イオンカード滞納によるリスクは?注意点と適切な対処法を解説
流通業界大手のイオングループの一員であるイオン銀行が発行するカードが、イオンカードです。イオングループでの特典がいくつもあり、多くの提携カードがあってそのほとんどが年会費無料というのが特徴です。
そんなイオンカードですが、滞納すると様々なリスクがあります。その内容を知っておいて、もしそうなった場合に備えて適切な対処方法を知っておきましょう。この記事では、イオンカードを滞納した場合のリスクや対処法について解説していきます。
イオンカードの特徴と注意点
イオンカードは、イオン銀行が発行するクレジットカードであり、イオンの20日、30日のお客様感謝デーで利用すると5%オフになる、イオンではポイント還元率が2倍になるなどの特徴があります。また、多くの企業などと提携して、多くの種類のカードがあることでも知られています。
そんなイオンカードの支払い方法には、一括払いの他に分割払いやリボ払いなどがあり、分割払いの場合は3回から最大60回払いまで可能です。ただし、分割回数に応じて実質年率で10%~12%ほどの手数料がかかるので、その点には注意しましょう。
そして、リボ払いにも注意しなくてはいけない点があります。一見すると便利に見えるリボ払いですが、借金の額に関わらず返済額が一定となっているため、返済が長期化しやすく利息も増えてしまい、長い間返済を続けていても中々完済できなくなるのです。毎月の負担が軽くなるのですが、返済が長期になると借金をしているという意識が薄れやすくなり、追加で借り入れをしても毎月の返済額が変化しないことから、気軽に追加の借り入れをしてしまうケースが多いのです。
一括払いであれば、手数料などはかからず、ショッピングなら購入代金をそのまま支払うだけです。キャッシングも、金利は最小限で済むでしょう。しかし、それ以外の支払い方法にする際は注意してください。
イオンカードを延滞した場合のリスクは?
イオンカードは、支払を滞納してしまったときにどのようなリスクが生じるのでしょうか?その内容を、具体的に解説します。
イオンカードが利用できなくなる
イオンカードの場合、締め日は毎月10日、引き落とし日は翌月2日と決まっているのですが、その日に引き落としができなければその翌日からイオンカードは利用停止になって利用できなくなってしまいます。その後、支払いをすればカードは再び利用できるようになるのですが、支払いをせずに滞納している状態が3ヶ月以上続いた場合は強制解約となってしまうリスクが高くなります。
なお、イオンカードはイオン銀行の口座を自動引き落とし口座に設定している場合は、3~5日までの間の平日に再引落をしてくれます。それでも引き落としができなかった場合には、支払通知書が送付されてくるので注意しましょう。
遅延損害金が発生する
借金を滞納している間は、通常の利息の代わりに遅延損害金が発生します。遅延損害金は通常の利息の1.46倍を上限としていて、最大で20%です。それほど大きな金額には思えないかもしれませんが、滞納している日数が大きくなると無視できないほどの差額になってしまいます。その分、完済までにかかる期間も長くなってしまうのです。
イオンカードの場合は、キャッシング枠であれば通常の実質年率は最大18%、ショッピング枠のリボ払いは15.0%、遅延損害金はどちらも20%が上限となっています。
キャッシングで50万円を借り入れている場合、通常の利息であれば30日間で7,397円です。しかし、30日間延滞した場合の遅延損害金は、8,219円となり、通常の利息より822円高くなってしまうのです。
イオンカードの場合、引き落とし日に引き落としができなかった場合は支払通知書が送られてくるのですが、その期日までに支払いが確認できないとその翌日から遅延損害金が発生します。具体的にいうと、毎月20日前後が経過すると遅延損害金が発生するので、その前に支払うことができれば遅延損害金は発生しないのです。
電話での催促を受ける
最初は支払通知書が送付されてきますが、その支払期日を過ぎて遅延損害金が発生するようになると、電話がかかってきて催促されるようになります。最初は本人の携帯電話にかけてきて、引き落としができなかったことや支払期日が過ぎていることを伝えられ、いつなら支払えるかを確認されます。携帯電話にかけてもつながらない、あるいは無視をしている場合は、自宅にかかってくることもあるのですが、その場合はきちんと本人確認をしてから内容を伝えるので、無遠慮に家族へと滞納していることを伝えられることもありません。とはいえ、連絡が取れないと何度もかけてくることになるため、家族に怪しまれる可能性は十分にあるので注意してください。
信用情報のブラックリストに登録される
借金を返すことができなかった場合、そのことが信用情報機関に登録されてしまいます。信用情報機関は、シー・アイ・シー、日本信用情報機構、全国銀行個人信用情報センターの3つがあり、クレジットカード会社や金融機関はそのうちのどれか、もしくは複数に加盟しています。延滞などの記録があると、いわゆるブラックリストに入ってしまい、信用情報機関に加盟しているクレジットカード会社や貸金業者、銀行などで情報を共有されてしまうのです。そうなると、例えばクレジットカードを新規で発行しようとしても、審査で断られてしまいます。
また、現在持っているイオンカード以外のクレジットカードも、使用中に信用情報を確認される途上与信の審査があるので、その審査に通らなかった場合は使えなくなってしまいます。それ以外にも、ローンを組むことができなくなったり、新たに消費者金融などから借り入れをすることもできなくなったりするなど、生活するうえで様々な制限が生じることになるでしょう。
単に支払いが遅れただけなら、それほど問題はありません。繰り返し遅れているようなら問題ですが、たまに遅れただけなら気にされないのです。2~3か月以上の滞納をした場合や、2カ月未満でも繰り返し滞納している場合は、ブラックリストに入ってしまうことになります。また、強制解約や債務整理などを行った場合も、ブラックリストに登録されます。
訴訟や差押えに発展する
滞納を3か月続けると、イオンカードは強制解約となりカードを返却するよう求められ、滞納分と利息をすべて一括で支払うことを求める督促状が届き、支払わなければ法的手続きをとる、と言われてしまいます。そして裁判所から支払い命令が出されてしまい、自宅に訴状や裁判の呼び出し状や支払い命令などが郵送で届き、裁判となった結果、差し押さえを受けて給料の一部が差し押さえられることになってしまいます。その際は会社に差し押さえることが通知されるので、会社には確実に知られてしまうでしょう。差し押さえの場合、給与は原則として手取り金額の4分の1が差し押さえられます。
その他に、銀行預金も差押えの対象となります。これに関しては制限がないので、全額差押えとなる可能性もあるので注意しましょう。社会的な信用も失われることになるかもしれません。
そうならないようにするには、裁判で異議申し立てを行い、和解を目指しましょう。
イオンカードの滞納をした場合の対処法
では、やむを得ずイオンカードの支払いを滞納してしまうことがあった場合は、どのようにして対処すればいいのでしょうか?対処法について詳しく解説します。
コールセンターに連絡して交渉する
すぐに返済するのは難しいものの、返済できるだけのお金を用意できる予定があるという場合は、まずコールセンターに連絡してください。そして、何故返済が遅れるのか、いつなら返済できるのかを伝えて、それを認めてもらえるように交渉しましょう。もし、返済が遅れる予定が数日だけであれば、利用停止になることは避けられる可能性が高くなるのです。支払えないことに引け目を感じて連絡せずに放置していると、督促を受けて最終的には訴訟などの手段を取られてしまうことになり、相手にとっても手間が増えていいことではありません。そうならないように、支払うのが無理な場合はなるべく早く連絡しましょう。
あらかじめリボ払いに変更する
請求額が確定する前に支払うのが難しいとわかっているのであれば、支払方法をリボ払いに変更することでその月の返済額を減額することができます。リボ払いへの変更は、支払日の前月20日までとなっています。リボ払いへの変更は、利用明細1件ごとに変更する方法と、1か月分をすべて変更する方法、今後すべての利用分をリボ払いにする方法があります。
先ほども言いましたが、リボ払いには危険があることも忘れないでください。常にリボ払いにしていると大変なことになるので、あくまでも応急処置として行いましょう。
返済するための資金を捻出する
返済を滞納してしまうことがないように、資金を捻出することも考えましょう。例としては、まず銀行の残高を確認して必要最小限の金額を除き、それ以外を返済の資金に充てましょう。返済のために借金をしては後々苦しくなるだけなので、まずは自分が支払える金額がどのくらいか、明確にしておく必要があります。
それだけでは不足するようなら、不用品を売却して資金を作ることも考えましょう。リサイクルショップやフリマアプリで販売できるのですが、特に人気があるのはブランド品や電子機器です。そういったものを中心に、売っても問題ないものを探してみましょう。
最終手段としては、家族から返済分の資金を借りる、という方法があります。必ず返すつもりで、自分が足りない分だけ借りるようにしてください。
どうしても支払が困難の場合は債務整理を検討しよう
どんな方法を行っても、支払ができないという場合は債務整理を検討しましょう。債務整理には主に任意整理、個人再生、自己破産の3つの方法があり、それぞれ効果が異なります。それぞれの効果について解説します。
債務整理を行うことによる効果とは
任意整理は、債権者と直接交渉して36回から60回の長期での分割返済と将来利息、および遅延損害金の原則カットを認めてもらうための手続です。元本は減りませんが、借金はこれ以上増えることがなくなり、1回当たりの返済額も少なくなるので返済の負担はかなり軽くなるでしょう。
その交渉に関する対応はクレジットカード会社によって異なるのですが、イオンカードはその中でも比較的交渉をスムーズに進めることができ、60回の分割払いで返済ができるようなら、応じてもらえる可能性が高いものの、個人で交渉しても認めてもらうことはまずできないため、司法書士等の専門家に依頼して交渉してもらいましょう。
個人再生は、裁判所に申立をして認可を受け、借金の元本を原則として5分の1、最大で10分の1まで減額してもらう手続きです。借金が総額で100万円以上ある場合は、大幅に減額できる可能性も高いでしょう。ただし、最小金額が100万円なので、借金総額がそれ以下であれば意味がありません。この手続きでは、裁判所に再生計画という返済プランを提出し、債権者からの一定以上の同意を得る必要があります。計画が実現可能であればめったに反対されないものの、不備があると反対される可能性は高くなるため、専門家に依頼してなるべく不備がないようにしておきましょう。
イオンカードだけで、100万円を超えていることはあまりないでしょう。それ以外にも、複数社から多額の借金があって、任意整理で減額される分だけでは返済のめどが立たない、という人にはおすすめの方法です。
自己破産は、裁判所に申立をして借金の返済が不可能であることを認めてもらい、すべての借金の返済の返済義務から免れる手続きです。この場合、一定以上の価値がある財産を保有している場合は原則的にすべて換価し借金の返済に充てられてしまうため、持ち家がある場合などは注意しましょう。
現状ではまず完済できる可能性がなく、すでに財産を処分しても返済ができないという人であれば、この手続きが向いているでしょう。また、自己破産をしても無一文になるわけではなく一定以下の価値の財産や一定額までの現金は残しておくことができます。
専門家に依頼するメリット
返済を滞納した場合は、司法書士や弁護士などの法律の専門家に相談してみましょう。債務整理を含めて返済できる具体的な方法を提示してもらうことができ、そのまま手続きも代行してもらえます。通常は相談料がかかるのですが、債務整理に関しては無料という事務所も多いため、まずは相談してみてはいかがでしょうか。
デメリットは信用情報機関のブラックリストに登録されてしまうことと、手続きを進める際に費用がかかることですが、専門家なので債務整理の成功率も高く手続きもスムーズに進めることができるというメリットもあるので、時間を費やして問題が大きくなり訴訟などに発展する前に解決を目指すのなら専門家への相談がおすすめです。
まとめ
・イオンカードは、一括払いの他に分割払いとリボ払いが可能
・リボ払いでは、返済が長期化することに注意
・延滞しているとイオンカードが使えなくなり、支払期日を過ぎると遅延損害金が発生する
・電話で督促されても延滞を続けると、訴訟や強制執行、差押えの危険性が高くなる
・返済できない場合は、あらかじめ連絡をしたりリボ払いに変更したりと対策をするべき
・どうしても支払えない場合は、債務整理を検討しよう。
・債務整理を行う際は、専門家に依頼したほうがいい
クレジットでの買い物や、軽い気持ちでキャッシングを重ねるうちに借金が知らない間に増えることは、だれにでもあることです。
支払いが無理かなと感じたら、身近な法律家である司法書士にまずは、ご相談ください。
あなたの早めの相談が問題解決へのきっかけになります。
一人で思い悩まずに、司法書士といっしょに問題解決に向けてスタートしましょう。
また、司法書士は、不動産登記や商業登記、簡易裁判所で扱う事件についての代理等をしていますので、借金問題以外の法律相談もしています。
弁護士では、敷居が高いと感じている方も、気軽にご相談ください。