任意整理の費用相場はいくら?支払方法や払えない場合の対処について解説!
毎月、借金の返済に苦しんでいる人も多いでしょう。そんなとき、任意整理で毎月の返済が楽になるという話を聞くと、自分もやってみようかと思いますよね。でも、気になるのはその費用です。あまりに費用が高いようなら、かえって支払いが苦しくなるだけなのでは?と不安になるかもしれません。
特に、司法書士や弁護士に依頼するとなると、費用もかなり高額になるのではないかと思ってしまうのは確かです。今、手元にそんなお金があるのなら、こうして返済に苦労していません。実は、事情により費用を用意できない方に向けた対処法もあるので、実際に費用が足りなくて困る、ということはあまりないのです。そういった点については、ご安心ください。それよりも、今の借金を減らし、きちんと完済することで、新しい人生を歩みだしてみませんか?
この記事では、専門家に依頼すると具体的にどのくらいの費用が必要になるのかご紹介します。ぜひ参考にして頂き、任意整理を検討してみましょう。
任意整理をした場合の支払方法の例
実際に任意整理をした場合、その費用の支払い方法はどのようになるでしょうか?相談してから、費用を支払って債権者に支払いをするまでのスケジュールについて、表を用いて解説します。
① 4社の任意整理をした場合(総額88,000円)
3月に相談を受けてから支払い方法について話し合い、5月末から4回払い(22,000円×4)となるようにした場合
| 相談 | 受任通知 | 費用の分割支払い完了後、和解交渉 | 和解 | 債権者に 支払い開始 |
|||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 |
| ¥0 | ¥0 | ¥22,000 支払い開始 | ¥22,000 | ¥22,000 | ¥22,000 支払い完了 | ¥0 | |
② 8社の任意整理をした場合(総額176,000円)
1月に相談を受けて、支払い方法を月3万円の6回払い(30,000円×5、最終回のみ26,000円)となるようにした場合
| 相談 | 受任通知 | 費用分割支払い後、和解交渉 | 和解 | 債権者に支払い開始 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 |
| ¥0 | ¥0 | ¥30,000 支払い開始 | ¥30,000 | ¥30,000 | ¥30,000 | ¥30,000 | ¥26,000 支払い完了 | ¥0 | |
最初に支払う費用は、債権者への支払いが無理なくできるように、費用の支払いが完了してから和解できるようスケジュールを組むのが一般的です。分割払いでも、同じく全額支払ってから和解できるようにしているので、問題ないでしょう。
任意整理にかかる費用の相場について

弁護士に依頼した場合、和解交渉だけなら3万円から6万円が相場とされています。過払い金請求があった場合は、それに加えて過払い金として回収できた金額の10%~25%が上乗せされます。
司法書士は若干安いことが多く、和解交渉の場合は2万円から5万円が相場です。過払い金請求があった場合は、回収できた金額の10%~25%が上乗せされます。
任意整理の専門家費用の内訳
費用の内訳は、目安として以下のようになっています。
| 費用内訳 | 弁護士 | 司法書士 |
|---|---|---|
| 相談料 | 0円~1万円 | 0円 |
| 着手金・基本報酬 | 1社あたり3万円以下 2社以上の場合、1社あたり2万円以下 | 1社あたり2万円以下 |
| 減額時基本報酬 | 減額成功金額の10%以下 | 減額成功金額の10%以下 |
| 過払い金成功報酬 | 回収金額の10%~25% | 回収金額の10%~25% |
※ご相談内容・事務所によって金額は前後致します。
こうした報酬については、日本弁護士連合会や日本司法書士連合会から、ガイドラインが出されています。しかし、明確には定められていないので、あくまでも目安です。
また、債権者が複数の場合は、1社あたりの着手金も減額されることがあります。それも、各事務所で規定が異なるので、確認が必要でしょう。
例として、2社に100万円ずつの借金があった人が、任意整理によってそれぞれ80万円、70万円に減額できた場合の報酬について、計算してみましょう。
まず、相談料として1万円かかります。実際に手続を始めることで、着手金として1社あたり2万円、2社で4万円がかかります。減額できたのはそれぞれ20万円、30万円なので、基本報酬としてそれぞれの10%、2万円と3万円を支払うことになるので、合計では1万円+4万円+2万円+3万円=10万円の費用を支払うことになります。合計で、50万円減額できたので、差し引き40万円分得をしたことになります。
これが、過払い金の場合だと、もっと話が違ってきます。過払い金として20万円戻ってきた場合は、その20%となる4万円の報酬が追加されます。そうなると、支払う金額は14万円になるのです。過払い金は、回収金額の10%~25%と幅が広いのですが、一般的には20%ほどとしているところが多いでしょう。
任意整理の費用を安くする方法は?
任意整理の費用を安くする方法というのは、基本的にありません。安い料金を掲げる専門家に依頼することはできますが、大幅な減額にはならないでしょう。なぜなら、一連の手続きをするにはどうしても、拘束時間が発生するので費用がかかってしまうのです。そのため、費用を抑えるとしても限度があります。
最終手段としては、自分ですべて手続きを行うという方法があります。それなら、2万円程度の費用で済むでしょう。ただし、素人が交渉に訪れても、その交渉に応じてもらえる可能性は限りなく低いので、何も得ることなく終わる可能性のほうが高くなります。骨折り損のくたびれ儲け、となってしまうでしょう。
それよりも、専門家に依頼したほうが、費用は安くならないとしても減額してもらえる金額が大きくなるので、最終的には得をする可能性が高いのです。どれだけ減額してもらえるかによって、返済額と手続きにかかる費用が大きく異なることがあります。その点に注目して、取扱件数の多い専門家に依頼した方がいいでしょう。
まとめ
・任意整理には、和解交渉と過払い金請求がある
・年間数百万人の人が、任意整理をしている
・債務整理の中でも、任意整理が特に多い
・和解交渉では、将来の利息はカットできるが、元金は減額できない
・過払い金請求は、過去にグレーゾーン金利で借り入れていた人が対象
・任意整理を依頼した時点で、借金の取り立てはストップする
・和解交渉が成立するまで、返済をする必要がなくなる
・専門家に依頼した場合の着手金は、和解交渉が成立する前に支払う
・専門家の着手金は、分割での支払いも可能
・弁護士よりも、司法書士に依頼したほうが料金は安いことが多い
・和解交渉の結果、残った借金は3年から5年かけて弁済することになる















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