過払い金請求
2022.08.22

過払い金が発生する仕組みとは?過払い金請求の流れやメリットを司法書士が解説

長年借金の返済に苦しむ人の中には、過払い金が発生している人もいます。過払い金というのは、法定金利を超える金利で返済を続けてきた借金を法定金利で計算し直して、本来の返済額を超えて返済をしていた場合に発生します。
過払い金は、返還請求ができます。しかし、過払い金について詳しく知らないまま請求すると、デメリットが生じることもあるのです。この記事では、過払い金の仕組みとメリットやデメリットについて詳しく解説します。

過払い金の仕組みとは、発生する理由は?

借金の金利を決める法律は、利息制限法と出資法の2つがあります。利息制限法では、借入の金額に応じて金利の上限を15~20%と定めていますが、出資法では以前、金利の上限を29.2%としていました。その間の金利は、「グレーゾーン金利」と呼ばれます。
過払い金が発生する仕組みはどうなっている?司法書士が解説
過払い金は、このグレーゾーン金利に該当する支払い分のことをいいます。貸金業法が改正されたことで、グレーゾーン金利は違法となりました。そのため、遡って支払い分を計算し直し、支払が多すぎた分は過払い金として請求できるようになったのです。
例えば、100万円借りたときの本来の上限金利は15%です。しかし、かつて年利27%で借りていた場合は、ざっくりと計算すれば毎月1万円ずつ余分に支払っていたことになるのです。そのため、返済分のうち過剰な金利分を元金の返済に充てて計算し直していくと、最終的には余分に返済していたことになるでしょう。その分を返還してもらえるよう、請求できるのです。

過払い金が発生する期間について

過払い金は、2010年6月17日より前に借金をしていた場合に発生している可能性があります。また、借金の最終取引をしたタイミング、基本的には完済したタイミングから10年以内である場合に、過払い金を請求できます。10年以上経過すると、過払い金は消滅時効を迎えてしまい、それ以降は請求できなくなるのです。例えば、2006年に初めて借り入れをして2010年に完済している場合、2020年に時効を迎えているので既に請求できなくなっています。しかし、完済したのが2015年であれば2025年までは請求できるのです。

過払い金が出てしまう人の条件

過払い金が出てしまう人の条件は、主に以下の2つあります。
・2010年6月以前に、利息制限法の上限金利を上回る金利で借金をしていた
・その借金を完済したのが10年以内、もしくはまだ完済していない
改正された貸金業法が完全に施行されたのは2010年で、それ以降はグレーゾーン金利が撤廃されています。ただし、多くの貸金業者はその前に金利を利息制限法の上限に収まるように引き下げています。特に、最高裁で過払いの請求ができると認められた2006年からはほとんどの業者が金利を引き下げています。貸金業者によって金利を変更した時期は異なるので、改正前に借りていたからと言って必ず過払い金があるとは限りません。どのくらいの金利で借りていたのか不明な場合は、まず専門家に相談してみましょう。
また、過払い金の時効は基本的に、当該の借金を完済してから10年が経過した時です。最初に借りた時期は関係ありません。20%を超える金利で借りていても、完済してから10年で時効となるので、請求ができないのです。完済してからまだ10年未満か、もしくは現在も完済していないと、過払い金がでてしまうかもしれません。

過払い金を請求するメリット

過払い金返還請求は、払い過ぎたお金を取り戻すために行うものです。特に、借金が残っている場合でもその借金がなくなって、反対にお金が戻ってくる可能性があるというのが過払い金返還請求の最も大きなメリットといえるでしょう。
また、債務整理をすると信用情報機関に登録されてブラックリストに入ってしまいますが、完済してから過払い金返還請求をする場合はそのようなことがありません。また、たとえ返済途中でも過払い金との相殺で返済が完了するなら、やはり登録されません。過払い金を調査するだけなら信用情報機関に情報が掲載されないので、まずは調査をしてその結果を見てから、改めて過払い金請求をするかどうか判断することができます。

過払い金を請求するデメリット

過払い金返還請求のデメリットは、返済途中で変換請求をした場合にだけ生じます。その場合、過払い金の返還請求をしたことが任意整理として扱われ、信用情報機関に登録されてしまいます。信用情報にそのことが載ると、いわゆるブラックリストに載った状態になってしてしまいます。
過払い金返還請求をしたのに完済できず、債務が残った場合は任意整理として扱われ、情報信用機関にその情報が約5年間掲載されてしまいます。その間は、新しくクレジットカードを作成したり、借入をしたりすることができなくなるでしょう。
また、信用情報機関への登録とは別に、各貸金業者やクレジットカード会社のそれぞれの社内情報として記録される、いわゆる社内ブラックとして扱われることもあります。ただし、確実にそうなるとは限らず、それぞれの会社で扱いが異なるため、リスクとして考えておきましょう。

過払い金を請求できる業者とできない業者

過払い金は、どの貸金業者から借りていても請求できるわけではありません。請求できるのは、当時グレーゾーン金利での貸し付けをしていた業者に限られます。代表的な業者としては、アコムやアイフル、プロミス、レイク、ニコス、オリコ、セディナ、イオン、JCBなどがあります。
しかし、オリックスやキャッシュワン、アットローン、ダイレクトワン、モビット、銀行のカードローン全般、公庫からの借り入れなどについては、過去でもグレーゾーン金利での貸し付けをしていないため、過払い金が発生している可能性は低いでしょう。
中には、現在すでに存在していない貸金業者もあります。しかし、その中には他の貸金業者に吸収合併されているところもあるので、その場合は事業を引き継いだ貸金業者に請求することができます。

過払い金請求には時効がある?

過払い金があるとしても、その返還請求はいつまでもできるというわけではありません。なぜなら、過払い金請求には時効があるからです。
時効は、最後の弁済日から10年が経過したときです。例えば、2011年4月1日に最後の弁済をして完済していた場合、2021年4月1日で時効となるのです。基本的に過払い金請求の対象となるのは2006年以前の借り入れなので、それ以前に利用して5年以内に完済したという場合は過払い金の時効を迎えてしまっています。
過払い金は、該当する期間に特定の貸金業者を利用していると、必ず発生しています。過去に借り入れをしてそれを完済してから10年以内だという人は、時効になる前に過払い金がないか確認してみることをおすすめします。

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過払い金請求は自分でできる?

過払い金請求をする場合、必ずしも司法書士等の専門家に依頼しなければならない、というわけではありません。自分で請求することもできますが、その場合はリスクがあることも知っておきましょう。
まず、自分で請求することで専門家へと依頼するコストがかかりません。その代わり、不慣れな手続きをすることになるので手間と時間がかかってしまい、さらにそれが受理されず無駄になるというリスクもあるのです。
また、過払い金請求をするには貸金業者に取引履歴を開示するよう請求するのですが、個人で請求した場合は開示請求に応じてくれない可能性もあります。
取引履歴の開示請求に応じてくれたとしても、引き直し計算は非常に複雑で慣れていないと間違えやすいものです。計算を間違えると請求しても応じてもらえなかったり、自分が損をしてしまったりすることがあるのです。
また、交渉も自分で行うことはできますが、ノウハウなどがないので示談にするのは難しいでしょう。

過払い金請求の流れと期間

過払い金請求をする場合、どのような流れで進んでいくのでしょうか?また、請求してから受け取ることができるようになるまで、どのくらいの期間が必要となるのでしょうか?流れや期間について、解説します。

取引履歴の開示請求

まずは、過払い金が発生している可能性がある取引の履歴を、開示するよう請求しましょう。この請求は、貸金業法で認められているものです。そのため、法に従って営業している貸金業者は、その開示請求を断ることは認められていません。請求されたら、必ず開示しなくてはならないのです。
ただし、個人で請求した場合は貸金業者に相手にしてもらえないこともあります。確実に開示してもらうには、司法書士等の専門家に依頼した方がいいでしょう。開示請求してから取引履歴が送られてくるまでは、1週間から1カ月ほどかかります。

引き直し計算

取引履歴を開示してもらったら、続いて過払い金が発生しているか、またそれはどのくらいの額なのかを確認するために、引き直し計算を行います。
引き直し計算というのは、過去の取引においてグレーゾーン金利で支払っていた部分に、利息制限法の上限金利を当てはめて計算し直すことを言います。最初から当てはめて計算するため、それ以降の金額もどんどんとずれていきます。例えば40回返済して完済していたのが、引き直し計算をすると30回で完済していたという結果になった場合、10回分の返済分が過払い金となるのです。

過払い金返還請求書の送付

引き直し計算を終え、過払い金がどのくらいあるのかがわかったら、その計算結果を過払い金返還請求書として貸金業者に送付します。この計算結果に間違いがあった場合、例えば本来は10万円の過払い金があるのに12万円として請求してしまうと、不当な請求として取り合ってくれない可能性があります。また、本当は10万円なのに8万円として計算して請求した場合は応じてくれる可能性もありますが自分で損をすることになってしまうため、注意して計算しましょう。

和解交渉

請求書を送付して相手が受け取ったら、貸金業者と交渉をします。まずは貸金業者の過払い金請求担当者と電話で話し合い、どのくらいの金額を返還するか、その支払い方法はどうするのかということを話しあっていきます。この時、時効がすでに近いという場合はなかなか話がまとまらないこともあるので注意しましょう。また、専門家に依頼せず個人で手続きをしている場合は、足元を見られて極端に減額されてしまう可能性があるので、その場合は強気の姿勢で交渉しましょう。

過払い金返還請求訴訟

もし、自分が納得できるラインでの返還に応じてもらえなかった場合は、訴訟を起こして裁判で決着をつけましょう。例えば、20万円の過払い金が発生していて少なくとも18万円は返還して欲しいと思っているのに、相手が15万円までしか返還しないと主張している場合は、訴訟を起こすことで20万円全額返還してもらえる可能性が高くなるのです。また、訴訟を起こすことでその手間や時間を気にして、貸金業者から改めて和解を申し込まれるケースもあります。

過払い金の返還

和解交渉がまとまるか、もしくは訴訟を起こして裁判で勝訴した場合、貸金業者から過払い金が返還されます。その際は、送付した過払い金返還請求書に記載してあった口座へと振り込まれます。司法書士等の専門家に依頼した場合は、一般的にまず専門家の口座に振り込まれ、そこから報酬などを差し引いたうえで自分に支払われます。
過払い金は和解の成立や裁判での勝訴判決が出てすぐに振り込まれるわけではなく、短くても数週間後、長ければ4カ月ほど後に振り込まれます。

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過払い金請求をおこなう場合の注意点

過払い金請求をする場合、いくつかの点に注意が必要です。これを知らないまま請求してしまうと後悔してしまう可能性もあるでしょう。どのような点に注意しなくてはならないのか、解説します。

貸金業者の経営状況で返還金額が変動する可能性がある

過払い金の返還は、貸金業者にとっても大きなダメージとなっています。実際に、これまでも過払い金の返還をしたことで経営が傾いてしまった会社や、すでに倒産してしまった会社などが多数あるのです。これは、過払い金の返還請求がブームとなったことで、一度に多額の返還を求められてしまったことが原因です。
そのため、中には過払い金を返還できるだけの余裕がすでになくなっている貸金業者もあります。一件ずつの請求額はそれほど大きくなくても、件数が多すぎるのです。そのせいで、全額返還に応じるだけの余裕がなく返還される金額が変わってしまう可能性があるのです。

請求先へ借入残高がある場合は要注意

過払い金を請求する貸金業者からの借り入れは完済しているなど、その業者をすでに利用していない場合は特に問題ないのですが、過払い金の対象となる契約やそれとは別の契約などをまだ利用していて返済している最中の場合は、注意しなくてはいけません。過払い金を請求して、返還された分で残っている借金を完済できなかった場合、過払い金請求から任意整理へと移行してしまうのです。そうなると、個人信用情報機関に事故情報として登録されてしまうため、新規の借り入れやカードローンなどが利用できなくなってしまうのです。

過払い金請求の依頼先を選ぶポイント

過払い金請求をする際は、専門家に依頼したほうがスムーズで確実に解決できます。しかし、どの事務所に依頼するべきかというのは悩むことが多いでしょう。依頼先を選ぶ際に注目したいポイントについて、解説します。

解決実績の多さ

過払い金の返還請求を成功させるには、これまでの経験やノウハウが重要となるため、過払い金問題が得意な専門家であることが大切です。その判断基準となるのが、これまでの解決実績の件数です。解決した件数が多ければ多いほど、過払い金問題を解決した経験が多いということになるのです。
過払い金を解決する専門家は司法書士や弁護士などですが、その専門家が扱う法律の問題は多岐にわたります。そのため、事務所によってある程度の専門分野があるのです。例えば、刑事事件に強い弁護士もいれば相続問題に強い司法書士などもいます。その中から、過払い金請求に強い専門家を探すには、これまで何件の過払い金請求を解決してきたのかが重要となるのです。

担当者の対応

過払い金請求の相談で事務所を訪れた場合、それを誰が対応するのかが重要です。特に借金の問題である過払い金はデリケートなものです。そのため、守秘義務をしっかりと遵守してくれる専門家が対応してくれたほうが、安心して相談できるでしょう。
司法書士に依頼する場合は、認定司法書士かどうかが重要です。認定司法書士というのは、簡易裁判所での訴訟代理関係業務を行うことができる司法書士のことです。なるためには、特別研修を受講して考査の上認定される必要があります。それによって、簡裁訴訟代理等関係業務に携わることができるようになるのです。
依頼する司法書士を検討する際は、認定司法書士かどうかも考慮した方がいいでしょう。

費用の明確さ

過払い金請求を相談する際、気になるのはどのくらいの費用がかかるのか、ということです。過払い金請求を依頼した場合、主に相談料、着手金、基本報酬、成功時報酬、実費などの費用を請求されます。この費用が、項目ごとにどのような費用なのか、過払い金請求が成功した場合と失敗した場合でどのくらい変わるのかなどを、依頼する前にしっかりと説明してくれるところが多いのですが、中には詳しい内容を説明しないまま契約して、後から高額な費用を請求してくるところもあるのです。そのため、事前の説明があるかどうかが選び方の基準となります。
なお、過払い金請求に関しては相談料や着手金などが無料というところもあります。その場合、主に支払うのは成功時の報酬のみとなるでしょう。

過払い金の請求方法や過払い金の相談は司法書士へ

リボ払いの過払い金は、自分で請求することも出来ます。しかし、手間をかけずになるべく多く取り戻したいのであれば、司法書士等に依頼するというのも一つの方法です。
司法書士に依頼するデメリットは、費用がかかることだけです。その代わり、自分で手続きをするよりも返還される金額は多い傾向があります。また、手続のほとんどは代行してもらうことができるので、自分で何かを行わなくてはいけない、ということはほとんどありません。そのため、より多く返還してもらえる上で、手間も軽減されるのです。

まとめ

・過払い金は、かつて出資法で定められた上限金利が原因で発生する
・利息制限法を超える金利は、グレーゾーン金利とよばれる
・貸金業法が改正されたことで、グレーゾーン金利の返済分は返還請求ができるようになった
・これは、貸金業法の改正前まで遡って請求できる
・2010年6月18日以降は、金利が是正されている
・完済してから10年が経過すると、消滅時効が成立する
・それ以降は、過払い金を請求する権利が失われる
・完済していれば、過払い金請求をしても信用情報機関に登録されない
・過払い金と相殺しても借金が残る場合は、任意整理の扱いになる
・司法書士に依頼すると、返還される金額は多くなる傾向がある
・手間も大幅に減らすことができるので、司法書士に依頼するのがおすすめ

※2010年以前の場合、過払い金が発生するケースがあります。お気軽にご相談ください。




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