借金の減額は可能?シミュレーターの仕組みや利用デメリットなどを解説
借金をしていてその返済に苦しんでいるという人にぜひ知っておいていただきたいのは、借金は減額することが可能だということです。知らないという人も多いのですが、借金の返済が難しい時は減額することの出来る制度があるのです。
ただ、減額されると言ってもどの程度なのかが気になるでしょう。どのくらい減額できるのかを知る方法として、借金減額診断というサービスがあります。いくつかの項目を入力することで、減額されるのがどの程度なのかを知ることができます。ここでは、シミュレーターがどのような仕組みなのか、またデメリットなどはあるのかを解説します。
借金減額診断(シミュレーター)とは
そもそも、借金減額診断(シミュレーター)というのはどのようなものなのでしょうか?
借金減額診断(シミュレーター)というのは、債務整理を行った場合に借金をどのくらい減額できるのかを診断することが可能なサービスのことです。これは無料で24時間いつでも利用可能で、そもそも借金の減額が可能かどうか、出来る場合はどのくらい減額できるのか、減額のためにはどのような手段があるかなどを知ることができます。
シミュレーションを利用する場合は、氏名、住所、電話番号といった個人情報や、借金の借入総額、利用している件数、借入を始めてからの年数などを入力する必要があります。また、匿名診断に対応しているものもあるので、個人情報を入力したくない時は対応しているものを利用しましょう。
借金減額の方法と仕組み
借金を減額するための対処法は、いくつかあります。具体的には、どのような方法があるのでしょうか?
代表的な方法と、それぞれの具体的な内容について解説します。借金の状況などを踏まえて、その中から対処方法を選ぶことになります。それぞれの内容を把握した上で、選択しなくてはいけません。どのような対処方法があるのか順に解説していくので、考える際の参考にしてください。
低金利のローンに借り換える
まずは、現在利用しているローンの金利を確認してみましょう。金利には借入金額に応じた自金利の上限が定められているのですが、その上限に近い金利で利用している場合は低金利のローンへと借り換えることを考えてみましょう。
通常、金利について記載されるときは年利3.0~17.8%のように、最低金利と上限金利が書かれています。そして、利用している期間や利用金額によって、金利が決められるのです。ほとんどの場合、最初に借りた時は上限金利に近い金利になっているでしょう。そのため、低金利のローンを探す場合はこの金利の標記のうち、上限となっている利率が12%など低くなっているものを探しましょう。年利17.8%から12%になった場合、単純に計算して利息は約3分の2となり、実際には利息にも利息がつく複利計算となっているので利息は3分の2を下回ることになります。
ただし、一見低金利に見えたとしても、実際には借り入れ状況や条件などによって、実質的な金利が高くなっていることもあるため注意しましょう。
おまとめローンを利用する
また、おまとめローンを利用するという方法もあります、これは銀行をはじめとした金融機関が取り扱っているもので、複数社から借り入れをしている時にその全額を1社でまとめてしまうという借り換えサービスのことを言います。
例えば、4社から合計300万円を借りていてそれぞれに毎月1~2万円ずつ返済していると、1ヶ月の合計返済額は少なくても5万円、多ければ10万円近くになります。その状況では、お金が足りなくなってしまう月も出てくるでしょう。その時に再び借り入れをしてしまうと、借金はなかなか減らず増える一方になってしまうのです。また、返済先が複数あると管理も難しくなり、返済を滞納してしまう可能性も高くなってしまいます。
おまとめローンを利用すると、まず借入総額が1社にまとまることで金利が低くなる可能性が高くなります。元々おまとめローンは通常のローンよりも金利を低く設定していることが多いので、原則として下がると思っていいでしょう。また、返済が1社にまとまることで管理もしやすくなり、毎月の返済額も少なくなるので返済を滞納する可能性も低くなるでしょう。
ただし、おまとめローンが必ず低金利というわけではないので、利用する前に必ず金利を確認しましょう。また、借金をして借金を返済するということなので根本的な解決とはなりません。おまとめローンのために解約した貸金業者から、すぐに再び借りることができなくなるという点も踏まえた上で利用しましょう。
関連リンク:借金一本化での返済はアリ?メリットデメリットやまとめることができない場合の対処法も紹介
過払い金の返還請求をする
以前に、法律で定められている上限金利を超えるグレーゾーン金利で借り入れをしていた人であれば、利息を余分員支払っていたという可能性もあります。もし、利息を払い過ぎていた場合は、過払い金が発生している可能性があります。その場合、過払い金を請求することで金融機関は返還しなくてはならなくなるので、現在残っている借金からその分が差し引かれます。もし、残っている借金よりも過払い金のほうが多かった場合は、借金がすべてなくなるうえ手元にもまとまった金額を受け取ることができるのです。ただし、全額を返済できなかった場合は債務整理の手続きの一種である、任意整理をしたことになってしまい、信用情報機関にもそのことが登録されてブラックリストに入ることとなってしまうのです。
そのため、過払い金返還請求をする際は事前にどのくらいの過払い金があるのか、現在の残債はどのくらいかを計算して、返済しきることができるかどうか、しっかりと確認してから手続きを開始しましょう。
関連リンク:過払い金とは?返還請求のメリット・デメリットを解説
債務整理をする
自分の力ではどうあっても返済できないという状況になった場合は、債務整理を検討してみましょう。債務整理には任意整理、個人再生、自己破産という3つの手続きが主にあり、このうち個人再生と自己破産は裁判所を通じて行う手続きです。
任意整理の場合は、残っている借金にかかる原則利息をカットしてもらい、返済期間も長期にすることで無理なく返済できる条件を整えます。
個人再生の場合は、原則利息だけではなく減額もできます。一般的には最大5分の1まで減額できるのですが、借金の額が多い場合は最大10分の1まで減額することが可能です。
自己破産の場合は、借金の返済義務が免責となる手続きなので、認められた場合は残った借金を返済する必要がなくなります。そのため、すべて減額できるということになるのです。
関連リンク:債務整理とは?メリット・デメリットを解説
関連リンク:おまとめローンと債務整理の違い
借金減額診断(シミュレーター)の利用の流れ
ネット上で探すと、借金減額診断(シミュレーター)はたくさんの種類があります。しかし、利用する際の流れはほとんどが共通しているので、多少順番が前後する程度の違いしかありません。その流れについて、解説します。
借金減額診断(シミュレーター)を利用する場合、まずは現在の借入総額を入力します。この時、自分で数字を入力するものもあれば、金額別にいくつかの項目に分かれていてその中から当てはまるものを選ぶものもあります。
次に、借入期間を入力します。これも、期間を直接入力するものと選択肢から選ぶものがあります。
次は、現在の返済状況を答えます。この時は、問題なく返済できている、支払いができない、できれば支払金額を減らしたいといった選択肢から答えることになります。
そこまで入力したら、診断はほぼ終わりです。そのあとは、氏名や電話番号、住所などの個人情報を入力します。この部分は、匿名でも可能なものもあるので、入力したくない場合は匿名でもいいものを選びましょう。
入力が終わると、数日後には法律事務所から連絡が来てどのくらい減額できるのかを教えてくれます。記入ミスがあると診断結果が届かなくなるので、正しく入力するよう気を付けてください。
借金減額診断(シミュレーター)の利用のメリット
借金の返済が大きな負担になっている場合などは、どうにかして減額できないかと思う人が多いでしょう。そういった場合は、借金をどのくらい減額できるのかを判断するために借金減額診断、あるいは減額シミュレーターを利用して確認してみましょう。具体的に、それらを利用することでどのようなメリットがあるのか、解説します。
メリット① 減額できる金額の目安を知ることができる
借金減額診断は、インターネット上で利用できる無料のツールです。24時間いつでも診断を受けることができるため、司法書士事務所や法律事務所などに直接相談をしに行く時間がない人でも利用できます。
メリット② 借金の対処方法がわかる
借金をしたら返済するのは当然ですが、借り過ぎてしまったために返済が難しくなったという人もいるでしょう。そういった人も、対処方法を知ることができれば、毎月の負担を減らすことができます。シミュレーターを利用してどのくらい減額できるかを確認した後で、電話で具体的な方法を相談するということもできます。
メリット③ 診断を匿名で受けられる
ネット上のツールには、本名を入力するのに抵抗がある人も多いでしょう。借金減額診断では、基本的に匿名で利用することができます。電話番号やメールアドレスは必要となるのですが、名前は必要ないので診断を受けるのにも抵抗は少ないでしょう。
メリット④ 借金解決の専門家に相談ができる
シミュレーターを利用して、どうすれば借金を減額できるのかを知ったとしても、個人でその手続きをするのは難しいでしょう。そのような場合は、専門家である司法書士や弁護士などの専門家に相談しましょう。
借金減額診断(シミュレーター)の利用のデメリット
借金減額診断(シミュレーター)を利用することにはメリットが多いのですが、中にはデメリットと感じる点もあります。そういったデメリットのほうが強く感じる人は、シミュレーターを使用しないほうがいいという意見を持っていることがあります。しかし、それほど重大なデメリットがあるのでしょうか?借金減額診断(シミュレーター)を利用した場合に起こりうるデメリットについて、解説します。自分にとって許容できないデメリットがあるか、確認してみましょう。
確実に診断結果と同じ結果を得られるという保証はない
借金減額診断(シミュレーター)を利用した場合、どのくらい減額できるのかという予測を知ることができます。しかし、その結果に関しては絶対そうなるというものではなく、あくまでも予測です。そのため、債務整理をしたとしてもシミュレーション通りに減額されるとは限らないのです。
なぜかというと、シミュレーションではごく一部の限られた情報だけを使って計算しているのですが、実際にはもっと多くの情報が必要とされるからです。例えば、これまでの返済履歴や合計の利息総額なども計算では必要とされるのです。債務整理をする場合はそういった情報もすべて確認する必要があるので、結果にも差が出てきてしまうのです。
法律事務所などから連絡が来ることがある
借金減額診断(シミュレーター)は、法律事務所が提供していたり、提供している会社と法律事務所などが提携していたりすることがあります。そして、シミュレーターを利用した人に対しては、結果を伝えるために法律事務所から直接連絡するのです。その際は、電話やメールで連絡が来るようになっています。そして、減額できるのだから債務整理をしたほうがいいと提案されます。
法律事務所なので押しつけるような営業連絡は無いとはいえ、中には不安になる人もいるでしょう。そんな方には、借金減額診断ではなく法律事務所や法務事務所に直接相談する、という方法をお勧めします。はたの法務事務所では、借金返済の無料相談を行っておりますので、是非ご相談下さい。
診断の際に手数料を請求されることがある
シミュレーターというのは、ほとんどの場合無料で利用できるようになっています。そのため、手数料が発生することはまずありません。それにもかかわらず、利用しようとしたときに手数料が発生されるようなことがあれば、そのシミュレーターは法律事務所などが運営しているものではなく、違法な業者が運営しているものである可能性が高くなります。違法な金融業者に関しては、金融庁のホームページに掲載されています。そこに、現時点で明らかになっている違法業者が載せられています。そういったところがシミュレーターを運用している場合は、高額な手数料や仲介手数料などを請求されることがあるので注意してください。
それ以外には、整理屋という違法業者もいます。これは、借金を減額するために債務整理をすると言って手付金をだまし取るなどの手口で詐欺を働く人のことを言います。この時、場合によっては個人情報も奪われてしまう可能性もあります。少しでも違和感があったりおかしいと感じたりした場合は、シミュレーターの使用をやめましょう。利用しているうちに、偽サイトなどに誘導されてしまう可能性もあるのです。
借金を効率的に減らすコツ
借金を効率的に減らす方法はいくつかあり、例えば多重債務に陥っている場合は金利が低いおまとめローンで一本化すると、支払う金利を抑えることができます。また、返済に余裕があるときは繰り上げ返済をすることで、返済にかかる期間を短縮できます。返済する資金が不足している場合は節約をして、どうしても困った場合は公的支援制度を活用するといいでしょう。
関連リンク:返済しても借金が減らない!その理由と効率的に減らしていく方法を紹介
診断後の債務整理手続きの流れと費用
借金減額診断を受けて、債務整理に移行する場合はまず司法書士や弁護士などの専門家に相談しましょう。債務整理の相談であれば、無料で受け付けているところも多いのです。
相談の結果、依頼することが決定した場合に費用を算出するのですが、それは債務整理の種類によって費用が異なります。任意整理であれば、最初に着手金を支払って債権者と交渉してもらいます。その結果、減額できた場合は報酬金と、減額できた金額に応じてその10%前後を支払います。
個人再生や自己破産の場合は、専門家に支払う費用の他に裁判所へと納める費用が必要になります。通常、専門家に支払う費用は実際の手続きを始める前に支払います。分割払いでも受け付けているところが多く、支払いが終わってから手続きを開始することになります。
関連リンク:債務整理の費用相場を種類別に徹底解説
まとめ
・借金減額シミュレーターは、借金をどのくらい減額できるかをシミュレーションできるサービス
・借金を減額する方法としては、ローンの借り換えやおまとめローン、債務整理などがある
・過払い金がある場合は、返還請求をすることも考えよう
・シミュレーターを利用する際は、必要な情報を正確に記載しよう
・シミュレーターの利用にはデメリットもあるので、注意しよう
・シミュレーターを運営する会社の中には、詐欺を働いている会社もある
クレジットでの買い物や、軽い気持ちでキャッシングを重ねるうちに借金が知らない間に増えることは、だれにでもあることです。
支払いが無理かなと感じたら、身近な法律家である司法書士にまずは、ご相談ください。
あなたの早めの相談が問題解決へのきっかけになります。
一人で思い悩まずに、司法書士といっしょに問題解決に向けてスタートしましょう。
また、司法書士は、不動産登記や商業登記、簡易裁判所で扱う事件についての代理等をしていますので、借金問題以外の法律相談もしています。
弁護士では、敷居が高いと感じている方も、気軽にご相談ください。