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債務整理
2021.04.05

債務整理の手続きや流れ・期間について詳しく解説!

借金をして、返済を続けていたものの徐々にその金額が大きくなり、段々と返済が苦しくなってきたという人は、珍しくありません。そうして返済に困ってくると、それをどう解決すればいいのか悩むでしょう。もちろん、借りたお金は返すものです。しかし、どうにかして合法的に解決する方法がないかと考えることもあるかもしれません。そうして解決方法を探してみたものの、まだその方法が分からないという人もいるのではないでしょうか?そのような場合に取れる合法的な手段として、債務整理をするという方法があります。
債務整理には、大きく分けて任意整理、個人再生、自己破産の3つの方法があります。それぞれ特徴や手続きの流れが異なるので、現在置かれている状況に対して最適な手段を選ばなくてはいけません。それぞれの方法について知らなければ、その判断は難しいでしょう。
この記事では、それぞれの特徴やメリット・デメリット、手続きの流れなどを詳しく解説していきます。

債務整理の手続き(種類)

債務整理には、「任意整理」「個人再生」「自己破産」という3つの種類があり、それとは別に「過払い金請求」というものもあります。まずは、債務整理のそれぞれの手続きについて種類別に解説していきます。

任意整理

債務整理の中で、最もよく手続きされているのが任意整理です。これは、債権者と交渉して現在の借金にかかる今後の利息などを原則カットしてもらい、通常元本だけの返済にするという手続きです。借金を返済するのに長い期間がかかる原因として、利息が占める割合が高いという点があります。この手続きによって、その大きな原因を取り除くことができ、返済のめどが立つようになるのです。
ただし、これはあくまでも交渉です。貸金業者や金融機関には、たとえ利息カットを求められたとしてもそれに応じる義務はありません。そのため、交渉術が重要になるのです。ただ金利をカットして欲しいというだけでは応じてもらえないので、交渉になれている専門家に依頼したほうが確実です。

個人再生

個人再生は、会社が債務超過に陥った時に行う民事再生を個人で行う場合の特則です。裁判所に申請して、今後の再生計画を作成して債権者の同意を得ることで、借金の額をおよそ5分の1に圧縮することができます。但し、資産価値(財産)の総額を下回ることはできません。基本的に債権者を選ぶことはできず、全てが再生計画の対象となるのですが、特例として住宅ローンだけは除外できるケースもあるので、その場合はこれまで通りローンの返済を続けることで自宅を残すことができます。
個人再生を行うには、様々な条件があります。まず、減額された借金を確実に返済していけるだけの、安定した収入がなければ手続きができません。その上で、裁判所や債権者からも認められなければいけないのです。手続きが複雑なこともあって、専門的な知識が必要です。
また、借金が総額で5000万円を超えていると、個人再生はできません。

自己破産

自己破産については、聞いた事がある人も多いのではないでしょうか?これは、借金を返済する能力がないということを裁判所に申し立てて、以降の借金の返済を免除してもらう手続きです。その際に、一定以上の価値がある財産を保有している場合は処分され、返済に充てられます。しかし、それ以上は返済する必要がなくなるのです。
自己破産は、借金の理由がギャンブルや浪費のケースなど、いくつかのケースでは免責が下りないことがあります。免責不許可事由としてどのようなケースが免責にならないのかが法律により定められているため、相談の際に確認してみましょう。ただし、その事由に当てはまっても例外的に認められるケースもあるので、免責不許可事由に当てはまっていても諦めず相談してみてください。
自己破産については様々な誤解もあります。どのような手続きなのかを正確に知った上で行うようにしましょう。

過払金返還請求

CMなどでもよく聞きますが、これは法律で定められている金利を上回って支払っていた場合に、その分を返還するように求める手続きです。借金の金利は、利息制限法という法律で定められているのですが、過去にはこれ以外に出資法という法律でも金利が定められていました。そのため、利息制限法を上回る金利で貸し付けていた業者もいるのです。しかし、その金利はグレーゾーンと呼ばれ、現在ではその金利を違法としているため、過去に支払った金利を返金してもらうよう請求できるようになったのです。
上記3つの債務整理をする前にまず過払金がないかの確認を行い、もしあった場合はその分を返還するよう求めます。その結果、借金が全額なくなった上、さらに返金されることも珍しくありません。ただし、グレーゾーン金利が適用されていたのは2010年以前なので、それ以降に借りた分については過払金が発生しません。また、業者によっては2010年の法改正より前に、金利を自主的に利息制限法の範囲内に変更しているため、2010年以前の借金でも確実に過払金が発生しているとは限らないのです。

債務整理の手続き完了までの流れと期間

それぞれの債務整理がどのような流れで進み、どのくらいの期間がかかるのかを解説します。

任意整理の手続きの流れと期間

任意整理の手続きは、以下のような流れで進められていきます。

① 専門家への相談
司法書士等の専門家に相談して、債務整理のうちどのような手続きが可能かを確認します。

② 委任契約
任意整理が可能であれば、その手続きを委任する契約を結びます。

③ 受任通知送付
債権者に対して、依頼を受けたことを通知します。その通知を受け取った後は、取り立てなどが禁止されます。

④ 取引履歴の開示請求
まずは過払金がないかを確認するので、債権者に取引履歴を開示するよう請求します。
この開示は義務なので、履歴が残っていれば必ず開示されます。

⑤ 過払金の確認と引き直し計算
過払金が発生しているかを確認するために、当時の支払額に正しい金利に当てはめて、引き直し計算を行います。

⑥ 過払い金返還請求
計算の結果、過払金があれば業者に請求して、残った借金を確認してから改めて債務整理を行うかを確認します。

⑦ 和解案作成・和解交渉
どのような要求をして、同返済していくのかを決めた和解案を作成して、交渉します。

⑧ 合意書作成
交渉の結果、合意に至ればその内容を文書にした合意書を作成します。

⑨ 支払い開始
合意書に定められたとおりに、返済をしていきます。通常は、残額を3年から5年の期間で返済していきます。

⑩ 完済
無事完済したら、完了です。

最初に相談してから、合意書を作成するまでにはおおよそ3ヵ月、長ければ半年ほどか借ります。しかし、もし過払い金請求が裁判で争うようなことになれば、その期間はさらに延長となり、1年近くかかることもあります。もちろん、その間も返済はストップして、督促されることもありません。

個人再生の手続きの流れと期間

個人再生手続きは、以下のような流れで進められます。ただし、個人再生には小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類があるので、多少手続きの流れが異なる点もあります。

① 専門家に相談
司法書士等の専門家に相談して、債務整理のうちどのような手続きが可能かを確認します。

② 委任契約
個人再生が可能であれば、その手続きを委任する契約を結びます。

③ 受任通知送付
債権者に対して、依頼を受けたことを通知します。その通知を受け取った後は、取り立てなどが禁止されます。

④ 債権の確認と取引履歴の開示請求をして、過払い金がないか引き直し計算をする
借金をしている相手と、その額を確認します。それと併せて過払金がないかを確認するので、債権者に取引履歴を開示するよう請求します。この開示は義務なので、履歴が残っていれば必ず開示されます。
引き直し計算をして、過払金が発生していれば先にそれを請求します。

⑤ 収入や財産、家計の調査に必要な書類の提出
現在の収入や保有している財産、毎月の支出などが分かる書類を用意して、専門家に提出します。

⑥ 個人再生の種類を決定し、申立書を作成して必要な書類とともに裁判所に提出して、官報公告費を納める
小規模個人再生と給与所得者等再生のどちらで手続きをするかを決定して、書類を用意した上で裁判所に提出します。その際に、官報に個人再生をしたことを掲載するための官報広告費を納めます。

⑦ 選任された個人再生委員と1週間以内に面接
個人再生委員が選任された場合、申請から通常1週間以内に面接をして書類に間違いがないか等の確認を行います。

⑧ 再生委員の意見を聞き、裁判所が手続き開始について決定する
個人再生委員の面接の結果などの意見を聞いて、裁判所が手続きを開始するかどうかの決定をします。ほとんどの場合は、要件を満たしていて間違いがなければそのまま手続きが開始されます。

⑨ 債権額を調査して、金額の確定
正確な債権額を調査して、金額を決定します。その際に、債権者は債権額について異議を申し立てて正確な債権額を申請することができます。

⑩ 確定した債権をもとに、再生計画案を作成する
債権額が確定したら、それを減額することでどのように返済していくのかという計画を作成します。

⑪ 裁判所に再生計画案を提出
裁判所に、作成した再生計画案を提出します。裁判所では、その内容に問題がないかを確認します。

⑫ 提出された再生計画案を基に、債権者に書面決議、あるいは意見聴取をして、それを認めるか確認
小規模個人再生の場合は、債権者の同意が必要なのでその再生計画を認めるかどうかの決議を行います。その際は、債権数および債権額のどちらにおいても、過半数の消極的同意が必要です。給与所得者等再生の場合は、同意が必要ないものの事情聴取が行われます。

⑬ 再生計画案の認可・不認可の決定の決定
債権者の意見を基に、再生計画案の認可・不認可を決定します。

⑭ 弁済の開始
再生計画案が認可されたら、それに基づいて弁済を開始します。

個人再生は、このような流れで進められます。個人再生委員については必要に応じて選任されるので、必要無いケースもあります。また、その選任の有無によっても必要な期間が異なってきます。選任された場合は、最低で5~6カ月、長ければ1年以上かかります。選任されない場合は、およそ1カ月短くなります。

自己破産の手続きの流れと期間

自己破産には、大きく分けて同時廃止と管財事件という2種類の手続きがあります。そのどちらになるのかで、手続きの流れやかかる期間は大きく変わってきます。
同時廃止事件の場合は、以下のような流れで進みます。

① 司法書士等に依頼する
司法書士等の専門家に相談して、自己破産が可能であればその手続きを依頼します。

② 受任通知の送付
債権者に対して、依頼を受けたことを通知します。その通知を受け取った後は、取り立てなどが禁止されます。

③ 必要な書類を作成する
自己破産を申し立てるために、必要な書類を作成します。また、同時に必要な書類も準備します。

④ 裁判所に申立書を提出し、自己破産手続きの開始決定
書類の作成が終わったら、資料と共に裁判所へと提出します。その内容が認められれば、自己破産手続きが開始します。

⑤ 免責の決定
同時廃止の場合は、自己破産手続きが開始すると同時に終了し、免責の許可決定が出されれば手続きが完了します。

全体的にかかる期間としては、おおよそ3~4カ月です。
しかし、財産がある場合や借金について調査が必要な場合は、管財事件として手続されます。その場合は、以下のような流れになります。

① 司法書士等に依頼する

② 依頼を受けてもらい、受任通知が送付される

③ 必要な書類を作成する

④ 裁判所に申立書を提出し、自己破産手続きの開始決定

⑤ 破産管財人による財産の管理・処分
裁判所によって破産管財人が選任されます。破産管財人は、財産の管理及び調査、換価処分を行います。また、債権について不審な点があった場合などは、その調査も行います。

⑥ 債権者集会
債権者に呼び掛けて、債権者集会を開催します。集会では、自己破産に至ったことの報告や保有している財産を報告し、換価した財産を債権額に応じて配当します。

⑦ 免責の決定
債権者への配当が終われば、免責の許可決定が出されて手続きが完了します。

管財事件になると、財産の管理および調査や債権者を集めて説明・配当を行う債権者集会の開催など、時間のかかる手続きが増えるので、全体的にかかる期間は短くて6カ月、長ければ1年前後になります。

債務整理を自分でするときに発生するリスク

債務整理の手続きは、自分で行うこともできます。専門家に依頼すると費用が掛かるので、自分で手続きをしようと考える人は少なくありません。しかし、費用が掛かっても司法書士等の専門家に依頼するのがおすすめです。それは、自分で行うことには高いリスクがあるからです。ほとんどの方は、自分でやろうとして失敗してしまい、結局専門家に依頼しています。もし、自分で手続きをしようと考えているなら、そのリスクを把握した上で検討しましょう。
まず、債務整理について正しく理解していなくては手続きができません。裁判所に提出する書類も、専門的な知識がなければ正しく作成するのが難しいので、何度も提出することになるでしょう。中には、書類不備で申請が却下されるケースもあります。書類の作成は、慣れている専門家に依頼した方がいいのです。
また、任意整理では貸金業者と個別に交渉をするのですが、その交渉も困難です。交渉術にたけていないと、相手に自分の希望を受け入れてもらうことができません。このとき、一度交渉に失敗してから専門家に依頼しても成功率は低くなってしまいます。任意整理の場合は、最初から専門家へと依頼するべきです。
中には、自分で手続きをしようと思っていても、専門家に相談しに来られる方もいらっしゃいます。本当に自分で手続きができるのかどうかを確認するためにも、一度相談してみるというのは有効な手段です。そこで詳しく話を聞いて、その上で手続きを自分でできると思ったなら、自分で行うようにすればいいでしょう。

債務整理を行うメリット

それでは、債務整理をすることでどのようなメリットがあるのでしょうか?それぞれの手続きごとに、メリットを詳細に解説します。

任意整理のメリット

任意整理のメリットは、まず裁判所を通さずに業者と交渉できるということです。司法書士等の専門家に依頼して直接それぞれの業者と交渉し、債務整理をするにあたってどのような条件ならいいか、決定するのです。そのため、手続きが他の債務整理と比較して簡単になり、必要な資料も最小限で済みます。
また、クレジットカードを複数枚持っている場合、任意整理の対象から除外したクレジットカードについては、今後も利用を続けられる可能性があります。ただし、信用情報を確認されるタイミングになると、事故情報が記録されていることがわかってしまうので使えなくなってしまいます。住宅ローンについては、任意整理の対象にしていなければそのまま自宅に住み続けることができます。交渉する業者を自分で取捨選択できるので、除外する業者を自分で選ぶことができるのも利点といえるでしょう。他の債務整理では、すべての借金が対象となるので、貸金業者だけではなく個人間の借金や家族からの借金なども対象になってしまいます。友人や家族にお金を借りていて、迷惑をかけたくない場合は任意整理が向いているでしょう。
整理対象にした業者からは、督促が来なくなります。これまで、取り立てなどで落ち着いた生活ができなかった人にとっては、久しぶりに平穏な生活が訪れるでしょう。決して、借金が清算されたわけではないのでそこまで気を抜くことはできませんが、いつ家族や会社に知られてしまうかと心配していた人も、安心できます。交渉がまとまって和解が成立すれば、再び滞納しない限りは催促の連絡も来ないでしょう。
過払金請求も、任意整理の一環です。もし過払金があったときは、元金からその分を減額することができます。元金を超える過払金があれば、借金の支払いがなくなるうえにお金が戻ってくることもあり得るのです。過去に自分が余分に支払った分が戻ってくるだけとはいえ、気分的に得をしたように思えるでしょう。
任意整理は、あくまでも借金の返済について現状より増えることがないように交渉する手続きです。決して、残っている借金を支払わないということではありません。そのため、財産を差し押さえられることもなく、処分を強要されることもありません。裁判所を通じた手続きではないので、強制力もありません。自分が必要なものを、不本意に手放すようなことにはなりません。車なども、そのまま乗り続けることができるでしょう。
また、自己破産などをすると官報にそのことが掲載されてしまいますが、任意整理では官報に掲載されません。仕事などにも影響することはないので、誰でも安心して手続きができます。

個人再生のメリット

個人再生の大きなメリットは、元本を大きく圧縮できるという点です。どのくらい圧縮できるかは借金の総額によって最低返済額が決まっていて、目安としては5分の1になります。また、借金が多額であればあるほど圧縮率も高くなり、最大で10分の1まで減額できるのです。減額された借金の残額は、3年から5年ほどで完済できるように再生計画を立案します。元金が減額になり、それ以降は利息も発生しないので毎月の返済も楽になるでしょう。
どのような理由で借金をしたのか、その理由も問われることがありません。例えば、自己破産ではギャンブルや浪費での借金は免責されない可能性があることはよく知られていますが、個人再生の場合はそのような制限がないのです。裁判所に申し立てる際も、借金がどれだけあるかは確認されますが、何のために借金をしたのかという理由までは問われることはありません。生活費でも、入院費でも、ギャンブルでも、平等に扱われるのです。自己破産では認められないという人も、個人再生なら認められる可能性があります。
また、資格の制限もありません。個人再生をすることで、特定の資格の取得やその資格を用いた仕事ができなくなるということはないので、仕事の関係で自己破産はできないという人でも個人再生なら問題なくできるでしょう。保有している財産も、処分しなくてはいけないという決まりはありません。どのくらい返済しなくてはいけないかという金額を決める際の基準にはなりますが、返済が滞らない限りは財産を残したまま生活していくことができます。
住宅ローンが残っている自宅を所有している場合も、その自宅を手放さずに個人再生を進めていくことができます。住宅資金特別条項という特例があるので、それを利用することでそのまま住み続けることができるのです。ただし、住宅ローンは整理の対象に含められません。自宅を手放さないようにするには、住宅ローンは減額せずに支払い続けなくてはいけないので、注意しましょう。
裁判所からの許可を得ることになるので、個人再生手続には強制力があります。交渉には応じてくれない業者であっても、個人再生を申請されてそれが認められてしまうと、その再生計画には従わなくてはいけないのです。
支払を滞納していると、債権者が訴訟を起こして給料や預金口座などを差し押さえる強制執行をされることがあります。しかし、個人再生の手続きを申請して開始されると、強制執行ができなくなります。既に執行されている場合も、その停止を上申することで強制執行は停止されます。場合によっては、強制執行の取り消しが可能なケースもあります。

自己破産のメリット

自己破産のメリットは、なんといっても借金の返済から解放されるということです。司法書士等の専門家に依頼して、それを引き受けた時点で返済の督促や取り立ては全てストップします。そのうえで、裁判所からの免責許可が下りれば、それ以降は残った借金の返済義務から解放され、返済する必要が一切なくなるのです。この方法を選ぶ人は、今までかなり苦労して返済してきた人が多いので、それから解放されるというのは何よりも喜ばしいことでしょう。それ以降は、借金のない新しい人生を歩んでいくことができます。
他の方法とは違って、返済を続けていくわけではないので収入がなくても問題ありません。たとえ生活保護を受けていても、手続きができるのです。また、借金の理由がギャンブルや浪費の場合は自己破産が認められないといわれていますが、実際には何度も自己破産をしていたり、返済する気が最初からないなど悪質であったりしない限りは、裁量免責が認められるケースがほとんどです。
また、借金の返済が滞ると、債権者が裁判を起こして給料を差し押さえられてしまうことがあります。しかし、自己破産の申立をして裁判所から破産手続きの開始決定が出されると、強制執行手続きは全て停止になります。そうなると免責許可決定が下りた後は、既に差し押さえられている給与等も差し押さえが解除され、全額を受け取れるようになるのです。専門家に依頼した場合、受任通知が送られて取り立ては禁止され、新たに訴訟を起こすことも禁止されます。それ以前に訴訟を起こされていた場合も、破産手続きの開始決定に伴って訴訟が中断されるので、裁判に呼ばれることもなくなるでしょう。
自己破産をするとすべての財産がなくなると思われがちですが、実は自由財産と言われる最低限の財産は残すことができます、具体的には、99万円以下の現金や20万円以下の財産は残しておくことができるのです。そのため、家具や家電、衣類などのほとんどは残すことができるでしょう。また、パソコンも1台だけなら残しておくことができます。
また、自己破産手続きをしている間は特定の資格について制限があるということは知られていますが、手続が終わって免責許可が出ればその制限は解除されます。つまり、デメリットに見えても一時的なものなので、影響はそれほど大きくないでしょう。
また、引越しや旅行を禁止されるということもいわれますが、これも違います。制限は受けますがそれも破産手続きの間だけのことであり、手続き完了後は制限されません。同時廃止の場合はそもそも禁止もされず、管財事件でも裁判所の許可が必要になるだけです。
また、選挙権や被選挙権についても、制限はありません。デメリットと誤解されていることの多くは、実は単なる誤解であることが多いのです。

債務整理を行うデメリット

上記のように、債務整理には様々なメリットがあります。しかし、デメリットといえる点もいくつかあります。そのデメリットには、どのようなものがあるのでしょうか?手続きごとに、解説していきます。

任意整理のデメリット

任意整理をするというのは、貸金業者との契約を守って返済ができなかったということです。そのため、任意整理をすることで信用情報機関には事故情報として記録されてしまい、いわゆるブラックリストに入った状態となってしまいます。この記録は、返済が完了しても消えず、およそ5年が経過するまでその状態が続きます。
ブラックリストに登録されていると、様々な制限があります。まず、信用情報を確認されるサービスを利用できません。貸金業者からの新規借り入れやクレジットカードの新規発行および更新、金融機関でローンを組むなどのことがすべてできなくなるのです。
信用情報機関は3種類あり、金融機関によって参照するところが異なるのですが、そのすべてに事故情報が記録されると思っておいた方がいいでしょう。ただし、その情報は一般の人が目にすることはないので、第三者に知られる可能性はかなり低いでしょう。
任意整理は、返済を続けることを条件として金利等をカットしてもらうという手続きです。そのため、確実に返済できるだけの安定した収入がなければ、利用できません。交渉をしても、収入が少なかったり無職だったりすると、信用してもらうことができず交渉に応じてもらうことができないでしょう。ただし、過払金請求については収入に関係なく手続きすることは可能です。
あくまでも、業者との交渉によって金利等をカットしてもらうので、交渉に応じてもらえるかどうかは業者次第です。中には、交渉に一切応じてくれない貸金業者もいるので、確実に減額できるとは言い切れない点もデメリットといえるでしょう。最近では、任意整理をする人も増えたことから、貸金業者もかなりの割合で応じてくれます。返済できなくなって自己破産をされるよりも、金利をカットして元金だけでも回収できた方がまだいいからです。しかし、ごくわずかですが会社の方針として任意整理には応じない、というところもあるのです。応じたとしても、分割回数を少なくしたり、ある程度の利息を付けたりすることを条件とされるケースもあります。
任意整理における最大のデメリットは、過払金がなければ元金を減額できないという点でしょう。そのため、元々支払わなくてはいけない金額よりは確実に少なくなるものの、個人再生や自己破産と比較すれば支払わなければいけない金額はかなり大きくなるのです。過払い金も、2010年の法改正以降は全ての貸金業者が利息制限法の範囲内の金利で貸し付けをしていて、さらに返済が完了してから10年が時効ということで請求できるケースも徐々に減少しつつあります。そのため、大きな減額は難しいといえるでしょう。

個人再生のデメリット

任意整理と同じく、個人再生をした場合も信用情報機関に事故情報として登録されてしまい、いわゆるブラックリスト入りしてしまいます。登録されている期間は信用情報機関によって異なりますが、通常は5年から10年の間その情報が登録されてしまいます。
個人再生は、裁判所を通じて行われる手 続きです。そのため、個人再生をしたということは氏名や住所と併せて、官報に掲載されてしまいます。知っている人がその官報を目にすることがあれば、個人再生をしたことが知られてしまうでしょう。その可能性はかなり低いとはいえ、官報を見ることが多い人などがいる場合は注意しましょう。
3種類ある債務整理の中で、利用するための要件が最も厳しいのが個人再生です。任意整理よりも、さらに安定した収入を求められます。さらに、借金が総額で5000万円を超えていると利用できません。また、小規模個人再生の場合は債権者の消極的同意、つまり反対の意思を示さないかの確認が必要ですが、人数では債権者のうち半数以上、もしくは借金の額で見た場合に総額の2分の1を超えて同意しないという意思を示されてしまうと、個人再生手続を進めることができません。再生計画案を作成する必要があるのですが、それに関しても裁判所で返済が可能と判断され、かつ債権者が納得できるものでなければいけません。
給与所得者等再生の場合は、債権者の同意を得なくても手続を進めることができますが、返済金額を決定する基準に「2年分の可処分所得」が加わります。これは、収入から必要な支出を除いた分のことですが、通常は最低弁済額よりも高額になります。そのため、返済額が高くなってしまうのです。
手続きが複雑なのも、個人再生のデメリットといえるでしょう。その手続きも、自主的に進めていかなくてはいけないのです。個人再生委員が選任されることもありますが、その役割はあくまでも監督であり、代理で手続をしてくれるわけではありません。債権者と話し合って交渉したり、裁判所や個人再生委員と話し合ったりするのは、自分がやらなくてはいけません。ただし、専門家に依頼して代理人になってもらうことはできるので、可能な限り依頼することをお勧めします。書類などもかなり複雑なので、個人で作成するのは厳しいかもしれません。その点でも、専門家に依頼して代理で作成してもらった方が確実といえるでしょう。
借金は減額されるとはいえ、自己破産とは違って全額が免除されるわけではないので、今後は再生計画に従って返済していかなくてはいけません。負担は軽減されるでしょうが、返済が滞ると特別な事情がない限り再生計画が破棄され、手続そのものが無駄になることもあるので気を付けましょう。
債権に保証人などがいる場合は、個人再生手続をすることで保証人などに請求されてしまいます。保証人などがいる債権だけを除外して手続することはできないので、事前に相談しておく必要があるでしょう。
また、個人再生には専門家に依頼する費用以外に、裁判所へと納める予納金というものが必要になります。官報公告費などを納めるのですが、個人再生委員が選任される場合はその報酬も納めなくてはいけません。その場合の報酬は、一般的に15万円から20万円ほどなので、少なくない負担となるでしょう。

自己破産のデメリット

自己破産の場合も、上記2種類の債務整理と同じく信用情報機関に事故情報として記録され、ブラックリストに入ってしまいます。信用情報機関によってその期間は異なりますが、おおよそ7年から10年ほど経過するまで記録が残ったままになります。当然、その期間は新たに貸金業者から借り入れをしたり、クレジットカードを作成したり、あるいはローンを組んだりすることができません。しかし、その期間が経過すれば事故情報が抹消され、信用情報がリセットされ、それ以降は再びクレジットカードを作成したり、借入をしたりすることもできます。ただし、自己破産によって借金の返済が免責となった金融機関や業者、もしくはその系列会社などでは、社内記録として事故情報が残されているので、その期間が経過した後でも利用できないケースが多いでしょう。
財産として残すことができるのは、自由財産といわれる分だけです。それは、差押禁止財産として定められているものや99万円以下の現金、評価額が20万円以下の財産や残高が20万円以下の預貯金などです。それに当てはまらないものは、基本的に処分されることになります。退職金などもその中に含まれるケースがあるので、場合によっては破産管財人から勤務先に現時点での退職金を請求されることもあります。そうなると、勤務先に自己破産したことが知られてしまうことも考えられます。ただし、強制執行による差し押さえではないので、家財道具一式や給与全額を回収されるようなことはありません。
自己破産も裁判所を通じて行う手続なので、官報にそのことが掲載されます。その際は住所や氏名も掲載されるので、官報を見る人が知人や会社の同僚などにいる場合は、知られる可能性が高いでしょう。しかし、官報は一部の職種の人は見ることがありますが、一般的にはあまり目にするものではありません。そのため、周囲の人に知られる可能性はそれほど高くないでしょう。
自己破産を申し立てて、手続きが開始されると特定の資格に関しては制限がかかります。弁護士や司法書士、税理士などのいわゆる士業といわれる仕事をしている場合、その資格が必要な仕事をすることができなくなるのです。それ以外にも、保険外交員や警備員などの仕事もできなくなります。ただし、これはずっと続くのではなく、手続きが開始されてから免責許可決定が出されるまでの間です。その間は、資格の必要ない仕事だけをしているか、もしくは休業することになるでしょう。また、免責が不許可となってしまった場合でも、資格制限は解除することができます。
自己破産の手続中は、所在を明らかにしておく必要があります。自由に引越しをすることは禁止されるのです。また、海外への旅行や長期間の出張なども、制限を受けます。ただし、裁判所に届け出て許可を得ることで、基本的には許可を得ることができます。また、手続きが完了した後なら、特に制限を受けることはありません。また、手続き中は破産管財人に郵便物をチェックされることになるので、その点についても気を付けましょう。郵便物は直接届くのではなく、破産管財人の元へと転送されてチェックを受けてから、手元に届くのです。
保証人などがいる借金がある場合は、自己破産をすることでその保証人などに請求されてしまいます。借金の返済については免責となりますが、借金そのものがなくなるわけではないのです。そのため、保証人には事前に相談しておかなければ、いきなり請求されて驚かせることになってしまうでしょう。

債務整理についてよくある不安や質問

債務整理に関しては、不安を抱いたり疑問に思ったりすることが色々とあります。そうした不安や質問の中から、特に多いものについて回答と併せて紹介します。

Q.債務整理の手続きは自分でできますか?
A.債務整理は、どの方法も自分で手続をすることができます。しかし、債権者との交渉が必要であったり、あるいは専門的な法律の知識が必要であったりするので、自分で手続をした場合は何度もやり直すことになり、成功率も低くなってしまうことが多いのです。債務整理は、知識や経験によって手続きをスムーズに進めることができ、成功率も高くなります。そのため、司法書士等の専門家に依頼するのがおすすめです。

Q.債務整理の方法については、どのような基準で選択すればいいのでしょうか?
A.債務整理の手続きは3種類ありますが、その中でどの手続きをするべきかは借金の金額や現在の状況、収入、支出、依頼者の職業など様々な要素を考慮して決定されます。最も効果があるのは自己破産なので、まずはそこから検討することが多いでしょう。また、過払金を請求できる可能性がある場合は、それらの手続きよりも優先して行われます。

Q.任意整理は特定調停とは違うのでしょうか?
A.特定調停は、借金にかかる金利を利息制限法の範囲内になるよう減額計算をしたうえで、分割で支払っていくためのものです。任意整理に似ていますが、裁判所を通じて手続きを行うという点が大きく異なります。和解した場合は、和解調書が作成されて今後の返済はそれに基づいて行われます。裁判所での手続きなので、支払いが滞ると給与などを差し押さえられてしまうこともあります。

Q.会社に知られないように個人再生をすることはできますか?
A.個人再生をした場合は、官報に氏名や住所が掲載されます。もし、会社がその官報を購読しているような会社であれば、知られる可能性は高いでしょう。そうでない場合は、特に会社へと通達されるわけではないので、会社に知られる可能性は低いでしょう。ただし、会社からの借り入れがある場合は別です。その場合、会社も債権者として扱われるので、専門家に依頼した時点で受任通知が送付されます。その時点で、知られることになるでしょう

個人再生の相談実績

では、実際に債務整理をした人の相談実績について、いくつか紹介します。
どのくらい借金を減らすことができたのか、確認してみましょう。

ケース① Aさん(個人再生)
・40代男性
・職業 会社員
・借金総額 300万円

お父様を早くに亡くしていたAさんでしたが、40代になって今度はお母様ががんで入院してしまい治療費のために借金をしました。先進治療なども行ったので、総額で300万円ほど借金をしたのですが、その甲斐なく亡くなられてしまいます。そして、借金だけが残ってしまいました。
最初は自己破産も検討したのですが、Aさんの職業は自己破産手続き中に制限を受けるものでした。そのため、手続き中は仕事ができなくなるので、それでは仕事を失う可能性があります。それを避けるために、個人再生を選択しました。
安定した収入もあり、無事に再生計画が認可されました。積立トレーニングも問題なく終わり、100万円に減額された借金を月3万円ずつ、3年かけて返済していく事になったのです。

ケース② Bさん
・30代男性
・職業 会社員
・借金総額 3,500万円(住宅ローン含む)

Bさんは結婚してから順調に働いていて、住宅ローンを組んでマイホームを建てられたのですが、住宅ローンの支払いで自分のために使えるお金が減ってしまったことで、投資を始めました。株取引で問題なく利益を挙げられていたのですが、もっと大きな金額を得たいと思ったBさんはFXや先物取引なども始めました。その結果、損失が徐々に膨らんでいきました。すぐに取り戻せると思ったBさんは、一時的なつもりで借金をして追加証拠金などを支払っていたのですが、それが繰り返されるうちに借金が約1,000万円にまで膨らんでしまいました。住宅ローンと併せて、3,500万円にもなります。
当事務所に相談に訪れたとき、自宅は残したいということだったので個人再生手続きを勧めることにしました。住宅ローンだけはそのまま支払うこととして、それ以外の借金1,000万円は最低弁済額の200万円に減額され、毎月約6万円ずつ返済していく事になったのです。投資に懲りたBさんは、もう株取引もやらないことにしたそうです。

債務整理を専門家に相談するメリット

債務整理は、弁護士や司法書士に依頼するのが一般的です。しかし、そのための料金が高いと感じた人の中には、自分で手続きをしたいという人もいるでしょう。その場合と、依頼した場合のメリット・デメリットについてまとめたので、参考にしてください。

 司法書士弁護士自分で行う
時間×
費用×
対応金額の制限
140万円を超える借金には対応できない"

金額の制限なくできる

特にないが、金額が増えると手間も増える
取り立て・督促
依頼を受けた時点で受任通知を送付し、取り立てや督促が止まる

依頼を受けた時点で受任通知を送付し、取り立てや督促が止まる
×
交渉が終わるまでは止まらない

料金の高さが気になる人もいるでしょうが、書類作成などの難しいところを代行してもらうことができます。書類に不備があると、手続に時間がかかるだけではなく申請を却下されてしまうこともあるので、書類を正しく作成できるというのは重要なことなのです。料金以外のところも考慮したうえで、依頼するかどうかを判断しましょう。

まとめ

・債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産の3種類と過払金請求がある
・任意整理は、業者と個別に交渉する手続き
・個人再生は、裁判所を通じて借金をおよそ5分の1に減額する手続き
・自己破産は、借金の返済義務を免責してもらう手続き
・債務整理は、手続によってかかる期間が大きく異なる
・自分で手続をすることもできるが、専門家に依頼したほうが確実
・債務整理には共通して、返済額を減らすことができるというメリットがある
・任意整理は、以後の利息をカットしてもらうことができる
・個人再生は、借金の総額に応じて減額できる金額が変わる
・自己破産は、一定以上の財産を保有している場合は処分しなくてはいけない
・債務整理をすると、信用情報機関のブラックリストに入ってしまう




監修者情報
代表 認定司法書士 幡野 博文
代表 認定司法書士 幡野 博文
認定番号 第401159号 / 東京司法書士会所属 / 登録番号 東京 第1545号
40年の実績と信頼。北海道江別市出身。
昭和56年に司法書士資格を取得し、司法書士事務所を開設。以後、登記業務を主として各方面で活躍し、その傍ら身近な法律家として庶民の相談者として、様々な問題を解決。平成15年の簡裁訴訟代理関係業務の認定制度の発足に伴い、認定司法書士の資格を取得。親切・丁寧をモットーに依頼者と共に問題を解決すべく司法書士活動を展開中。
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