オリコの過払い金返還請求にかかる期間と返還について(2021年)
貸金業者によって、過払い金請求ができるかどうかは異なります。
オリコは相談件数も多く、過払い金請求ができる可能性が高い貸金業者の1つです。
過払い金を回収する方法として様々な方法があります。
その方法や状況によっては、返還される金額や返還される期間などが大きく変わってくるのです。
請求した場合、どのくらいの金額になるのかは、無料で調べる方法もあります。
この記事ではオリコの過払い金請求に関して詳しく解説していきます。
オリコから過払い金請求ができる人の条件
リコに過払い金を請求できる人の条件としては以下の2点があります。
・2007年3月31日より前に、オリコからお金を借りていた人
・最後の借り入れ、もしくは返済をしてから10年未満の人
この2点が条件となる理由について、解説します。
貸金業者からお金を借りたときは、金利を付けて返済します。
この金利は、法律で年何%まで、と上限が定められているのですが、実はその法律が変化しているのです。
というのも、現在は金利の上限を利息制限法に基づいて定めています。
その上限は、以下の通りです。
借入金額 | 利息制限法の上限 |
---|---|
10万円未満 | 年20% |
10万円以上100万円未満 | 年18% |
100万円以上 | 年15% |
しかし以前はそれ以外に出資法という法律でも、上限金利が定められていたのです。こちらの法律では、上限金利が年29.2%になっていたのです。どちらの法律を優先するのかがはっきり決められていなかったので、いわゆるダブルスタンダードの状態でした。そのため、利息制限法を上回る金利でも、出資法の範囲内なら違法とは言えない、とされていたのです。
実際どのくらいの金利で貸し付けるのかは貸金業者が決定するのですが、その中には出資法の範囲ではあるものの、利息制限法の上限金利を上回る金利で貸し付けていたところもあります。その場合の、利息制限法を超えて出資法の範囲内の金利のことを、グレーゾーン金利といいます。その金利の差分に該当する部分が、現在過払い金として請求できるようになっているのです。つまり、当時は金利20%を超える利息をつけて返済していた分を、現在の最大20%の金利で利息を計算し直して、オーバーしている分は元本への返済だったことにして計算し直します。そして、本来なら返済が終わっている状態で支払った分を、過払い金として請求するのです。
貸金業者によっては、以前から利息制限法に基づいた金利で貸し付けていたところもあります。オリコの場合は、どうだったのでしょうか?
オリコの場合は、利息制限法を上回る27.6%の金利で貸し付けを行っていたので、該当します。ただし、出資法は2010年6月に改正されたのですが、オリコはそれより前の2007年4月1日の時点で、すでに利息制限法に定められている年20.0%以内の金利に切り替えています。それ以降に借りていた分は、過払い金が発生しません。そのため、オリコに過払い金請求をできるのはその前までに借りていた分だけ、ということになるのです。
例えば1997年にオリコから150万円を借りて、その一部を返済したりまた借りたりしながら11年が経過して、2008年から本格的に返済を開始して、2012年に完済したとします。利息制限法では、100万円以上の借り入れに対しては年15%が上限金利となっているので、返済した分の計算が元金+年27.6%分の金利と計算していたのを、元金+年15%分の金利として計算し直します。そうすると、金利分として支払っていた分の5割近くが、元金を返済したものとして計算できるようになります。その分を元金から差し引いていき、元金が減ったものとして計算するのです。そして、翌月の返済分は、その減った分の元金+年15%の金利としてまた計算します。途中で追加借り入れした分も元金に加えながら、こうして計算をしていくのです。
すると、途中で元金を返済し終わっている計算結果になるときがあります。その場合、余った分とそれ以降に支払った分が、本来なら支払う必要がなかった分になります。そのため、借りてから返済までの期間が長ければ長いほど、過払い金が発生している可能性は高くなります。
ただし、オリコにはローン専用のカードとクレジットカードが複数あります。
① ローン専用カード
・アメニティカード
・クレストカード
② クレジットカード
・オリコカード
・オートウェーブカード
・オートバックスカード
・コジマカード
・UPty(リボ払い専用カード)他
オリコは信販系の会社の中でも大手であり、多くのクレジットカードを発行しているのです。これらのクレジットカードを利用して買い物をしていた場合、その代金はオリコが立て替えて支払っていただけで、貸付金とは別のものとして扱われます。分割で代金を支払ったときは分割手数料を支払っていたでしょうが、それも利息とは違うので過払い金の対象にはなりません。ショッピング利用分については、過払い金請求ができないので注意しましょう。
オリコのクレジットカードを複数所有している場合、過払い金請求はカードごとに請求できません。必ず一括で請求することになります。その点にも注意してください。
過払い金があるか確認する方法としては、過去の取引履歴をオリコに請求してそれを計算してみるしかありません。しかし、この計算はかなり複雑なので、自分で計算しようとしても難しいでしょう。司法書士や弁護士など、過払い金の専門家に相談すれば取り寄せから計算、請求までお任せできるので安心です。
はたの法務事務所では、過払い金の調査は無料で引き受けています。詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。
オリコに過払い金請求ができなくなる場合の条件
過払い金があるなら請求したほうがいいのはもちろんですが、中には過払い金請求ができなくなるケースもあります。過払い金請求ができなくなる条件としては、主に以下の2点です。
・時効が成立する
借金には時効があります。これは、本来なら借金をしても返済せずにその期間が経過したときに返済の義務が消滅するというものですが、過払い金の請求に関してもこれが適用されるのです。その期間は、10年とされています。
つまり現在は2020年10月なので、この時点で2010年10月より前に返済が完了している借金に関しては過払い金請求ができなくなっています。ただし、借りたのが2000年でも、全額を返済したのが2012年なら2022年までは過払い金請求ができます。借りてから10年ではなく、最後の返済から10年が経過したら時効となるので、注意してください。
・オリコが倒産する
オリコは信販会社大手4社の一角で、みずほ銀行や伊藤忠商事などが株主に名を連ねています。オートローンや販売信用では業界トップに立っている会社なので、倒産のリスクはかなり低いといえるでしょう。しかし、武富士のような大手消費者金融でも倒産する事態に陥りました。万が一の場合、倒産することはありえないことではないのです。もし倒産した場合は、それ以降過払い金請求ができなくなるので、請求するなら早い方がいいのです。返還される可能性があると思った方は、なるべく早く専門家に相談しましょう。
オリコの過払い金が返還されるまでの期間や返還率について
オリコから過払い金が返還されるまでにかかる期間や返還率に関しては、専門家に相談した場合と裁判を起こして請求した場合で、大きく異なります。
比較してみると、以下のようになります。
専門家に相談 | 裁判で請求 | |
---|---|---|
返還までにかかる期間 | 最短3か月から | 裁判で請求 |
返還率 | 70%~80% | 100% |
・オリコの過払い金の特徴と、はたの法務事務所の対応
オリコ(オリエントコーポレーション)は、みずほフィナンシャルグループなどが株主となっているなど、経営母体の強い信販系会社で、資金に関する懸念は比較的薄いと思われます。そのため司法書士が介入することで円滑な手続きを行うことが可能です。
一方で、レイクなどと同様、取引履歴の開示が不完全であったり、他社カードローンやクレジット契約の保証会社になっているケースが多いため、それらの契約をされている場合注意を払う必要があるなど手続き自体が少々複雑となるため、司法書士などのサポートを得たほうがよいでしょう。
オリコからの過払い金請求ができた実例
ケース①:相談者A(40代女性・主婦)
Aさんは、1998年からオリコを利用していました。当時は20代で、友人との交際費などが足りない時に借りていたそうです。30万円の限度額から始まったのですが、最終的には限度額が100万円になりました。徐々に負債が膨らんでしまい、2011年に結婚の話が出たときに両親を頼って完済しました。それ以降は利用していませんが、最近になって過払い金のことが気になったため、相談にお越しになりました。
当事務所から取引履歴の開示請求を行った結果、103回分の返済分に関しては過払い金があり、総額で135万円になることがわかりました。
家族に知られたくはないので、裁判は避けたいという意向を受けて、当事務所とオリコで話し合いによる交渉を行いました。その結果、5か月後には過払い金の返還に同意してもらうことができ、約80%の107万円が返還されることになったのです。ちなみに、裁判をしていたと仮定すると、結論が出るまでには1年以上かかるものの100%返還される可能性が高いでしょう。
ケース②:相談者B(60代男性・自営業)
Bさんは、2000年にオリコの利用を開始しました。当時はギャンブルをしていて、資金不足の時などに借りていたそうです。当初の限度額は50万円でしたが、繰り返し利用していたことで80万円まで増額されました。毎月借りては返すということを繰り返していましたが、徐々に借金が増えていたこともあって奥様にそのことを告白し、貯金から全額返済したそうです。今回は、当時のことを思い出してもしかしたら過払い金があるかもしれないと思い、相談にいらっしゃいました。
なるべく多くの金額を取り戻したいという希望ですが、裁判は面倒くさいということで交渉による解決となりました。過払い金は計算の結果、76回分の返済が該当しており、総額ではおよそ90万円となる見込みです。
オリコとの話し合いでは、その約75%の68万円が提示されました。Bさんがその金額で納得されたので、3か月ほどで請求は完了しました。
オリコで過払い金返還請求をする際の流れ
まずは当事務所に依頼があった場合、受任通知を先方に送付する事から始まります。
(⇒https://hikari-hatano.com/saimuseiri/column/jyunin/)
次に取引履歴を取り寄せ引き直し計算を行うのですが、この際レイクなどと同様、取引履歴が一部しか開示されない不完全な場合があるという事に注意が必要となります。
そのため、契約書などを基にして、想定される返済取引を出し、推定計算を行う必要があります。
この時オリコから平成9年以前の取引日、その日の残高の開示があった場合の取引明細書等の客観証拠を集めることで、後の和解を有利に進める事ができます
また、多くの信販会社の保証を行っているため、キャッシングやクレジットの残債がある場合これらの残債と計算によって出された過払い金で相殺を行い、その上で過払い金が発生する場合にオリコへ請求書を発送する事となります。
オリコの場合、争点がなければ満額での解決となり、訴訟まで発展する事は少ないのですが、和解・判決により返還金がある場合でも、返還まで長引くことが多いようです。約半年後に当事務所に返還され、差額分をお渡しする事となります。
オリコの過払い金請求をするメリットとデメリットについて(完済済)
・完済後にオリコの過払い金請求をするメリット
完済してからオリコに過払い金請求をするメリットは、手元にその過払い金が戻ってくるという点です。もともとは、自分が借りたお金を返済する際に、払いすぎた分が返ってくるだけなので、受け取ることに何ら問題があるわけではありません。何の気兼ねもなく受け取れるので、自由にできるお金が増えるということになります。
その金額が多額であれば、それが手元にあるうちはまた新たに借りようと思うこともないでしょう。気持ちにも、余裕ができるのではないでしょうか。
・完済後にオリコの過払い金請求をするデメリット
完済後に過払い金請求をすると、オリコからは今後借り入れができなくなります。以前のカードを持ったままでも、そのカードは使用停止になるでしょう。新規で契約しようにも、審査で断られてしまいます。
オリコは、クレジットカードなども多数発行していて、オートローンも展開しています。それらの利用があると、そちらも利用停止になってしまいます。オリコのクレジットカードがないか、きちんと確認しましょう。
また、みずほ銀行のカードローンや住宅ローンを利用していても、影響はありません。
オリコの過払い金請求をするメリットとデメリットについて(返済中)
・返済中にオリコの過払い金請求をメリット
返済中に、オリコの過払い金があることが分かった場合、それを請求することで現在返済中の借金の元本を減らすことができます。また、借金がなかなか減らない原因となるのが利息ですが、その利息もカットされるため完済までの日程も近づきます。
過払い金は、キャッシングだけではなくショッピングの利用残高からも差し引くことができます。オリコは多数のクレジットカードを発行しているので、リボ払いなどが残っている場合はその支払いも差し引かれるため、返済が楽になるでしょう。
・返済中にオリコの過払い金請求をするデメリット
過払い金請求をしたものの、その金額が残っている返済分より少なかった場合は、そのまま任意整理手続に移行することになるでしょう。そうなると、信用情報のブラックリストに登録されてしまいます。ただし、これまでに返済を滞納したことがある人はすでに登録されているので、気にする必要はありません。気にせずに、過払い金請求をしたほうがいいのです。過払い金があるかどうかは、取引履歴を確認して計算します。その結果を見てから、請求するかどうかを決めてもいいでしょう。
オリコの会社情報
多くのクレジット会社の保証会社となっているため、残債には注意が必要です。また、みずほ銀行(その他関連のある銀行)、ならびに信用金庫等からの融資のうちオリエントコーポレーションが保証会社となっている契約がある場合、その銀行のカードローン契約による借入がストップする場合がありますのでご注意ください。(復活ができないようです)
各金融機関の過払い金についてもっと知りたい方へ
• アコムでの過払い金返還訴訟について
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• 地方での過払い金返還訴訟について
※2010年以前の場合、過払い金が発生するケースがあります。お気軽にご相談ください。
まだデータがありません。
クレジットでの買い物や、軽い気持ちでキャッシングを重ねるうちに借金が知らない間に増えることは、だれにでもあることです。
支払いが無理かなと感じたら、身近な法律家である司法書士にまずは、ご相談ください。
あなたの早めの相談が問題解決へのきっかけになります。
一人で思い悩まずに、司法書士といっしょに問題解決に向けてスタートしましょう。
また、司法書士は、不動産登記や商業登記、簡易裁判所で扱う事件についての代理等をしていますので、借金問題以外の法律相談もしています。
弁護士では、敷居が高いと感じている方も、気軽にご相談ください。