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債務整理
2021.08.03

債権とは?債権と債務の違いや関係性を司法書士がわかりやすく解説

借金などの話でよく登場する言葉として、債権、もしくは債務というものがあります。しかし、普段は聞きなれない言葉なので、よくわからないという人や間違えて覚えている人もいるでしょう。債権は、他人に対して何らかの請求をすることを認められる権利のことで、債務は他人に対して提供しなくてはいけない義務のことです。
ですので、意味は全くの逆なのです。
債権と債務について、分かりやすく解説します。後ほど困らないように、今のうちに正確な意味や使い方、2つの違いなどを覚えておきましょう。

債権とは?

債権というのは、債務を持っている人に対してあらかじめ定められている行為、あるいは給付を請求することができる権利のことをいいます。基本的には、お金を借りた人に対してその返済を求める権利のことをいいます。
その権利を持つ人のことを、債権者といいます。これも、金融機関などのお金を貸す業務をしている会社などを指すことが多いでしょう。

債務とは?

債務というのは、債権を持つ人に対して請求された場合に特定の権利、あるいは給付を提供するという義務のことを言います。基本的には、お金を借りた人がその債権者である金融機関等に対して、返済をする義務を意味します。
その義務を負っている人を、債務者といいます。ほとんどの場合、お金を借りた人のことを債務者と呼んでいます。

債権と債務の違いは?

債権と債務は、基本的にワンセットの言葉です。賃貸借契約においては、借りた人は債務という義務を負うことになり、貸した人は債権という権利を持つことになるのです。債権を持つ人は、債務を持つ人に対してお金を返すという契約の履行を請求できる権利があり、債務を負った人は請求されたときはそれに応じて契約を履行する義務があるのです。
消費者金融や銀行は、基本的に債権者です。そして、そこからお金を借りる個人、あるいは企業が債務者となるのです。ただし、債権者となるのは金融機関だけに限らず、個人間での貸借であっても債権者と債務者に分かれることになります。

場合別の債務・債権について

債務や債権の扱いは、その契約によって異なることがあります。主な契約例としては、双務契約、片務契約、相殺、相続という4つがあるのです。その4つはそれぞれ、債務や債権の意味合いが異なってきます。場合ごとに、それぞれの扱いを解説します。やや複雑なので、混同しないように気を付けて違いについて把握しておきましょう。

双務契約の場合

双務契約は、契約を結ぶ双方が、どちらも債務者であると同時に債権者でもあるという契約です。つまり、お互いに相手に請求ができるのですが、同時に相手から請求されたときには提供しなくてはいけない義務も負うことになるのです。
この契約の代表的なものとしては、労働契約や売買契約などがあります。労働契約の場合、雇用者は労働者に対して労働することを求め、労働者はその請求に応じて労働力を提供します。その代わり、労働者は雇用者に対して給与を請求することができ、雇用者はその請求に応じて労働の対価を支払う義務があります。

片務契約の場合

片務契約は、債務者と債権者が明確に分かれている場合の契約のことをいいます。消費者金融からお金を借りるときに結ぶ消費貸借契約などは、消費者金融が債権者、利用者が債務者と明確に分かれています。そのため、これは片務契約となります。ほかにも、贈与契約は片務契約に該当します。
片務契約は、契約書がない場合も成り立ちます。例えば、2人で食事に行った際持ち合わせがなく、1人が立て替えて2人分の食事代を支払い、後から返すという約束をした場合は片務契約が成立します。

相殺の場合

商取引などでは、当事者からみて双方に同一の性質で別の債権と債務が生じていることがあります。その債権と債務をお互いに帳消しとするのが、相殺です。これは、例えば企業の倒産に伴う破産手続きで生じることがあります。また、合併に伴って生じる場合もあります。
例としては、取引先が倒産したときはその会社が自社に対して買掛金があっても、それを回収することができなくなります。しかし、その会社から自社に対して売掛金があった場合、その債務は消滅しません。そこで、その売掛金と買掛金を相殺することで、債務を無くする、もしくは減額することができます。

相続の場合

相続は、被相続人の持つ債権や債務を相続人が引き継ぐことです。相続人は相続放棄をする権利もありますが、債権と債務のどちらか一方だけを相続することはできないので、相続するべきかどうかをよく考えて決めるべきでしょう。
債権や債務にはこのような形での契約があるのですが、複雑でわかりにくいことも多いでしょう。その場合は、専門家である司法書士に相談してみて、どのような契約に当たるのかを明確にすることをおすすめします。

債権者が債務者にできる権利は?

債権者は債務者に、その債務を履行するよう請求する権利を持ちます。しかし、当然ながら何でも自由に請求できる、というわけではありません。具体的には、どのような権利があるのでしょうか?
債権者が持つ権利として、まずは損害賠償請求権があります。これは、契約の通りに債務者が債務を履行しなかったことが原因で、債権者に損害が生じた場合にその代償を請求できる権利です。
他にも、債務者から給付を受けた際にそれが不当利益に該当しない限りは、それを債権者が保持できる給付保持力という権利を持っています。購入したものを売り主から返品してほしいと求められた場合などに、その請求に応じる必要がないというのがこれに該当します。
債権の給付内容に従った請求を強制的にできる権利は、貫徹力といいます。例えば、売買契約で代金を支払ったのにもかかわらず品物が引き渡されなかった時に、その引渡しを強制できる権利などです。
このほかにもいくつかの権利があり、最終手段として契約解除の権利もあります。

債務不履行はどういう場合になる?

債務者が、その債務を故意、もしくは過失のため履行しなかった場合は、債務不履行に該当します。履行可能な状態で、債務者が債務を果たさなければ、債権者にはそれを民法に基づいて強制履行できるのです。また、債務不履行になって債務者に責められるべき事由がある場合は、それによって生じた損害の賠償を債務者に請求することもできます。
ただし、債務を履行しなかったのではなくできなかった場合、その理由が納得のいくものであれば債務不履行には該当しないこともあり得ます。

まとめ

・債務と債権は似ているものではあるが、その意味は反対
・債権は、貸主が借主に対して請求する権利のこと
・債務は、借主が貸主の請求に応じる義務のこと
・債権と債務は、おおむねワンセットで扱われる
・双務契約の場合、お互いが債権者であり債務者でもある
・消費貸借契約などは、一般的に片務契約に該当する
・お互いの債務と債権を打ち消しあうことを、相殺という
・被相続人のもつ債権や債務を相続人が引き継ぐことを、相続という
・債権者が債務者に請求できる内容は、契約によって決められている
・損害賠償請求権などの様々な権利がある
・最終的な手段として、契約解除の権利もある
・債務を故意、もしくは過失で履行しないと、債務不履行になる




監修者情報
代表 認定司法書士 幡野 博文
代表 認定司法書士 幡野 博文
認定番号 第401159号 / 東京司法書士会所属 / 登録番号 東京 第1545号
40年の実績と信頼。北海道江別市出身。
昭和56年に司法書士資格を取得し、司法書士事務所を開設。以後、登記業務を主として各方面で活躍し、その傍ら身近な法律家として庶民の相談者として、様々な問題を解決。平成15年の簡裁訴訟代理関係業務の認定制度の発足に伴い、認定司法書士の資格を取得。親切・丁寧をモットーに依頼者と共に問題を解決すべく司法書士活動を展開中。
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