債務整理
2022.08.22

債務整理は住宅ローンに影響する?債務整理後でも住宅ローンは組める?

夢のマイホーム。ちょっと背伸びしてローンを組むことになったけれど、「一国一城の主」になった喜びは、他に代えることができません。
しかし、そんな喜びもつかの間、体調を崩したり、勤め先の状況が変化したりして、仕事を辞めざる得なくなったら?それでもまだ手もとには、20年分の住宅ローンが…。

結果として「任意整理」という形をとることにしたけれど、仕組みや手続きがよくわからない、また、せっかく手に入れた自宅は手放したくない!という方もいるでしょう。また、債務整理をする前に組んだ住宅ローンがどうなるのかも、気になるかと思います。債務整理をした後で、再び住宅ローンを組むことができるのか、と不安になる方もいるのではないでしょうか?
ここでは、これから債務整理を考えている方に向けて、任意整理や個人再生、自己破産と住宅ローンの仕組みについてお伝えします。

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債務整理前に組んだ住宅ローンはどうなる?

債務整理を考えたとき、その前に組んでいた住宅ローンはどうなるのか気になりますよね。どうなるかは債務整理の「種類」によります。
まず、全ての不動産を失うことになる自己破産に関しては、住宅自体を手放さなくてはいけません。よって、その時点で住宅ローンも放棄となり、これまで支払ったローンの金額も当然返ってきません。
一方、個人再生や任意整理の場合は、住宅ローンをそのまま継続することが可能です。ただし、いくら経済状況が厳しくても、住宅ローンの減額はできません。その代わり、返済プランの見直しは可能なので、支払い期間を長くして、月々の負担を軽くすることは可能です。こうした場合、金融機関のほうもローンの減額ではないので、プランの変更に応じてくれるケースは多いようです。

債務整理時の住宅ローンの見直し

任意整理とは、司法書士が債権者と返済の方法や返済の額について交渉をして、今よりもよい条件での合意を成立させ、支払いを可能にするための手続きです。任意整理は裁判所が関与しないので、債務整理の中では一番手続きが簡単な方法です。そのため、任意整理によって、住宅ローン以外の借金を減らすことができれば、その方法がもっとも手軽です。ただ、任意整理の場合、大幅に借金を減らすというのは難しいことが多く、住宅ローンの返済と合わせると、結果的に返済が不可能な金額まで借金がふくらんでしまうこともあります。
借金がある、住宅ローンがある、しかし返済できない、任意整理も難しい・・・・・・となると、すべてをあきらめて自己破産しかない、と思うかもしれません。この場合、住宅は財産の1つとして換価され、債権者に配分されることになります。

債務整理時、住宅はどう扱われるか

住宅は、生活の基盤となるものです。そのため、実は住宅ローンについては、他の資産とは違う「住宅資金特別条項」(「住宅ローン特則」と言う場合もあります)という特殊な制度が用意されています。これは、債務者の経済環境を維持するために、自宅・マイホームをできる限り残しつつ、借金を整理できるようにしたものです。この制度を利用すれば、住宅についている抵当権は実行されず、自宅を競売にかけられることもありません。住宅ローンについては特別に、従前どおり又は多少のリスケをして支払っていってよいものとされています。さらに、住宅ローン以外の借金についても、個人再生手続に従って大幅に減額され、しかも返済期間を長くしてもらえます。

住宅ローン返済中に債務整理を行った事例

住宅ローン返済中でも、債務整理を行ったという事例はあります。その例を見て、どのようなことになるのかを知っておきましょう。
事例として紹介するのは、任意整理を行った50代の女性です。家庭の都合、そして住宅ローンの返済のために複数社から借金をしてしまい、もうすぐ住宅ローンを返済し終わるというタイミングで相談に訪れました。
この事例では、まず住宅ローンを完済することを最優先として、残りの借金については返済を一時ストップすることとなりました。そして、住宅ローンの完済後に各貸金業者と交渉を行い、原則利息カットや長期分割返済などで無理なく返済できるようになり、返済のめどを立てることができたのです。
この他に、個人再生の手続きであれば住宅ローン特則があるので、住宅を手放さずに借金を減額することができます。

住宅を手放すという選択肢もある

どうしても返済が難しいようであれば、債務整理以外に住宅を手放すという選択肢もあります。その場合は自主的に住宅を手放す任意売却か、売却額に拠らず借金問題を解決できる自己破産の2つの方法があります。それぞれのメリット・デメリットを解説します。

任意売却について

任意売却は、住宅ローンの返済が難しくなった時に金融機関と相談した上で、住宅を売却することで住宅ローンの返済に充てるという手続きです。住宅ローンの契約では金融機関が住宅を担保にしているので、売却の際は同意を得なくてはならないのです。
メリットとしては、住宅ローンの残額以上の額で売却することができれば、住宅ローンを完済した上でまとまった金額を手元に残すことができる可能性があるという点です。
しかし、残額以下の額でしか売却できなかった場合は、残った金額を同返済していくか金融機関と話し合ったうえで、毎月の返済額や返済期間についての計画を立てて、売却した後も返済を続けることになってしまうというのがデメリットです。

自己破産について

自己破産は、現在持っている一定以上の価値がある財産を処分して借金の返済に充て、それで返済しきることができなかった借金については非免責債権を除いて返済が免責となるという手続きです。つまり、滞納している税金などの非免責債権がない限りは、返済する必要がなくなるということです。
メリットは、たとえ住宅を売却した額以上の借金があったとしても、それ以上返済する必要がないという点です。例えば借金額が1500万円で、住宅の売却額が1200万円だった場合、残った300万円は返済する必要がないのです。また、免責を受けた後で取得した財産については、自分が自由に使うことができます。手続きをすることで、借金の滞納を理由に債権者が給与や財産を差し押さえることも出来なくなるというメリットもあります。
しかし、手続きを行うことで信用情報に事故情報として記録され、一定期間はローンを組んだりクレジットカードを新規に作成したりすることはできなくなります。

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任意整理後、住宅ローンが組めるのはいつから?

任意整理をすると、そのことが事故情報として信用情報機関に登録されてしまいます。その状態を、ブラックリストに入るともいいます。事故情報が登録されている間は、様々な審査が通らなくなります。例えば、クレジットカードの新規作成や更新、あるいは消費者金融からの借り入れもできなくなります。住宅ローンの審査をする際も、この信用情報を参照します。そのため、住宅ローンも当然組むことができなくなるのです。

ただし、事故情報は一度登録されればずっと残り続けるわけではありません。その内容によって、解除されるまでの期間がある程度決まっているので、それが過ぎれば再び元のように審査が通るようになるのです。任意整理の場合、その期間は目安として5年とされています。つまり、任意整理から約5年が経過すれば、住宅ローンも組めるようになるのです。

しかし、約5年といわれても、正確に5年で解除されるわけではありません。また、信用情報機関は3つあり、それぞれ期間が若干異なることもあります。正確な期間を知るには、どうしたらいいのでしょうか?
正確な期間は、金融機関によって異なります。なぜかというと、金融機関ごとに参照する信用情報機関が異なるのですが、機関ごとに事故情報の解除にかかる5年間の意味が異なっているからです。それぞれの機関における、5年間の正確な内容は以下のようになっています。

信用情報機関主に利用する金融機関任意整理後の事故情報が解除されるまでの期間
全国銀行個人信用情報センター(全銀協)都市銀行を中心とした銀行全般代位弁済が行われてから5年間
日本信用情報機構(JICC)クレジットカード会社・消費者金融手続開始から5年間
CIC地方銀行を中心とした銀行・クレジットカード会社・貸金業者完済から5年間

このように、同じ5年間でも正確な期間はかなり異なります。5年が経過したと思うけれど、もう大丈夫かどうかを確実に知りたい場合は、開示請求をしてみましょう。自分の個人情報なら知ることができるので、電話やネットから請求してみてください。

債務整理後に住宅ローンを組む3つの方法

債務整理を終えて、事故情報が残る期間を過ぎてから住宅ローンを組む場合、審査に通るためにやるべきことが3つあります。それは、

・事故情報が確実にないことを確認する
・債務整理の対象になった金融機関には申し込まない
・同時にいくつもの金融機関に申し込むのを避ける

という点です。それぞれ、詳しく解説します。

・事故情報が確実にないことを確認する
債務整理による事故情報が確実に消えるだけの時間が経過していても、事故情報が登録されていることがあります。それは、登録される原因となるのが、債務整理だけではないからです。
例えば、携帯電話の代金を数か月滞納することでも、事故情報に登録されます。クレジットカードや、ローンの返済も同様です。奨学金も、3か月以上返済を滞納してしまうと、事故情報として登録されてしまうのです。事故情報があると、ほぼ確実に住宅ローンの審査は通りません。
このようなことに心当たりがある場合や、そもそも債務整理の事故情報が残っている可能性がある場合は、住宅ローンを申し込む前に各信用情報機関に開示請求をしてみた方がいいでしょう。

・債務整理の対象になった金融機関には申し込まない
5年以上経過して、信用情報機関では事故情報が解除されていても、債務整理の当事者となった金融機関はそうではありません。信用情報機関に問い合わせるまでもなく、内部情報としてその記録が残っていることがあるのです。これは、直接対象となった金融機関だけに限られたものではありません。消費者金融の中には、銀行と関連のあるところもあり、そこの銀行には記録が残っていることがあるのです。
その一例は、下記の表のとおりです。

銀行系列消費者金融
三井住友銀行プロミス
SMBCモビット
三菱UFJ銀行アコム
新生銀行レイクALSA
ノーローン
オリックス銀行オリックス・クレジット
スルガ銀行ダイレクトワン

このような消費者金融が債務整理の対象に含まれていた場合、その系列の銀行は避けましょう。

・同時にいくつもの金融機関に申し込むのを避ける
住宅ローンに申し込む際に、審査が通るかどうか不安で思わずいくつもの銀行に並行して申し込む人がいます。しかし、住宅ローンの申し込みというのは、信用情報として登録されてしまうのです。そこに、何度も申し込んだ形跡があると、他で審査に落ちたと思われてしまい、かえって審査が通りにくくなってしまいます。
それよりも、比較的審査の基準が甘いといわれる地方銀行、もしくはフラット35に絞って申し込んだ方がいいでしょう。ちなみに、住宅ローン申し込みの履歴が残るのは、約6か月です。
フラット35の場合、たとえ債務整理の事故情報が残っていても返済能力があると判断すれば、審査に通ることがあります。債務整理後、なるべく早く住宅ローンを組みたい場合は検討してみてはいかがでしょうか?
それとは逆に、事故情報が解除されても任意整理をしたことがあるというだけで審査に通りにくくなる銀行もあります。そういったところは、避けたほうが無難でしょう。

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債務整理後の住宅ローンで重視されるポイント

債務整理をして、信用情報がリセットされてからであれば、再び住宅ローンを組むことができる可能性はあります。しかし、審査でどのような点を重点的にチェックされるのかを知らなければ、組めない可能性もあります。どのような点が重視されるのか、解説します。

住宅ローン完済予定時の年齢

住宅ローンを組むことができるとはいえ、完済する予定の年齢があまり高いようでは断られてしまう可能性が高くなります。目安となるのは、80歳未満で完済できるかどうかです。完済する予定の年齢が高いほど、審査に通るのが難しくなるのです。もし、完済数旅程が80歳以上になるようであれば、返済方法を基本的なものから変更し、ボーナス払いなどを活用することで完済時期を早めることができるでしょう。

現在の仕事の年収と勤続年数

ローン審査では、どのような場合でも年収や勤続年数が重視されます。これは、場合によっては勤務先の規模よりも重視されることがある項目です。審査を受けるタイミングで、なるべく条件が良くなるようにしておきましょう。
住宅ローンを組むことができる金額は、年収の4倍から6倍ほどが目安と言われています。そのため、高額なローンを組みたい場合は高い年収が必要なのです。
勤続年数については、最低でも1年以上なければ審査には通りにくいと言われています。長ければ長いほど、有利になるので、なるべく同じところで働き続けた方がいいでしょう。

契約者の雇用形態

働き方には、正社員や契約社員、アルバイト、パート、自営業など様々な形態があります。住宅ローンを組むことができる条件としては、返済の原資となる安定した収入があることです。収入が不安定であり、返済が滞る可能性が高いと判断されてしまうと、審査には通らなくなるでしょう。そのため、一般的には正社員が最も安定性が高く、信頼されやすくなるため審査では有利になります。パートやアルバイト、契約社員でも、長期で働いていて安定した十分な収入があれば、ローンを組むことは不可能ではありません。

健康状態の良し悪し

長く安定して働くためには、健康状態も重要です。健康状態に不安があり、病気になって入院するようなことになれば働くことができなくなるため、住宅ローンの返済も滞ってしまう可能性が高くなるでしょう。そのため、健康かどうかは重視されるのです。
健康状態そのものに問題があるのではなく、健康状態が悪ければ安定して返済できなくなるリスクが高まる、ということです。そのため、今までは問題無かった、といっても認めてもらえないでしょう。

他社からの借入状況

審査の際は、他の銀行、貸金業者、カードローンなどからどのくらいの借り入れがあるのかを必ずチェックされます。複数社から借り入れをしていたり、金額が多かったりする場合は審査で不利になってしまいます。借り入れが多ければ、その分滞納のリスクもたかくなるからです。
また、実際には借り入れをしていなくてもクレジットカードやカードローン、銀行のローンへの申し込みが何回もある場合も、審査では不利になってしまうでしょう。申込をしただけで、信用情報には履歴が残ってしまうため、注意してください。

信用情報について

住宅ローンなどの審査では、必ず信用情報をチェックされます。そこにはこれまでのローン、クレジットカード等の利用履歴が記録されていて、滞納や債務整理などをした場合は事故情報として記録されているのです。その事故情報がある場合は、ローン等の審査に通ることはないと思っていいでしょう。
事故情報がある状態では、5年から10年ほどで信用情報がリセットされます。そうなると、住宅ローンへの申し込みも認められる可能性が高くなるので、まずはリセットされるのを待ちましょう。

税金を滞納していないかどうか

住宅ローンとは一見関係がないように思えるかもしれませんが、税金の滞納もチェックされる項目です。納税は国民の義務なので、滞納しているものがある場合は信頼が下がってしまい、審査にも通りにくくなってしまいます。税金が納められないということは、金銭面の管理能力が低い、という子音になるのです。そういった人に住宅ローンを組んでも、返済が滞ることが多くなるのではないかと思われてしまうのです。そのため、税金は滞納しないように気を付けましょう。

まとめ

・住宅ローンは、任意整理であれば対象から外すことができる
・個人再生の場合は、住宅ローン特則で住宅ローンを整理せずに残すことができる
・住宅ローンの返済が終わる直前なら、返済が終わってから他の返済をすることも可能
・住宅を手放すという選択肢もあり、その場合は任意売却か自己破産のどちらかを選ぶことができる
・債務整理後に再び住宅ローンを組む場合、信用情報や安定した収入、勤務年数などがチェックされる
・税金を滞納していると、審査で不利になるので注意




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代表 鈴木 法克
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