制度であり、それができるのは日本政策金融公庫と福祉医療機関の2つだけです。それ以外の金融機関では、年金を担保にして貸し付けをすることは違法となるため、そういったサービスを利用することがないように注意してください。

国民年金が未納であるとき

会社勤めの場合、国民年金保険料は給与から自動的に天引きされることになるため、未納となることはないでしょう。しかし、アルバイトや自営業として働いている場合、もしくは無職の時期があった場合は、自分で国民年金保険料を支払わなければいけません。それを支払い忘れて未納になっている場合、もしくは意図的に滞納していた場合などは、公的年金も差し押さえの対象となってしまいます。未納のまま放置していると年金の受給額も少なくなるため、支払うのが難しい場合はすぐに免除や支払い猶予の手続きをしましょう。

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国民年金が未納である場合の差し押さえまでの流れ

国民年金保険料が未納だった場合は、どのような流れで差し押さえられることになるのでしょうか?その流れについて、順番通りに説明します。いきなり差し押さえを受けるということはないので、差し押さえの流れが進んだ場合はなるべく早く対処しましょう。

電話や書面での督促

国民年金保険料を滞納した場合、まずは国民年金機構から書面で通知が来ます。その通知は国民年金未納保険料納付勧奨通知書というもので、勧告状ともいわれます。これは、国民年金保険料が未納の時期があると送付されてくるもので、紫色の文字で印字されています。書面には、保険料が未納となっているのはどの期間か、またその際の未納金額は合計でいくらなのかが書かれています。これは毎月、決まった日に送付されるものなので、すでに支払っているはずなのに未納となっていることもあるため注意してください。その内容に何かおかしなところがあれば、年金事務所などに相談してみてください。
その書類が届いていても無視したまま放置した場合、今度は日本年金機構が電話で督促したり、直接訪問して督促したりすることになります。ただし、その際の実務は日本年金機構が行うのではなく、業務委託をされた別の会社が行います。現時点では、アイヴィジット・東洋紙業共同企業体、および株式会社バックスグループに委託されています。そのため、日本年金機構以外から国民年金保険料を納めるよう督促を受けた場合は、それが委託先の会社かどうかを確認するようにしましょう。また、日本年金機構と名乗った場合は偽物の可能性もあるため注意してください。

特別催告状の送付

未納分の国民年金保険料を納めるよう督促を受けていても滞納を続けた場合は、特別催告状というものが届くようになります。これは段階別に封筒の色が異なり、最初は青いものでありその後は黄色、赤と変わっていきます。後のほうが警告度も高くなっていて、特に赤い封筒が届いた場合は差し押さえが予告されていたりもするため、届いたときはなるべく早く対処する必要があるでしょう。内容を確認した上で、記載されている連絡先にすぐ連絡しましょう。

最終催告状の送付

何度も特別催告状が届いているのに無視して滞納を続けていると、今度は最終催告状というものが届きます。これは期限が指定されているもので、その期限までに未納分を納めることができなければ、差し押さえを実行するということが書かれています。支払期日が書かれているため、その日を過ぎてしまうとそれ以降は遅延損害金が発生するようになり、本人以外にも世帯主や配偶者などにも督促状が送られてくるようになります。そのため、届いたときはなるべく早く対処するようにしてください。

督促状の送付

最終催告状が届いているにも関わらずリアクションをせず、滞納したままとなっている場合は最終手段として、督促状が送られてきます。これが届いた場合は、遠からず財産調査が行われて本当に支払いができない状態なのか確認されます。そして、滞納処分として調査によって判明した財産が差し押さえられることとなるのです。
督促状には、最終的な支払期日が記載されています。その期日までに納付されなかった場合、差し押さえ予告通知が届いて実行されるため、支払期日を守るようにしましょう。

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年金差し押さえの際の対策方法

国民年金保険料を納めることができないまま放置していると、いずれは年金を差し押さえられてしまうことになります。そうなる前に、対策をしましょう。
対策として、まずは付近の年金事務所、もしくは市区町村にある国民年金担当の窓口に行って、支払いの相談をしてください。事情によっては、分割払いが可能となることもあるのです。また、収入が少ない時や学生などの国民年金を経済的に納めるのが厳しいという場合は、保険料の免除や納付猶予が認められるかもしれません。納付はできなくもないという状況であれば、差し押さえされる前に納付すれば回避できます。
国民年金の滞納は、たとえ自己破産をしたとしても免除にはならないので、注意してください。

年金が差し押さえられる前に借金問題を解決する

年金の納付ができず滞納するという人の中には、借金問題に苦しんでいる人も少なくありません。借金の返済に手いっぱいで、年金を支払うお金がない状態となっているのです。その場合、年金を差し押さえられてしまうような事態になる前に、借金問題を解決することを考えましょう。
借金問題は返済してしまえば解決しますが、それができないために苦しんでいるのです。そのため、どうすればいいのかわからない場合は司法書士等の専門家に相談してみることをおすすめします。借金問題の解決方法として債務整理があるのですが、それには任意整理や個人再生、自己破産などの種類があるため、どの方法がベストなのかを相談した方がいいのです。特に、借金の返済も滞納してしまっている場合や、1社ではなく複数社から借り入れをしている多重債務状態になっている場合は、なるべく早く相談して解決する必要があるのです。
また、過去にグレーゾーン金利で借り入れをしてその返済を続けている場合などは過払い金が発生している可能性もあるため、その場合は過払い金返還請求をすることで借金問題が解決して一部は返還される可能性もあります。心当たりがある場合は、過払い金についても相談してみましょう。

まとめ

・公的年金は、原則として差し押さえができない差押禁止財産
・公的年金とは違って、任意で加入している私的年金は差し押さえの対象となる可能性がある
・年金が振り込まれる銀行口座や税金などを滞納している場合は、公的年金が差し押さえられる可能性もある
・日本政策金融公庫や福祉医療機関では、年金を担保として貸し付けをすることもある
・国民年金保険料が未納の場合、電話や書面での督促を何度か行った後、差し押さえとなる可能性がある
・年金の差押を避けるために、借金がある場合はまず借金問題を解決しよう




監修者情報
代表 鈴木 法克
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認定番号 第101196号 / 東京司法書士会所属 / 登録番号 東京 第7018号
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