公務員は自己破産できるの?職場にバレる?知られてしまう可能性や注意点を解説!
公務員であっても、借金をすることはあります。
返済が難しいほどに借金が膨れたとしても、公務員は基本的に副業が禁止されているため、収入を増やすことができません。
そのため、借金の返済が難しくなると、自己破産を考えることが多いでしょう。
公務員は自己破産ができないのではないかと考えている人もいますが、実は公務員であっても自己破産は可能です。
公務員が自己破産をする時の不安に思うことを解説します。
公務員が自己破産すると懲戒・免職になる?
公務員が自己破産をしたことを理由に、懲戒や免職などの処分を受けることはありません。
自己破産の手続き中は制限を受ける職種や資格などがありますが、制限を受ける職業は主に士業と呼ばれる弁護士や司法書士、行政書士などと、公的な役員や委員などがあります。
また、会社役員や公的な委員会の委員、銀行の役員等は、罷免や解任自由になります。
宅地建物取引業や廃棄物処理業、建築業などは、免許や許可が取り消されます。
関連リンク:https://hikari-hatano.com/jikohasan/column/shogakukin/
これから公務員になる場合、就職に影響がある?
現在は公務員ではないとしても、将来公務員になることを考えている人であれば、自己破産をしても問題がないか気になるでしょう。
公務員になっていても、自己破産によって懲戒や免職などの処分を受けることがないのと同様に、将来的に公務員を目指している場合でも、就職には影響しません。
何年も前に自己破産をしていた場合はもちろん、直近で自己破産をした場合でも、特に問題はないのです。
なぜかというと、公務員の採用のために定められた条件には、「破産者ではないこと」という条件が含まれていないからです。
ちなみに、自己破産で制限を受ける職種の中には、一部公務員も含まれていますが、制限を受けるのは自己破産の手続きをしている間だけなので、2~3カ月で制限は解かれます。
自己破産の手続き中というのは、破産手続きを依頼してから免責が決定されるまでの間ではなく、破産管財人がいる間のことを指します。
破産管財人が選任されるのは管財事件の場合だけなので、自己破産の手続きが同時廃止で終わった場合は資格制限がかかる期間はありません。
自己破産することが職場に知られてしまう可能性はある?
仮に自己破産をしても、公務員の欠格事由にはならないため、解雇されることはないのですが、職場に知られてしまった場合は出世や異動に影響が出るのではないかと、不安に思う人もいるでしょう。
自己破産をしたとき、職場に知られてしまうことはあるのでしょうか?
どのような要因で知られてしまうことがあるのかを解説します。
官報に掲載される
自己破産の手続きをすると、裁判所から破産手続開始決定が出された時と、免責許可決定が出された時の合計2回官報に掲載されるため、職場の人が読んで知られてしまう可能性があります。
官報は、政府が発行する新聞のようなもので、政府や省庁から公布される法律、政令などに関する公文と、官公庁や地方公共団体、裁判所の情報である公告が掲載されています。
裁判所公告には、相続や失踪、公示催告、破産や再生、特別清算などの情報が掲載されるのです。
共済組合からの借り入れがあった
公務員は、共済組合からケガや病気の給付、並びに退職や死亡時に年金、もしくは一時金などの給付を受けることができます。
しかし、共済組合では貸付事業も行っているため、資金に困って借り入れをする人もいるでしょう。
共済組合に返済する際は、給与から天引きされるのですが、自己破産をすると共済組合からの借り入れも免責となって返済が無くなるため、職場の給与を管理する人には自己破産をしたことが知られてしまうでしょう。
公務員が自己破産手続きをする際の注意点は?
公務員が自己破産をする際の注意点として、どのようなものがあるのでしょうか?
主な注意点を解説します。
退職金をすでに受け取っている場合
民間企業の場合、近年は退職金が支払われないところも多いのですが、公務員の場合は必ず退職金が支払われます。
勤続年数が長ければ、退職金の額はかなり高額になるでしょう。
退職金で借金が全額返済できれば問題ないのですが、借金総額が退職金よりかなり多い場合は、返済をあきらめて自己破産することもあるでしょう。
自己破産の手続きで問題となるのが、退職金の扱いです。
自己破産をするタイミングによって、退職金の扱いは異なります。
すでに退職して退職金を受け取っている場合、退職金は預貯金の一部として扱われます。
自己破産の時、預貯金は全額破産財団に組み入れられ、返済に用いられることとなるのですが、99万円以下の現金は残すことが可能です。
退職していて退職金はまだ受け取っていない場合
退職していても、退職金をすでに受け取っているとは限りません。
民間企業の場合は、退職後1~2か月後に支払われることが多いのですが、公務員の場合は退職した翌月中には支払われます。
民間企業よりも支払いのタイミングが早いものの、確実にタイムラグが生じるため、退職してから退職金を受け取っていない時期が発生するのです。
退職していても、まだ退職金を受けとっていないタイミングは、見方によっては将来確実に退職金を受け取ることができるタイミングといえます。
確実にもらえる以上、保有資産と考えることができ、自己破産の手続きをする場合は退職金の4分の1を破産財団に組み入れて債権者へと返済するため、支払わなければいけません。
在職中でまだ退職の予定はない場合
退職する予定もなく、まだ在職中であれば、当然退職金が支払われるのは先になります。
では、破産財団として支払う必要はないのかといえば、そうではなく、支払う必要があるのです。
まだ退職する予定がない場合に支払う額は、現時点で退職したと仮定したときの退職金の8分の1です。
8分の1というと、少ないように感じるかもしれません。
しかし、基本的には退職金を受け取るわけではないので、退職金の8分の1に相当する額は自分で用意しなくてはならないのです。
退職金の前借ができる場合は、前借をして支払う方法もありますが、必ずできるわけではないので注意してください。
自己破産の手続きをする前に、確認しておきましょう。
自己破産のご相談なら、はたの法務事務所へ
自己破産をするのであれば、ぜひはたの法務事務所にご相談ください。
はたの法務事務所は、何度ご相談いただいても相談費や着手料は無料なので、自己破産をすると決めた場合だけではなく、他の手続きとも迷っている場合や、分からない点があって不安な場合なども、お気軽にご相談いただけます。
若年層の支援実績も多数あるので、奨学金やカード返済のお悩みなどもご相談ください。
また、全国どこでも無料で対応いたしますので、お気軽にご連絡ください。
自己破産したくない場合は任意整理の検討も
借金返済は難しいものの、自己破産はできるだけ避けたいという人もいるでしょう。
自己破産は借金返済を全額免責してもらうことができるため、実質借金が無くなる効力の大きな手続きですが、きちんと返済したい借金がある場合には不向きです。
債権を選んで手続きをしたい場合は、任意整理も検討してください。
任意整理は、借金の元本は残るものの将来の原則利息をカットすることができ、元本も長期の分割払いにできる手続きなので、返済の負担はかなり少なくなります。
任意整理で返済可能になるかどうかを検討したうえで、どちらにするか選んでください。
まとめ
・公務員でも自己破産はできる
・自己破産は公務員の欠格事由に含まれていない
・自己破産した場合の職業制限に公務員というだけでは該当しない
・将来的に公務員になる場合も問題はない
・官報に掲載されるので職場の人に知られる可能性がある
・退職金は破産財団に一部を支払うことになる
・退職しているか、退職金を受け取っているかで、支払う金額は異なる
・自己破産はすべての債権が対象になる
・整理したくない債権がある場合などは任意整理も検討しよう
クレジットでの買い物や、軽い気持ちでキャッシングを重ねるうちに借金が知らない間に増えることは、だれにでもあることです。
支払いが無理かなと感じたら、身近な法律家である司法書士にまずは、ご相談ください。
あなたの早めの相談が問題解決へのきっかけになります。
一人で思い悩まずに、司法書士といっしょに問題解決に向けてスタートしましょう。
また、司法書士は、不動産登記や商業登記、簡易裁判所で扱う事件についての代理等をしていますので、借金問題以外の法律相談もしています。
弁護士では、敷居が高いと感じている方も、気軽にご相談ください。