債務整理
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債務整理の手続きの流れは?かかる期間も合わせて解説

借金の額が大きくなり返済が難しくなった時は、債務整理を検討しましょう。債務整理は、定められた手順を踏んで借金を減額してもらう制度です。任意整理と個人再生、自己破産という3つの方法があり、それぞれ減額される割合や特徴、手続きの流れなどが異なります。その人の状況によって、最適な手段は異なります。どれが最も適しているのかを選ぶには、まずそれぞれを詳しく知る必要があります。そうしなければ、最適な手段を選ぶことはできません。
また、債務整理をした場合、その後生活にはどのような変化があるのか、気になる人も少なくないでしょう。実際に、債務整理をするとその後の生活には大きな変化があります。その変化にはメリットといえるものが多いのですが、デメリットといえるものもあるので、変化の内容についても知っておくべきです。

債務整理の手続きの流れ

それぞれの債務整理が、どのような流れで進むのかを解説します。

任意整理

任意整理の手続きは、以下のような流れで進められていきます。

専門家への相談→委任契約→受任通知の送付→取引履歴の開示請求→過払金の確認と引き直し計算→過払金返還請求→和解案の作成と和解交渉→合意書の作成→支払い開始

個人再生

個人再生手続きは、以下のような流れで進められます。ただし、個人再生には2つの種類があります。小規模個人再生と給与所得者等再生に分けられていて、手続きの流れは似ていますが多少異なる点もあります。

専門家に相談→委任契約→受任通知送付→引き直し計算→必要な書類の用意→裁判所への書類の提出→個人再生委員との面談→裁判所の手続き開始→債権額の調査→再生計画案の作成→再生計画案の提出→債権者の承認→再生計画案の認可についての決定→弁済の開始

自己破産

自己破産手続きには、同時廃止と管財事件の2つがあります。このどちらになるのかで、手続きの内容は異なります。まずは、同時廃止の手順から解説します。

専門家に相談→委任契約→受任通知送付→引き直し計算→必要な書類の用意→裁判所への書類の提出→個人再生委員との面談→裁判所の手続き開始→債権額の調査→再生計画案の作成→再生計画案の提出→債権者の承認→再生計画案の認可についての決定→弁済の開始

管財事件になると、手続きの内容が若干変更されます。

専門家に相談→委任契約→受任通知の送付→必要書類の作成→申立を行う→破産管財人による財産の管理・処分→債権者集会の開催→免責の決定

債務整理にかかる期間の目安

それぞれの手続きで、どのくらいの期間がかかるのかの目安を解説します。

任意整理

任意整理は、相談してから合意するまでおよそ3カ月かかります。しかし、交渉なので半年ほどかかることもあります。また、過払金請求があった場合はさらに長くなることもあります。

個人再生

個人再生の手続きには、短くても4カ月、長ければ1年以上かかることもあります。また、個人再生委員が選任された場合は通常よりも1カ月ほど長くなります。

自己破産

自己破産は、同時廃止の場合は3~4カ月ほどかかります。ほとんどのケースでは、同時廃止になります。管財事件の場合は、財産の処分や債権者への配当などがあるので、最低でも6カ月、長ければ1年前後かかります。

債務整理の手続きにかかる期間を解説

債務整理にかかる費用の相場は?

では、それぞれの手続きでどのくらいの費用が掛かるのでしょうか?

任意整理

任意整理にかかる費用は、以下のようになっています。

費用内訳弁護士司法書士
相談料0円~1万円0円~1万円
着手金1社あたり3万円以下
2社以上の場合、1社あたり2万円以下
1社あたり2万円以下
報酬金(基本報酬)1社あたり2~5万円1社あたり2~5万円
減額時基本報酬減額成功金額の10%以下減額成功金額の10%以下

個人再生

個人再生には、以下の費用がかかります。弁護士に依頼した場合と、司法書士に依頼した場合では費用が大幅に異なるので注意してください。

 弁護士司法書士
住宅ローンあり400,000円~600,000円300,000円~500,000円
住宅ローンなし300,000円~500,000円200,000円~400,000円

また、裁判所にも納めなくてはいけない費用があります。
裁判所に納めるものは、以下の通りです。
申立手数料10,000円
官報公告費用12,000円
連絡用の切手代4,000円~8,000円
個人再生委員への報酬150,000円~250,000円

自己破産

自己破産の手続きは、通常であれば司法書士等の専門家に依頼して行います。
その際の費用は、以下の表のようになっています。

費用内訳管財事件同時廃止事件
依頼費用30万円~80万円25万円~30万円
裁判所費用50万円~1万円~3万円
費用合計80万円~30万円前後

債務整理の費用相場を種類別に徹底解説

リスクがあっても債務整理をした方が良い理由

リスクがあっても債務整理をした方がいいのですが、その理由は何でしょうか?債務整理をするべき理由について、解説します。

状況を放置しておくと生活には大きなダメージがある

借金には、利息が付きます。毎月返済を続けていても、金額が大きくなると利息の額が大きくなります。そのため、返済の大部分を利息が占めることもあり得るのです。
また、利息は基本的に複利式です。返済が滞るようなことがあれば、利息がどんどん膨れ上がっていきます。そうなると、いずれ利息分も返済できなくなってくるでしょう。その状態が続くと、借金は増える一方になってしまうのです。

多重債務は結局行き詰まる可能性が高い

複数の貸金業者からお金を借りていると、返済が難しくなってしまいます。1件当たりの借入金額が少ないと、まだ大丈夫という気持ちになりやすいのです。また、返済日の管理が難しくなり、滞納する可能性も高くなってしまいます。
そうして、徐々に返済が間に合わないところが出てくるのです。そうなる前に、債務整理の手続きをしましょう。

債務整理後の生活と借金問題解決後の注意点

債務整理を終えた後は、生活がどのように変わるのでしょうか?その変化と、注意するべきポイントについて解説します。

債務整理後の生活は債務整理前と何が違うのか?

債務整理によって、変化する生活について解説します。

・借金が減る
まず大きく変わるのが、借金の状況です。債務整理をする前は、元金に加えて利息を支払っています。そのため、元金はそれほど減らないのです。例えば、12,000円支払っても元金は5,000円程度しか減っていないこともあります。
しかし、債務整理をすることでその状況は大きく変わります。自己破産の場合は、借金そのものの返済をしなくてもよくなるので、支払額はゼロになります。それ以外の手続きの場合は、原則利息カットとなるので、それ以降は支払った分だけ元金が減っていくのです。
任意整理の場合、借金は原則利息カットされる分しか減額されません。それではあまり利点がないと思う人もいますが、それだけでも大きな効果があるのです。それに加えて、元金を原則3年から5年の分割で返済していくので、支払う金額も減って終わりも明確に見えます。今までよりも、前向きに返済できるでしょう。

・返済日を気にしなくてもよくなる
債務整理をする人のほとんどは、多重債務です。複数の貸金業者やクレジットカードなどを利用して、毎月返済しているのです。その際の支払いの日付は、選択できるところも多いのですが、自動的に決まっているところもあります。その場合、返済日がバラバラになってしまうのです。それにより、返済日を常に気にするような生活になってしまうのです。場合によっては、忙しさのあまり忘れてしまうこともあるでしょう。
しかし、債務整理をすると返済日をあまり気にする必要がなくなります。
任意整理や個人再生の場合、債権者に対してのこっている借金を個別に返済しなくてはいけないので、返済日は気にしなければいけないように思えるでしょう。しかし、司法書士等の専門家に依頼して債務整理をした場合、その後の支払いについてもサポートしてくれることがあります。それが可能であれば、毎月必要な返済額をその事務所に振り込むだけで、適切に支払いをしてくれるのです。

・クレジットカードは使えなくなる
債務整理をすると、クレジットカードは使用できなくなります。現在持っているものだけではなく、一定期間は新規に契約することもできなくなるのです。
ただし、あまり意識していない人も多いのですが、クレジットカードを利用するということは借金をしているのと同じことです。キャッシングは当然ですが、ショッピングの決済に利用する場合も借金となるのです。そのため、債務整理をした後は借金をしない生活をするために、クレジットカードは使用できなくなった方がいいのです。
ただし、どうしてもクレジットカードでの決済が必要な場面もあるでしょう。その場合は、デビットカードを使用するか、家族のクレジットカードで家族カードを発行してもらいましょう。

・メンタルが大きく変化する
何より大きく変化するのが、メンタルです。これまで、借金の返済に苦しんできた人ほど、今後の生活に希望が持てるようになるでしょう。今までは、いつになったら返済が終わるかわからない借金を抱えていたのが、確実に返済できるめどが立った状態になるのです。手続きをした後は、借金は徐々に減っていき負担も軽くなります。特に自己破産の場合は、免責許可を得られた時点で借金からは解放されるのです。

債務整理後の生活で注意しなければならないこと

債務整理をした後の生活では、以下の点に注意しましょう。
・絶対に延滞しない
・新規の借り入れはしない
・クレジットカードの申し込みをしない

任意整理と個人再生の場合は、債務整理をした後も返済が続きます。その際に、約束した期日に支払わず延滞してしまうと、債務整理が無効になってしまいます。新たに返済の計画を決めて、それに同意しているということは、以前と違う契約を結んでいるということです。借金を減額して、支払える金額になっているはずなのに延滞してしまうと、その新しい契約が無効になってしまうかもしれないのです。そうなった場合は、また元々の契約に基づいて返済することになります。当然、原則利息のカットも無効になります。
債務整理をすると、ブラックリストに入ってしまうので通常は新規の借り入れはできません。ただし、ブラックリストに載っていても借りられるところもあります。そういったところから借りてしまうと、また返済が大変になってしまうでしょう。また、その金融会社は闇金であることが多いので、利息も非常に高くなり法律での保護も受けられません。そのため、債務整理という救済措置は使えないのです。
クレジットカードは、申し込みをするだけでも信用情報の記録に残ってしまいます。そこで断られたという記録があると、ブラックリストから抹消された後もクレジットカードを申し込む際不利になることがあるのです。

まとめ

・債務整理には、3つの方法がある
・それぞれ特徴が異なるので、自分に合った方法を選んで手続きをする
・債務整理にかかる期間は、手続きによって異なる
・債務整理には、費用が掛かる
・司法書士等の専門家に依頼せず、自分で行うと費用は安くなるが、成功率も低くなる
・債務整理をすることで、借金が減額できる
・返済できる内容で、改めて契約し直すことができる
・債務整理をすると、原則利息カットできる
・リスクはあっても、債務整理をした方がいい人は条件がある
・債務整理をすると、生活の多くが変化する
・クレジットカードは使えなくなるので、対策が必要な場合もある
・債務整理後の生活には、注意事項がある
・注意点は必ず守る必要がある




監修者情報
代表 鈴木 法克
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認定番号 第101196号 / 東京司法書士会所属 / 登録番号 東京 第7018号
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あなたの早めの相談が問題解決へのきっかけになります。
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また、司法書士は、不動産登記や商業登記、簡易裁判所で扱う事件についての代理等をしていますので、借金問題以外の法律相談もしています。
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