債務整理後にクレジットカードはいつから作れる?債務整理中や後に使えるカードも紹介
最近は、クレジットカードも手軽に申し込むことができます。
スーパーやコンビニなど、それぞれポイントカードと同様にクレジットカードを申し込むことができるので、複数枚持っている人も少なくないでしょう。
しかし、クレジットカードの支払いが困難になったとき、債務整理はできるの?
任意整理をした場合、その後の扱いはどうなるの?
という疑問を持つ方も多いでしょう。
そういった点が気になる方に向けて、クレジットカードと債務整理について解説します。
債務整理中や後にクレジットカードが使えなくなるタイミングは?
クレジットカードからの借り入れで任意整理をした場合は、何が起こるのでしょうか?
クレジットカードは、貸金業者などとは異なり、買い物や決済にも使用できるため、生活にも影響が出るかもしれないので事前に知っておきましょう。
クレジットカードは即日使用不可
任意整理の手続きをした際は、クレジットカードを解約した扱いとなり、当日から使用できなくなります。
使用不可になる際は、ショッピングとキャッシングを分けて対応してくれることはまずありません。
よって、キャッシングだけではなく、ショッピングも使用できなくなってしまう点に注意が必要です。
ショッピングのリボ払いや分割払いはもちろん、一回払いも利用できなくなるので、クレジットカード払いにしているものがある場合には、すぐに支払い方法の変更手続きをしなければなりません。
信用情報機関に情報が追加
任意整理をすると、債権者の種類に関わらず、事故情報として個人信用情報に登録されます。
個人信用情報を管理する信用情報機関は3つありますが、情報は共有されるため、すべての信用情報機関に事故情報が記録されることに注意が必要です。
例えば、任意整理をしたクレジットカード会社がJICCだけに加盟していたとします。
この場合、残るCICや全銀協にも情報が共有されることから、JICCに加盟していないクレジットカード会社や貸金業者、銀行にも事故情報は知られてしまいます。
事故情報があると、クレジットカードの新規作成や借り入れができません。
まとまった金額が必要になって、別のクレジットカード会社や金融機関などに新規借り入れの申し込みをしても、審査が通りません。
債務整理後のクレジットカードのポイントやETCはどうなる?
クレジットカードには、利用金額に応じてポイントが付与されます。
また、クレジットカードに付帯したサービスで、ETCを利用している人も多いでしょう。任意整理をすることで、これらはどうなるのでしょうか?
まず、クレジットカードを利用する上で最大のメリットともいえる、ポイントについて解説します。
単に現金で支払うよりも、クレジット払いにするとポイントが貯まるので、普段の買い物でもクレジットカードを利用している人は多いでしょう。
しかし、任意整理をすると、クレジットカードは解約と同じ扱いになってしまいます。
その時点で、貯まっているポイントは期間や多寡に関わらず、失われることになります。
ポイントが残っている場合は、任意整理をする前になるべく使い切ることをおすすめします。
ポイントを使い切ってから任意整理をしても、特に不利となることはありません。
ただし、直前で借り入れをしてしまうと、任意整理で不利になるでしょう。
また、Tポイントや楽天ポイントのように、クレジットカード独自のポイントサービスではないものは、任意整理でも失われない可能性があります。
また、ETCカードはクレジットカードに付帯したサービスですが、クレジットカードと連動して解約されることはありません。
交通事故防止のため、利用停止になることはないのです。
ただし、それで自由に使っていいという訳ではありません。
自分できちんと機器から取り外して、その後利用しないように保管しておく必要があります。
無視して使い続けていると、任意整理で不利になる可能性があります。
債務整理後いつから新しいクレジットカードを作れる?
債務整理を行った後は、信用情報機関にそのことが事故情報として登録されてしまうため、クレジットカードをすぐに作ることはできません。
しかし、一定期間が経過すれば、作成できるようになります。
なぜなら、一度登録された事故情報がいつまでも残るわけではないからです。
事故情報が登録されている期間が終わった後は、クレジットカードを再び作れるようになります。
具体的な事故情報の登録期間は、債務整理の種類と信用情報機関によって異なりますが、おおよそ5~7年ほどです。
信用情報機関ごとの具体的な登録期間について解説します。
まず、CICであれば、任意整理と個人再生の手続きに関する事故情報の登録はありません。
ただし、強制解約や代位弁済などの手続があった場合には、手続きから5年前後は登録されることになるでしょう。
自己破産をした場合は、手続開始決定から5年ほど事故情報が登録されます。
次にJICCですが、任意整理をしたときは完済から5年程度登録されます。
個人再生と自己破産の手続きをしたときは、手続開始決定から5年程度登録されるでしょう。
最後にKSCについて解説すると、任意整理に関しては登録されません。
しかし、個人再生と自己破産は、手続開始決定から7年ほど登録されます。
任意整理は借金返済して約5年経過するまで
任意整理を行うと、借金の原則利息がカットされて、元本は36回から60回の長期分割払いで返済できるようになります。
返済の負担を軽減できる方法ですが、借金の完済から約5年が経過するまではクレジットカードを使用できなくなります。
任意整理を行っただけでは事故情報が登録されない信用情報機関もあります。
ただし、司法書士や弁護士に任意整理を依頼すると、受任通知がクレジットカード会社に送付されるため、登録を避けられません。
受任通知を受け取ったクレジットカード会社は、クレジットカード契約を強制解約し、事故情報として登録します。
また、保証会社が付いた借金を任意整理すると保証会社が代位弁済します。
しかし、代位弁済された時点でやはり事故情報が登録されてしまいます。
個人再生は手続開始決定されてから約5〜7年経過するまで
個人再生は裁判所に申立をして、認可された場合に借金の元本を5分の1~10分の1まで圧縮してもらい、3年から5年かけて分割返済できる債務整理です。
ただし、元本がどんなに少なくても、最低100万円は返済しなくてはいけません。
個人再生を行うと、手続開始から5~7年、もしくは借金の返済が終わってから約5年が経過しなければ、事故情報の登録が消えません。
事故情報の登録が残っている間は、クレジットカードを新たに作ることはできません。
なお、登録期間は信用情報機関によって異なり、CICは借金の返済が終わってから約5年、JICCは手続開始決定から約5年、KSCは手続開始決定から約7年です。
ただし、実際の登録期間は厳密に決まっているわけではなく、若干前後することがあります。
自己破産後は手続開始決定されてから約5〜7年経過するまで
自己破産の手続きをした場合は個人再生と同様に、手続開始から5~7年の間はクレジットカードを新たに作ることができなくなります。
信用情報機関によって異なりますが、CICとJICCはどちらも手続開始から約5年は事故情報が登録されたままです。
KSCは、手続き開始決定から約7年と長いのですが、いずれも実際の期間は多少前後する可能性があるでしょう。
なお、自己破産は免責の許可が出れば返済義務がなくなるため、他の債務整理のような「完済後」という期間は存在しません。
債務整理をしたカードは作れないことも
基本的に事故情報の登録期間が経過すれば、クレジットカードを再び作れるようになりますが、例外もあることに注意が必要です。
クレジットカード会社を債務整理の対象とした場合、対象会社のクレジットカードは半永久的に作れなくなる可能性があります。
クレジットカード会社や金融機関では、信用情報機関とは別に独自で社内ブラックと呼ばれるデータベースを作成していることがあるのです。
債務整理を行った場合、対象の金融機関データベースに登録され、系列会社と情報が共有されてしまい、以降の利用を断られてしまうかもしれません。
独自に作成する社内ブラックは、事故情報とは異なり登録期間が決まっておらず、半永久的に残る可能性もあるのです。
債務整理後に新しくクレジットカードを作る際の注意点
任意整理をして、個人信用情報に事故情報が登録されていても、クレジットカードを作成する方法はあるのでしょうか?
任意整理後にクレジットカードを作りたいのであれば、やってはいけないことがいくつかありますが、絶対にやってはいけないことを解説します。
なぜ通らないのか、理由を何度も聞く
審査に通らなかったと言われると、その理由が気になってしまうのは当然です。しかし、何度もその理由を聞こうとクレームの様に繰り返し電話をするようなことはやってはいけません。そのようなことをすると、ブラック扱いになりそのクレジットカード会社の社内データベースに登録されてしまうのです。
コールセンターでは、審査に落ちた理由を把握していません。また、知っていても教えてくれるわけはないので、単に悪い印象を与えてしまうだけなのです。
同時に複数のクレジットカードに申し込む
審査に通らなかった時、また落ちてしまうことがあると想定して同時に複数社へと申し込んでしまう人もいますが、これもやってはいけません。クレジットカードに申し込んだ際は、審査担当者が個人信用情報機関に確認します。同時に複数社へと申し込んだ場合、そこには複数の申し込みの記録が残ってしまうのですが、それは審査に落ち続けている、もしくは急いでお金を必要としていると言った悪印象を与えることになるのです。そうなれば、審査に落ちる可能性はさらに高くなってしまうのです。
申込書の記入で誤字脱字がある、もしくは嘘を記入する
書類を書く時、誤字脱字がないように気を付けるのは当然です。誤字脱字があると、正常に受け付けてもらえない可能性があるので注意しましょう。
また、どうせ調べられないと思って嘘の情報を記入しても、ほとんどの場合はバレてしまいます。特に、過去の借り入れなどは信用情報機関に記録されているため、隠しようがないのです。
嘘がばれてしまうと、担当者に悪い印象を与えて審査に落ちる可能性が高くなります。嘘は、絶対にやめた方がいいのです。
債務整理中や後に使えるカードは?
任意整理をするとクレジットカードは解約されて使用できなくなります。
常日頃からクレジットカードを使用していると、不便に感じるでしょう。
任意整理をすると、クレジットカードは絶対に作れないのでしょうか?
任意整理をした場合のクレジットカード作成と、クレジットカードの代わりになるものについて説明します。
任意整理をすると、その後は5年、長ければ7年ほどは、クレジットカードの新規発行ができなくなります。
その間クレジットカードが必要な場合には、家族名義のクレジットカードの家族カードやプリペイドカードを利用するといった方法があるでしょう。
また、デビットカードを利用するという方法もあります。
デビットカードはクレジットカードに近い形で使用できるカードで、任意整理後であっても発行が可能です。
デビットカードとクレジットカードは、支払いのタイミングが異なります。
クレジットカードの場合は、毎月締め日までに支払い分をまとめて、翌月の引き落とし日に支払います。
つまり、それまでの間はクレジットカード会社が立て替えて支払っていることになるのです。
一方、デビットカードは使用したときに、カードと紐づけられた口座から即座に引き落とされます。
口座残高がカードの使用限度額となるため、支払金額より少ない場合には決済できません。
デビットカードの場合は使用限度額を自分で決定できるため、使い過ぎたから返済できないということは起こらないのです。
任意整理をした後は、自分名義でのクレジットカードの作成はできませんが、信用情報は家族に影響しません。
例えば配偶者名義で家族カードを発行してもらえれば、普通のクレジットカードと同じように使用することが可能です。
請求先や利用可能額などは本カードと共通となるため、どちらかのカードで多額の買い物をした場合には、両方のカードの利用可能額が少なくなります。
カードを発行した家族に請求が届くため、何に利用したのかを逐一報告し、支払い用のお金を渡すかなど、使用上のルールを決めておいた方がいいでしょう。
クレジットカードとはちょっと違う『デビットカード』
デビットカードは、クレジットカードとどう違うのでしょうか?その大きな違いは、支払いのタイミングです。
クレジットカードの場合は、締め日までにその月の支払い分をまとめて、翌月の引き落とし日に支払うということになります。つまり、それまでの間はクレジットカード会社にその代金を借りているのと同じことになるのです。
それに対して、デビットカードの場合は使用した時、即座にそのカードと紐づけられている口座から引き落とされます。口座の残高が、カードの使用限度額となるのです。もし、口座の代金が支払い分に足りなかった場合は、その決算ができなくなります。つまり、デビットカードの場合は使用限度額を自分で決定することができ、使い過ぎたから返済できないということは起こらないのです。
家族カードを作ってもらう
任意整理をした後は、自分の名義でクレジットカードを作成することができません。
ただし、信用情報は家族に影響しないため、例えば配偶者名義でカードを作成し、家族カードを発行してもらうことで普通のクレジットカードと同じように使用することが可能です。
家族カードは本カードに紐づけられているカードであり、独立して発行されているわけではありません。
請求先や利用可能額などは本カードと共通であるため、どちらかのカードで多額の買い物をした場合、両方のカードで使用できる額が少なくなります。
請求がカードを発行した家族に届くため、何に利用したのかを逐一報告し、支払い用のお金を渡すかなど使用する上でのルールを決めておいた方がいいでしょう。
信用情報機関の金融事故の登録が消えるのを待つ
任意整理をした場合、信用情報機関には事故情報として記録されてしまいます。
事故情報が登録されている間はブラックリストに入ってしまい、クレジットカードの新規作成などができなくなりますが、事故情報がいつまでも残るわけではありません。
任意整理の場合は、どの信用情報機関でも5年経過すると記録が抹消されるので、5年経過すればクレジットカードの新規作成は可能です。
ただし、任意整理の対象となったクレジットカード会社の場合は社内ブラックとして記録が残る可能性があるため、 5年経過した後も記録が残ったまま新規作成ができないことがあります。
債務整理におすすめの司法書士事務所
債務整理におすすめの司法書士事務所は、どのようなところでしょうか?おすすめの司法書士事務所はどのようなところか、解説します。
まず、相談実績が豊富なところを選びましょう。ホームページを見て、債務整理や過払い金についてどのくらい相談を受けているのかが、信頼できるかどうかの目安となります。多いところは、10万件以上の相談実績があります。
満足度の高さも、信頼できるかどうかの目安となります。債務整理などの手続きは必ずしも成功するとは限らないため、満足度が100%になることはまずあり得ません。信頼できるかどうかの基準としては、90%を超えているかどうかが重要となるでしょう。
また、相談料や着手金が無料のところがおすすめです。相談料や着手金は、債務整理の手続きに失敗した場合でもかかるものです。そのため、無料なところに依頼しましょう。
これらの特徴を全て満たしている司法書士事務所として、はたの法務事務所がおすすめです。
まとめ
・クレジットカードの利用による借金も任意整理は可能
・翌月一回払いで返済額が大きくなりすぎた場合、任意整理をすることで長期分割払いが可能となる
・任意整理をする際は、引き落とし口座の残高をゼロにするか銀行で手続きをする必要がある
・クレジットカード払いの携帯電話料金などは、あらかじめ変更しておく
・任意整理後は、家族名義のクレジットカードの家族カードやプリペイド式のカードなら利用できる
・デビットカードなら、任意整理後でも発行可能
・デビットカードは、利用した際の代金が即座に口座から引き落とされる
・口座の残高が足りない場合は、決済ができなくなってしまうので注意が必要
・デビットカードは、使い過ぎを防止するのにも効果的















クレジットでの買い物や、軽い気持ちでキャッシングを重ねるうちに借金が知らない間に増えることは、だれにでもあることです。
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